170話 帝都の街並み
戴冠式までまだ時間があるので観光します!
なお、レンと二人っきりで(*´▽`*)
うーん、どことな~くヨーロッパ風の駅だな。
というか世界史の教科書に載ってそうだ。
そして魔法世界では普通にありそうな外観だ。
駅は木造製ではなく石材という時代を感じる造りであった。
向こうの世界の駅はだいたい金属製だから初めての体感だ。
金属製だと何か無機質でどこか寂しさを感じたが石材になると荘厳で迫力のようなものを感じるな。
設計士は称賛に値するナイスチョイスです。
「では龍様、我々は戴冠式の準備が滞りなく進んでいるか確認するために先に城へと参ります。龍様はレンと観光を楽しんでください。戴冠式は翌々日に行われますので夕方頃には戻ってきてください。五王家の現当主の方々と御食事です」
ああ、アヴェルとはここでいったん別れるのね。
レンと一緒に行動できるのは心強い。
長期休暇になると帝都に戻っていたって行きに聞いたからな。
土地勘もあるし道には迷わないだろう。
それはそうと五王家の現当主と会うのかぁ。
まだ庶民舌なんだけど大丈夫かな?
「…行ってしまいましたね」
「…だな。どうする?」
「そうですねぇ。先ずは皇帝通りに行きましょうか」
「皇帝通り?」
「インフェルノ城前へ一本道で行ける通りの名称です」
最初はインフェルノ城を見せると。
皇帝通りということは周辺は発展してそうだな。
出店とかありそうだ。
一応、昼はまだ食べてないからレンのオススメの店で昼食を取ろう。
「じゃあ、そこに向かうか。で、口調は?」
「…タメ口で話しても大丈夫ですかね?ほら、周りの目が気になりますし、ルークス家に泥を塗ることになります」
「いや、敬語で話されたら『この人、何者!?』となって正体がバレるとマズい。タメ口で話して一般人と思わせた方が良いと思うぜ」
「そうだね。そうするよ」
うわぉ、切り替えがはっや~い。
女性って電話の時に口調を変えるよな?
今、起きたのはそれと同じ原理か?
「で、肝心の龍は変装しなくて良いの?」
「瞳の色が両方とも金色に統一されたし、服も私服は見られてないから大丈夫だろ」
ゼロが実体を持って現れるようになってから左目が金色になったというか元の色に戻った。
これはかなりありがたいことだが俺の理を変える能力はなくなった。
まあ、不死に関してはゼロは『可能な限り致命傷は消滅させるし生かす』と言っていたので一応、まだ不死なのかな?
なお、そのゼロさんは『体に早く慣れさせるため魔物でも倒しに行く』と言った。
そして、降車するとそのまま何処かに消えました。
多分、腹が減ったら帰ってくるだろう。
「で、レンは変装しなくて良いのか?」
「大丈夫!恋になれば問題なし!」
「なら大丈夫だな」
「それじゃあ、行こっか」
てな訳で俺はレンに案内されて先ずは皇帝通りを訪れた。
「本当に一直線上に城が見える」
「そうあれがインフェルノ城、龍の家よ」
まだあまり近づいてないから細かい所は良く見えないがユルグレイト城よりかは大きい。
魔王城のせいか『近づいたら生きては帰れない』と城が語りかけいるようだ。
それよりもゲームとか漫画で見るような魔王城と全然、違うな。
何かもっと恐ろしくてコウモリが周辺に飛んでいて、雷雲が上空を漂っており、壁の色は黒とかのイメージだったが普通に人間の王様が住んでそうな城だぞ。
黒の壁なんか見当たらないし、街も普通だ。
魔王の領域って教えてるのは帝都を囲っている壁と入ってきた門だけだ。
「なあ、城って建設当初からあんな見た目なの?」
「らしいよ。あたしも漫画やアニメに出てきた魔王城が怖くて驚いたもん。何であんなに恐ろしいのって」
ありがとう爺ちゃん、仮にインフェルノ城が恐ろしい見た目だったら眠れなくなる所でした。
ああ、マジで俺がイメージしてた魔王城じゃなくて良かったぁ。
安心して暮らせる。
五王家当主との食事会までレンと一緒に行動します!
女子と二人っきりで観光ですかぁ( ´∀`)
これってまるで…
それではまた次の話で!




