表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/276

150話 彼がいない日常

今回は地上のお話。

ちょっとした休憩です!

後、アリスが爆発します。

 ディルフェアン連合の幹部が攻め込んでくる事を知った王の護剣と門下生達は敷地内を回っていた。

 結界の確認と強化、トラップ魔法を設置したりと奔走している。

 そしてフィアナ達は宴会場から一歩も動いていない。


「なあ、龍が地下に言ってから何時間経った?」


 夏休みの宿題を仕上げながら陸斗は時計の前でジッと長針と短針の追い駆けっこを見ているフィアナに訊く。


「五時間ちょい」


「じゃあ、二十五年、あいつの感覚で居るのか。あ、そこ間違ってるぞ」


「本当だ。ありがとう陸斗。そういえばレンは宿題、終わらせてるのかな?」


 レンもこちらの世界の学校に通っているため当然、夏休みの宿題は出ている。


「『七月中に終わらした』ってさ」


 だが七月中に全てを終わらせていた。

 龍が異世界に転校した結果、全ての任務がアヴェルに移った。

 それは要するにレンの日本での任務がなくなった事と同義だ。

 後は王の護剣のリーダーとして龍の前に姿を現すだけ。

 それ故に暇を持て余していた彼女は宿題を終わらせてしまったのだ。

 

「うわっ、スゴいね。そういえば異世界の学校では宿題は出ないの?」


「夏休みの宿題はありませんね。学園長、フィアナのお父さんは自由奔放な方で『宿題してる暇があるのなら様々な場所に出かけて見聞を広めろ』と言っておりました」


 ユルグレイト学園では長期休みに宿題は出ない。

 そのため長期休み明けは学力の差がかなり出る時期になっている。

 如何にその生徒が夏休み中、自堕落に過ごしていたのかも判明する。

 だから長期休みでも勉強をしてない生徒はまず居ない。

 してなさそうな生徒も居るが。


「まあ、流石に『勉強してなかった』と自慢するように休み明けに言う生徒は居ないと思いますがね」


「何でそこでボクを睨むの…」


 『睨まれる理由に心当たりはないのか』とエレノアは思ったがあえて言わずに笑みを浮かべて喋る。

 皆は時折、エレノアが龍よりも恐ろしいと思った。

 一応、誰も口には出していないが全員が思っている筈だ。

 ある意味ではこれも王としての素質と言えるだろう。


「いえ、何となく」


「それならシエラっちはどう!」


「シエラは成績良い方、アリスみたいに遊んでない」


 こう見えてもシエラの成績はかなり良い方だ。

 ちなみに成績順に並べるとエレノア、レイ、シエラ、エイジ、フィアナ、アリスとなる。

 エイジは見た目はあれだが勉強はちゃんとしている。


「うっ…。何かが胸に突き刺さった」


「アリスも私達と一緒に勉強したら?勉強できない子は嫌われるよ」


「…わかった!魔法の特訓する!」


 アリスは魔法の特訓をするために庭に出る。 

 そしてちょうど飲み水とタオルを持ってレンが休憩をするために戻ってきた。


「…うん?アリスは何やってるの?」


「魔法の特訓だって。あんなのするの?」


 アリスは思うがままの動きをしている。

 魔法の特訓よりかは変な動きの特訓にしか見えない。


「いいえ、魔法を鍛えるのなら精神統一させて魔力を向上させた方が効率いい。後は実戦で魔力を増やす」


「え?どうして増えるの?」


「筋肉だって鍛えれば鍛えるほどつくでしょ?それと同じよ。魔法を使えば使うほど魔力は増えるの」


「ああ、なるほど」


 確かにレンの言う通り魔法を使えば使うほど魔力は増えるが無闇やたらに魔法を打てば魔力が増えるとは限らない。

 きちんと使い方を理解した上で魔力を増やす、これが魔法の特訓には重要な要素になってくる。

 それに変な癖がついてしまったら鍛えた意味がない。

 

「よし!魔力が増えた気がする!」


「…本当だ少しだけ増えてる。何であんなので増えるのよ」


「マジか!俺様もやってみる」


 話を聞いてなかったエイジがアリスの魔力の高まりを感じて同じ事をし始める。

 緊張感のない二人が謎の舞を踊る変な光景が生まれた。


「ええ、増えるわよ。エイジのお馬鹿力が。恐らく気持ちじゃない?」


「そんなので増えるの?」


 千草が再度、質問する。


「増える増える。あたしだって全力で誰かを殴りたいと思うと魔力が少し増えるし」


 フィアナのはただの自論である。

 確かに気持ちで魔力がやや向上するケースはあるがフィアナは無意識に魔力を向上させているだけ。

 それはこちらの世界で言うところのプラシーボ効果である。

 要するに思い込みで魔力が高まっているのだ。


「気持ちでも増えるんだ」


「千草は宿題をしようなぁ」


「あ、はい。すみません」


 魔力が少し増えたと感じたアリスは周りを確認して何もない場所に火の球(ファイヤーボール)を放った。

 しかし、魔力は火の球(ファイヤーボール)にならずに光り出す。

 そしてレンがそれで思い出したかのように原因を語り出した。


「ああ、言い忘れたけど魔力を感知したら暴発させるトラップを仕掛けたから」


 時すでに遅し、アリスは光に飲まれて暴発に巻き込まれた。


「アリスさん!?」


「それ早く言ってよ!」


「ごめん」


 しかし、暴発する前に空間歩行者(スペースウォーカー)で異空間に逃げていた。

 

「うおっ!無傷で生還した!」

 

「アリスさんの異空間を自由自在に歩ける個力、空間歩行者(スペースウォーカー)の力です」


 こうしてる合間に四時間が経過していき地下室で行われている龍の三十年の基礎練は終わった。

次回は地下室に戻ってついに個力での戦闘!

なお、教えながら。

それではまた次の話で!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