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159話 創造VS創造②

龍VSルシフェル決着!

切りがなかったので今回は少し長めになっておりますσ(^◇^;)

前回同様に会話はほとんどありません。

 超高速の刃の弾丸、慣れるのには苦労したが軌道さえ読めれば容易に交わせる!

 

 龍は次第に刃の弾丸の動きに慣れていった。

 最初は掠り傷を負っていたが今は難なく交わしている。

 だがルシフェルは追い討ちをかけるように更に刃を三本追加する。


「一本だけだと思っていたか?」


 予想していたがまさか四本同時かよ!

 さすがに四本同時は避けれないから、一本は当たって…それだと長期戦に持ち込まれるとその傷が原因で負けてしまう!

 なら四本、全てを防ぐ方法を今ここで編み出す!

 いや、それじゃあダメだ!

 あいつの口振りだとまだ奥の手を隠している!

 四本を全て防ぐ方法を編み出してもそこで終わりだ!

 五本になったら六本になったらどうする!

 俺はこいつに勝つために地下室に来たのか!?

 俺はこいつに体を渡すために来たのか!?

 全部全部全部、違うだろ!

 俺は強くなるためにここに来た!

 こいつを倒しても何の成果もない!

 『ルシフェルを倒してた』、それだけなんだよ!

 だから奴の行動の全てを予測しろ!

 予測して全て防ぎ早急に勝つ!

 一分一秒でも早く地上に戻って皆を助ける!

 俺の前に立ちはだかるな!

 俺の糧になって道を譲れ!

 テメェの時代はとっくに終わったんだよ!

 御先祖様なら御先祖様らしく子孫の行く末を天国で見守っとけ!

 こんな所で躓いている暇はねぇんだよ!

 英雄魔王ルシフェル!全力でテメェを倒す!


(雰囲気が変わった?龍め掴んだな。王としての風格を。我、如きに負けてたらお前の人生はそこで終いだ。我を倒しお前の時代を掴み取れ!)


 龍は腰を少し落として立ち止まる。 

 そして双剣を創ってルシフェルを睨んだ。

 この修行で龍は大きく進化した。

 前までは無知だったが向こうの世界について知った。

 以前とは見違えるように肉体と精神も鍛え上げられた。

 己の個力、創造クリエイトについての理解を深めた。

 疑いの目を向けて信じていなかった魔法に触れて学んだ。

 そして己の事を知った。


 龍は目を瞑り、深呼吸をする。

 また、それに呼応するかのように龍の魔力が上昇していく。


(これは驚いた。教えてないないのに魔族化を己の意思でできるとは…。しかもほぼ完全に!)


 犬歯は伸びてきて下の歯に重なる。

 角は真っ直ぐ伸びずに額から円を描くように生える。

 まるで王冠を被っているようだ。

 そして翼と尻尾は生えていない。

 尻尾と翼は今の戦闘では邪魔になると意識したからだ。

 これが龍のゼロの助けなしの本来の魔族としての姿だ。


「魔族化、七十五パーセント!!」


 あいつは常に魔族化していた。

 初めっからこうすれば良かったんだ!

 自分が持つ物を全て使い活かす!

 刃の弾丸も…捉えれる!


 龍は向かってきた全ての刃の弾丸を撃ち落とした。


「面白い!不格好であるが実に良いぞ!こういう催しは好きだ!さあ、抗ってみせろ!」


「抗うのはテメェだ!さっさとそこを退けええぇぇぇぇぇ!!」


 龍は全力で大地を踏みしめてルシフェルに斬りかかる!

 だがルシフェルは孫の成長が嬉しいのか個力で防ごうとせずに太刀を創って迎え撃つ!

 二人の刃が衝突して火花が散った!

 また、激しい金属音が空間に轟き衝突の威力を伝える!

 そして二人は衝撃を受けきれずに体勢を崩す!


「ハハハハ!!貴様の力はそれだけか!」


「安心しろ!まだ倒れるつもりはない!」


 今度は大剣を創って薪を両断するように振り下ろす!

 同じくルシフェルも大剣を創って水平に振るい弾き返した!

 龍は防御を打ち破れないと理解したのか弾き返された反動を利用して距離を取る。

 また、ルシフェルは逃げるように前を向いた状態で下がる。

 上空から刃の弾丸が飛んできたからだ。


「癪だが真似させてもらった」


「そうかい」


(真似できるほど簡単なものではないのだが)


 そしてルシフェルも刃の弾丸を放ちだした。

 お互いの刃の弾丸は衝突して砕け散る。

 だが龍は最後に炎の塊を放っていた。

 ルシフェルは反応に遅れてしまい炎の塊をギリギリで消し止める形になった。


(頭の回転が速い!我が反応に遅れるなど!なら、お返しをしないとな!)


