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145話 防衛戦の準備

さて、ほのぼのムードから一転、張り詰めた雰囲気になります。

とある知らせがアヴェルのもとに届く!

 フィアナは龍が地下室に向かって以降、何もすることがなくただただ畳の上をゴロゴロと移動していた。

 現状から察するに暇なのである。

 何故なら田舎に来てからの予定は龍が決めていた。

 それ故に何もやることが見つからない。

 また、フィアナ以外の全員も空虚な時間を過ごしている。


「…アヴェル、暇だから試合するわよ」


「私は暇つぶしにはちょうど良い相手ですか…。良いでしょう遠慮は無用です」


 アヴェルとレンが道場に行こうとした時、空から黒い影が縁側に降り立った。

 大きな鷹だ、しかも足に何か付けている。

 明野家が密かに使っている伝書鳩ならぬ伝書鷹である。


「何かあったのか?」


「ヒューイヒューイ」


 鷹は『手紙を受け取れと』言いたそうに足を上げる。

 そしてアヴェルに受け渡すと明野家の方角に颯爽と飛んでいった。


「おお、龍の家って鷹、飼ってんだ」


「大きかったね。妖怪だったりして」


 アヴェルは手紙を広げて内容を確認する。

 すると誰もが恐れおののく鬼気迫った顔をして全員が囲っているテーブルを飛び越えた。

 それはマナーを無視するほどの危機的な状況なのだろう。

 そして龍と翔龍が入っていった地下室の扉を全力で叩いた。


「龍様!龍様!」


 扉が開く気配がしてアヴェルは叩くのを止めた。

 言うまでもなく出てきたのは翔龍だけ。

 既に龍は修行を開始していた。


「何じゃアヴェル?叩いても龍は出てこんぞ」


「翔龍様!大変言いにくいのですが修行を一時中断してください!」

 

「それは無理だ。一種の結界に入っておるからな。で、何かあったのか?」


 あの部屋に置かれた魔導具は時間や空間といった概念を周辺から隔絶させるものだ。

 それ故に使用すれば時間が経つまで出れなくなる。

 なお、ルシフェルは別の魔導具で存在がしているのでこの魔導具は直接は関係していない。

 

「はい。ショッピングモールで起きた事件を御存知でしょうか?」


「そっちの魔物がこっちに来たんだろ?珍しいことではない」


「確かにそれは珍しいことではありません。しかし、ディルフェアン連合の幹部がその周辺地域で目撃されました」


 アヴェルが受け取ったのは手紙ではなく報告書だ。

 そして『件の魔物がそちらの世界に侵入したとされる周辺地域でディルフェアン連合幹部とその配下が目撃された。また、その幹部はそちらの世界に進行しています。どうかお気をつけて。こちらでも対応に動きますが期待はしないでください』と書かれていた。


「…なるほど。内容から察するにそのディルフェアン連合という輩がこっちの世界に向かっているのだな?」


「左様です」


「…鞍馬兄弟!!」

 

 翔龍は鞍馬兄弟を召集した。

 鞍馬兄弟は一秒もせずに翔龍の前へと現れた。

 一応、琥珀が彼らのリーダーのような存在であり翔龍は代理総司令官のような地位だ。


「「はっ!!ここに」」 


「王の護剣の方々と協力して敷地一帯に強力な結界を張りなさい!蟻んこ一匹も侵入できないほど強固な結界だ!それと他の者にも伝えろ!」


「「御意」」


 鞍馬兄弟は瞬時にその場から消えた。


「ということだ。アヴェル、彼らと協力して結界を張れ。龍は一日半で出てくる。それまでは防衛戦に徹するぞ」


「了解」


「さてと儂は屋敷を要塞化させるか。ああ、お前達も不便になってしまうが敷地からは出るなよ」


 そう言うと翔龍は屋敷に付けられた魔導具や魔術回路、魔法陣の点検をしに別の部屋に行った。

 魔術回路は魔法の発動を補助するものである。

 これは生物ならば異常や特別な事例がない限り持っているものだ。

 翔龍がやりに行ったことを簡単に説明すると機械のメンテナンス。

 取り付けられた魔術回路が故障していると魔導具は全く機能しないのだ。

 

「…今から何が起こるの?レン」


「…翔龍様が言った通り防衛戦よ。陸斗と千草は絶対に皆のそばを離れないでね」


 そしてレンも王の護剣としてアヴェルについて行く。

次回は龍とルシフェルの方に戻ります!

ディルフェアン連合が来るまでほとんど地下室の方をやると思います。

それではまた次の話で!

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