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158話 創造VS創造①

てなわけで喧嘩開始です。

今回はほとんど会話はなしです。

 向こうの世界で『君の憧れは誰?』や『この世界で一番、強いのは誰?』または『一番、有名だと思う人は誰?』等の質問を老若男女問わず行うと大体は『ルシフェル・インフェルノ様!』と返ってくるだろう。

 彼は向こうの世界では余りにも有名すぎる。

 歴史に名を残す史上最強の偉人であり、それも魔王である祖父に龍は喧嘩を売った。

 勝利の女神など決して微笑まない。


「我と勝負する道を選んだか」


「当然だ」


 絶対に倒してここから出る!


「「創造(クリエイト)発動!!」」  


 創造(クリエイト)を発動させたのと同時に龍は剣を弾丸のように射出する。

 そしてルシフェルは全て撃ち落とすが最後の剣に触れた瞬間、その剣が光輝いた。

 剣に似せて創った閃光弾だ。

 それによりルシフェルの目は潰された。

 龍は攻撃の手を止めずに四方八方に剣を出現させ同時に放つ。

 だがルシフェルは周囲を覆うように複数の大盾を出現させて防いだ。

 目はもう治っており、出現させた大盾の縁に棘を生やし回転させて龍に放つ。


 防御と攻撃を同時に!?

 でも、これくらい今の俺なら容易く避けれる!


 龍は体を反らしたり、大盾の表面や裏面を蹴ったり、防ぎきれない物は創造(クリエイト)で壁等を創って防ぐ。

 更に余裕があれば槍を投げて攻撃する。

 いつの間にか龍は創っている物とは別の物を同時に創れるようになっている。

 当然、これは以前の龍ではできなかった芸当だ。 

 ルシフェルは最後の大盾を放つのと同時に接近して斬りかかる。

 だが突如として剣の雨が降ってくる。


 流石にもう、それは通用しねぇよ!

 防いでる時に間合いを詰める戦法は何度も経験済みだ!

 ついでに受け取れ!


 足を引き減速を行いルシフェルはバク宙して剣の雨を交わす。

 更に龍が投げてきた手榴弾を器用に上空に蹴飛ばした。

 まだ着地していないルシフェルに龍は追撃を行う。

 巨大な剣を出現させ垂直に振るった。

 間一髪の所でルシフェルは足場を創り、左に避けるが今度は連続で銃弾が襲いかかる。

 しかし、途中で銃弾の攻撃は止んだ。

 龍の背後に多くの剣を創って攻撃をし強制的に中断させたのだ。

 それにより龍は攻撃を中断して回避に専念する。

 だが回避の最中に遠くに吹き飛ばれた。

 ルシフェルが創った風の塊で吹き飛ばされたのだ。

 そして氷付けにして閉じ込められる。


「我を追い詰めてすらいない。口先だけの男か。そのまま凍っておれ。直に死ぬだろう」


「まだ死んでたまるか!!…というかテメェこそ口先だけか?さっきから避けてばっかじゃねぇか!反撃してみろよ!それでも魔王ですか!」 


 龍の唐突な挑発に乗ったのか急速に接近して軽く跳んでまるでサッカーのボレーシュートを打つかのように龍は蹴飛ばす。

 だが龍はこれを誘っていたのか痛がる素振りすらしていない。

 ルシフェルの右足から血が出ている。

 龍は籠手を創って防ぐのと同時にそれに付けた刃でルシフェルの右足を刺していたのだ。

 かなりの勢いで蹴っていたため確実に深く刺さった。

 一方で龍はそれにより威力が半減されていたため難なく着地した。


「テメェなら乗ってくると信じていたよ」


「年甲斐もない行動をしてしまったな。ではこれはどうだ?」


 ルシフェルは右の人差し指で龍の顔を指した。

 すると何かが風を切って龍の頬を掠り、数百メートル先に着弾する。

   

 …今のは何だ!?

 空気を切り裂くような音が高速で迫ってきた。

 それは明らかに戦闘中に聞こえたらヤバい音だった。

 だから本能的に体を反らしたが何が放たれたんだ!?


 龍は震えながらも背後を振り返る。

 着弾地点は大きく陥没しており、鍔や柄がない刃だけの状態の剣がギリギリ、原形を留めて突き刺さっていた。


 刃だけの剣!?

 何であんなのが弾丸みたいに撃てるんだ!? 

 次の行動を目を見開けて注意深く観察しろ!

 答えなら嫌でも直ぐにわかる!


「ほれ、余所見をすると死ぬぞ」


 ルシフェルはまた刃を放った。

 龍は何をしたのか観察してルシフェルに目線を向けながら右に転がって交わす。

 ルシフェルは台風クラスの風に乗せて刃を放っていた。


 なるほど組み合わせ次第で威力を上げることができるのか…。

 こりゃあ他にも切り札を残しているな。

特になし!

それではまた次の話で!

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