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15話 おてんば少女と平和主義者

龍は学園に残るため、フィアナは龍を追い出すため二人決闘することに…。

てなわけでフィアナVS龍の決闘開幕!


 学園モノかつファンタジー要素が入っている物語の主人公がたいていやること。

 それはヒロイン、またはそれに値する仲間との決闘である。

 そしてヒロイン等の女子と戦うと後にデレる。

 しかし、それは本当だろうか?。

 今、俺が戦っている女子は数えられる限り『死ね』という物騒な言葉を十回以上言っている。

 マジで今更なことだ。

 学園モノは決闘が付き物…ではないがまあ、とにかく俺の知る限り決闘が多い、それを考えていなかった。

 戦っている理由もあれで男子生徒からは恨みや殺意に似た視線や言葉が降りかかり、女子生徒からはケダモノ等といったとんでもない言葉が飛んでくる。

 俺はケダモノじゃない。

 それに女子を傷つけるのは俺の趣味ではない。

 そんな事をするのはバカかサディストぐらいだろう。

 生きてたのなら全国の男子諸君に伝える!

 女性は傷つけるものではない守るものであると!

 はぁ、心が先にダウンしそうだ。


「防戦一方だな」


 魔法の力を何倍にもする個力最果ての領域(オーバーブレイク)、予想以上に厄介だ。

 序盤から闘技場を兎のように飛び回り捉えにくい。

 それにそこから繰り出される弾丸のような素早い攻撃は当たると痛そうだ。


「はあぁぁぁぁ!!」


 今、できることは体力を削ることぐらいだな。


「個力、創造(クリエイト)発動!」


 龍は前方に大きな壁を出現させてフィアナの攻撃を防ぐ。 

 しかし、フィアナはそれを砕いて龍の居た場所に強力な蹴りを喰らわす。

 その威力は地面を砕くほどのものだ。

 それを見た龍は再び気を引き締めるために深呼吸する。


 さて、マジであれを喰らったら死ぬな。

 地面を砕くほどの攻撃、まるでフィアナそのものが武器の塊のようだ。


「男なら正々堂々戦いなさいよ!」


「教室で言った通り俺は平和主義者だ。無駄な戦いはしない!」


「だったら降参しなさい!」


「降参はしない!」


 体力を削る事だけ集中だ!


 龍は両手を前に出して、岩の塔を複数出現させた。

 それによりフィアナは体勢を立て直すために塔を利用して飛び回る。

 そして再び攻撃にかかる今度は頭上から。


「隙あり!」


「しまった!」


 フィアナの蹴りが龍に直撃と思いきや攻撃は防がれた。


「砕けてない!?盾で防がれた!?」


 龍は両手で盾を持ちそれでフィアナの攻撃を防いだ。


「驚いたか!使ってるうちに強度も調整できるようになったんだよ!」


 防げたがその代償とし正座後の足とは比べ物にならないほど腕が痺れた!

 『砕けてない』って骨でも砕こうとしてたのかよ…。


「あんなの最終日にできていたか?」


 学園長専用席でジェイスは龍の戦い方を観ていた。

 なお、学園長専用席の周りには一般の生徒は立ち入れず生徒会が座っている。

 ユルグレイト学園の生徒会は全員が学園最強を名乗れるほどの強さである。

 男女それぞれに生徒会があり、女学園の生徒会長は異例で一年生が務めている。

 身分もかなり高いが実力もそれ相応のものだ。


「さあ?」


「シアン、何か知ってるだろ」


「直接本人に聞いたら」


 さて、今更だが戦いながら一つ思ったことがある。

 それはこういう決闘の時ってたいてい乱入者が付き物だからだ。

 まあ、そんな事はあってほしくないのだが。


「だったらこれで!」


 フィアナは先ほどよりも高く飛び上がり急降下する。


 流石にあれは腕が痺れるってレベルじゃすまないぞ! 


 俺は間一髪、攻撃を避けた。

 その攻撃はかなりの威力があったのか闘技場に轟音が響いた。

 当たってたら死んでたな。

 それに遠距離攻撃とはすごいな闘技場の向こうで煙が上がってる…煙?


「学園長、緊急事態です!高濃度の魔素により魔物が複数出現しました!」


 学園長専用席に騎士っぽい見た目をしている男が入ってきた。

 ありやがったー!

 まさかの魔物が乱入かよ!


「警備の方はどうした!高濃度の魔素が発生したら警報を鳴らせとあれほど言ってるだろ!」


「それが警備の者は全員、この闘技場に集まっています」


「だからこんなにも人が居るのか…ではない!何をやっているんだ!弛んでいるぞ」


「そして部外者が高濃度の魔素を発生させたと考えられます!」


「早急に騎士団を侵入者の捕獲に向かわせろ!教員は生徒を避難誘導させろ!教室待機だ!生徒会も魔物の鎮圧にかかれ!決闘は中止だ!」


 学園長の命により決闘は中止された。

 そして直ちに生徒の避難誘導が始まる。


「あんた助かったって顔してるわね」


「まあな。そんなことより俺らも避難するぞ」


「はぁ!?魔物の討伐か侵入者をボコりに行くに決まってるでしょ!」


 いや、そっちの方が何言ってるんですか!


「アホか!そういうのは専門家に任せろ!」


「いやよ!絶対にボコボコにしてやるんだから!」


「おい、ちょっと待てよ!」


「待たない!」 


 どうなっちまうんだこれ…。

 

というわけでフィアナと龍は協力(?)して侵入者、捕獲に向かいます!

さて、問題なく捕獲できればいいのですが(´-ω-`)

それではまた次の話で!

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