148話 頭の修行
前に出てきた魔法数学について説明します。
まあ、理屈さえ理解したらパズルを組み立てるようなものです。
それとゼロは一人で大暴れしています(-ω-;)
龍の修行が始まって三時間が経過した。
なお、これは現実世界での話だ。
この空間では十二分が一年という計算になるため十五年いる計算になる。
ちなみに死亡する年が早まるので老化封じの魔法がかけられている。
そのため指定の時間までいようとも龍は年を取らないし老けない。
そもそも魔族はある一定の年齢で老化が止まり、ある一定の年齢で老化が始まる性質を持っている。
そして龍は十五年で向こうの世界の常識を全て叩き込まれた。
故に魔法の発動のさせ方、魔導具の使い方に魔物の発生原因といったある程度の事は理解できている。
それ以外は学園に任せる寸法である。
「…世界の常識が二倍になった」
龍は創った机の上に頭を置いて休憩している。
「まさか魔法数学や魔法陣の描き方も知らないとは驚いたぞ。翔龍よ、いったい何を教えていた」
赤点の心配があった魔法数学だがほぼ完璧に理解できた。
あれってパーツとパーツを組み立てて魔法陣を作りどんな魔法かを解き明かす授業だったんだ。
そして公式は組み立ての手順。
慣れると数学より簡単だ。
数字が答えになった理由は魔法の番号的なヤツ。
例えば闇属性魔法の闇の球の魔法番号はD5らしい。
Dは恐らくdarkの頭文字を取ったんだろう。
何でそこでアルファベットが出てくるのかはもう無視する。
向こうの古代に使われていた文字がアルファベットに変換されてんだろう。
というか確かに使わないなこれは。
別に魔法陣なんて普通に描けるし番号で魔法を説明する必要もない。
「それより十年前からゼロを見ていないが何処に行った?」
「さあ?かなり先の方に反応があるが十年間、ずっと動いている。理を司る神だったか?魔物でも創って戯れているようだな。微小な魔力が消えたり現れたりしている」
マジで?そんなの全然、感じないんだけど?
俺もこんな風になれるのかな?
というか十年間、ぶっ通しで戦ってるとか感心を通り越して呆れるぞ。
少しは休憩したらどうだ?
「近づいてきたぞ。…いや、違うな。同じだが別の魔力だ」
それ何か矛盾してない?
ゼロが創ったのだから同じ魔力を持っているのかな?
ああ、確かに何か感じるな。
…はい?
龍は彼方から近づいてくる物体を目を丸くして見つめた。
近づいてくるのは客船程の巨体に翼が生えた大きなトカゲのような生物だ。
つまり、彼の名前にも使われているドラゴンが近づいてきた。
「あいつ何ちゅうもん創ってんだ!俺への嫌がらせか!」
そしてそれを追いかけるゼロ。
どうやらゼロから逃げているようだ。
ゼロは回転しながらドラゴンの真上に跳び上がった。
更に足を巨大な剣に変えてドラゴンを真っ二つにする。
「おお、懐かしいな。 我も全盛期は領地を荒らすドラゴンを両断してたわ」
あんたもあんたで何をやってるの!?
そんな奴と戦っていた勇者がかわいそうに思えてきた。
「うん?授業は終わったのか?」
「いや、十五年も経過したら終わってるよ」
「…ああ、そんなにも経過してたのか。気づかんだ」
時間の経過を忘れるほど夢中に自分で創った魔物を倒してたの?
数えてないと思うが何体、倒してんだよ。
神代って化け物しかいないのか?
「では修行を本格的に進めるぞ。まずはありとあらゆる戦闘法だ!殺す気でやるから全力で学べ」
「ゼロ~助けて~」
「精神世界だから死んでも蘇るだろ」
そういう問題じゃねぇよ!
何で精神世界に来てまで死なないといけないんだ!
次回から本格的な修行開始!
個力の扱い方はその次ですね。
おそらく現実世界の方の話をします。
なので修行は次の次になると思いますσ(^◇^;)
それではまた次の話で!




