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138話 夜空の下で

夏祭りに行きます!(*≧∀≦)

そういえば何年も夏祭り行ってないなぁ。

「話し合い終わりましたか?主」


「ああ」


 散歩を終えて五人が屋敷に戻ってきた。

 そして何かアリスが目を輝かしている。

 これは好奇心と興味が混ざった目だな。


「夏祭り行きたい!」

 

 ああ、そういえば書いてあったな村の表示板に。

 確か今日の六時から始めるんだっけ?

 やるのは屋敷と反対側にある神社の境内だそうな。

 屋台も沢山出るから村の小学生や中学生が大勢、訪れるから混むだろう。

 …ちょっと心配だなぁ。

 でも、この場合は。


「…夏祭り!?良いね!行こう行こう!」


 だろうな!

 千草が先導して行くことになるよな!


 という訳で龍達は谷山村の夏祭りに行くことになった。

 時刻は五時半でフィアナ達が着付けられてる。

 なお、着付けているのは門下生の奥さん達だ。

 旦那が心配でお子さんと一緒に龍達が海水浴をしてる時に来たそうな。


「お待たせ~。さあ行こう行こう!とその前に龍!感想をどうぞ!」


 感想!?

 いや、感想ってそのなんて言ったらいいんだか…。


「黙ってないで何か言えよ」


「言葉にできない。…すげぇ似合ってる」


「あら龍が成長したわ」


「フィアナちゃんが何かを刺激したんじゃない?」


 知らんがなそんなの。

 そういう意思があると教えられたら普通はこうなるだろ。


 こうして夏祭りで何をするのかを話し合いながら龍達は夏祭りの会場にやってきた。

 もう既に境内では人々が盛り上がりを見せている。

 そして千草の提案により、くじで五人が龍と二人っきりで回る順番を決めた。

 フィアナ、アリス、シエラ、エレノア、レンの順番である。

 ちなみに三十分交代だ。


「じゃあ、お二人さん楽しんでね~」


 余計なことしやがって。

 大勢で回れば…いや、人数があれだから動きづらいか。

 でも何で二人っきりなんだよ!


「時間がもったいないし行くぞ」


 龍はポケットから手を出してフィアナに差し出す。


「…うん!」


 それにしても人が多いな。

 隣町とかからも来てるのか?

 そんなに有名な祭りじゃないんだけど。


「それで何がしたい?」


「うーん、リンゴ飴?っていうの食べてみたい」


 なるほどリンゴ飴ね。

 夏祭り定番の食べ物だな。


「了解」


 龍とフィアナはリンゴ飴を売っている屋台の方に歩いていった。


「こりゃあたまげた…!外人さんがこんな辺鄙な田舎の夏祭りに来るとわ。あんたの彼女さんかい?」


「予定です!本当に飴で覆われてるんだ」


「二つください」


「あいよ」


 ちょうどいい大きさだな。

 後で『お腹いっぱいだから食べ物は無理』って言わなくて済みそうだ。


「どうだ?」


「…シャリシャリしてて甘くて美味しい。ねえあの型抜きって何?」


「周りの型を破かずに抜くと賞品がもらえるゲームだな。で、その賞品は屋台に出てる食べ物のタダ券か」


 一回、五十円ね。

 百円ほど得するから良い方なのか?

 まあ、屋台の主が村長だからできる値段設定だな。


「一回お願いします!」


 さてさて、不器用なフィアナにできるのかな?


「絶対に成功させるから!」


「頑張れ頑張れ」


 …見守るだけだが気まずいな。

 遠慮なく、この人の息子をぶっ飛ばしてしまった。

 奴は現村長の息子、顔をあわせにくい。

 まあ、俺は悪くないんだけどな!


「ありがとうな。うちのバカ息子を懲らしめてくれて。普段ならこの夏祭りもバカ息子のグループがやってきて荒らすんだが今は逮捕されて警察の世話になってる。だから普段よりも村人や他の町の人も来る。本当にすまなかった」


「別に感謝されるようなことはしてません。いい加減、黙ってやられるのも癪に障るからぶん殴っただけですから」


「ああ!あともう少しだったのに!」


 ありゃま本当だ。

 後、もう少しで取れたのに破れてる。

 こいつなりに根気よくやったんだろうな。

 

「おじさんもう一回!」


「はいよ!」


 てか何の型抜きしてんだ?

 …リンゴ飴の型抜きってまた食べるつもりかよ!


 フィアナの型抜きは結局失敗に終わった。

 その後、フィアナと龍はたこ焼きを食べてその辺を歩きアリスと交代した。

次回はアリスがメインの話です!

主に遊びまくります!

それではまた次の話で!

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