 負けじとルシフェルは雷を落とす。

 龍は当たる寸前で地面に複数の銅線を突き刺して、感電を防いだ。

 しかし、筋肉が痺れたのかその場から動こうとしない。


 何とか気絶は免れたが痺れて動けねぇ!

 刃の弾丸!?動け!動け!動けええぇぇ!!

 いや、筋肉が痺れて動けないだけなら!


「壁で!」


 個力は使える!

 さっきから無限に刃の弾丸を放ってこない。

 やっはりあの時、感じたことは間違いではなかったんだ!

 ゼロは個力にも欠点はあると言っていた!

 正確にはわからないが創造(クリエイト)の欠点は無限に創れるとは言え同時に際限なく多くの物を創れない!

 生産にはそれなりのタイムラグがあるんだ!

 なら、それを考えに入れて動いてみる。

 また、意表を突く動きをすれば隙を作れるかもしれない!

 それに賭けて決着をつける!

 あいつとの会話を思い出せ!

 あいつがしない創造(クリエイト)でやる意味がないことを思い出すんだ!

  

 龍の痺れは治って、攻撃を再び開始する。

 ルシフェルは刃の弾丸、氷の弾丸、岩の弾丸、炎での攻撃、落雷での攻撃など様々な遠距離攻撃をランダムで行っている。

 また龍が近づけば風で吹き飛ばしたり、壁で妨害してその間に距離を取ったりしている。

 攻撃と防御に一切、抜かりない。

 この状態になったルシフェルを倒すのはかなりの技量と力を要求されるだろう。

 しかし、龍は攻撃の最中に何かを思いついたのか負傷を顧みずに果敢に突っ込んでいく。


「血迷ったか!!」


 そしてルシフェルに辿り着く寸前でルシフェルの周りを土壁で覆った。

 龍の限界である五十メートルの高さで。

 ルシフェルは視界を遮られたので即座に周囲の土壁を粉砕する。

 土壁の向こう側から龍が現れるが先ほどと何も変わっていない。

 武器すら装備せずにルシフェルの懐に飛び込む。


「貴様の成長は我の思い違いであったか!今度こそ終わりだ!後悔しながら消え失せろ!」


 ルシフェルは至近距離で龍を斬り裂いた。

 ここは精神世界なので死んでも無傷で蘇るが龍には精神的なショックが与えられるだろう。

 龍はまるで糸が切れた操り人形のようにその場に崩れる。

 しかし、龍から一向に血が吹き出そうとしない。

 そしてルシフェルは即座に先ほどからの違和感に気づく。

 これは創造(クリエイト)で創った影武者、これはあの瞬間に創られた囮だ。

 更にあの数秒足らずで龍は別の場所に移動したのだ。

 ルシフェルは周囲を見渡すが龍は確認できない。

 だが強烈な殺意を感じ取って戸惑いながら天井を見上げた。

 そこには刀を構えて驚くほどの速度で落下してくる龍の姿があった。


(上空!?先ほどの土壁で影武者を創り、自分は我の真上に飛んだのか!?落下で速度が速まっていて避けれん!だが創造(クリエイト)なら!)


「終わるのはあんただ!」


(自分の背後に風を起こして更に加速しただと!?)


 龍は創造(クリエイト)で背後に風を起こして更に加速する。

 そして刀を振り上げて地面に着地する瞬間、ルシフェルのそばを過ぎ去る瞬間に振り下ろした。

 風圧の影響で普段より強まった力、そして刀にも乗せた風によって編み出された技だ。

 ルシフェルは防御する間もなく斬られうつ伏せで倒れる。

 そして龍も反動で転がるように着地して仰向けで倒れた。

 宣言通り、意表を突く行動で勝利を収めたのだ。

 微笑む筈がない勝利の女神は龍に微笑んだ。

 いや、強引だが龍が無理やり微笑ませたのかもしれない。


「勝てた…。勝ったああぁぁぁぁぁ!!」


 龍は喜びの余り空間全体に歓喜の声を響き渡らせる。

 この時点を持って少し早いが龍修行は終わった。



ということで龍が勝ちました。

まあ、あの影武者創る話はフラグですね。

なお、次回も地下室の方です。

そして次の次に地上(数時間前)の話です!

龍が参戦するのはもう少し後です。

それではまた次の話で!


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