133話 夏の魔物に御用心
今回はシエラがメインの話です!
物静かなシエラが勇気をだす!
変な方向に(-ω-;)
…だいたい泳げるようになってきたな。
顔を浸けて泳げるようにもなってきた。
よし、これなら手を離しても大丈夫そうだ。
「シエラ、手を離すぞ。それで俺の所まで泳いでみろ」
「怖いけど…わかったやってみる」
龍は手を離して数メートルほど離れた場所に立った。
そしてシエラは合図を受け取ると覚え立ての泳ぎで龍の方に泳いで行く。
「そうだ!そのまま真っ直ぐ!」
うん、普通に泳げるようになった!
これなら心配はなさそうだ。
「龍!シエラ、泳げるようにな」
シエラが龍の方にたどり着きそうになった時、何かが立とうとしたシエラに絡まった。
初めての海で感じたことのない感触に襲われたシエラは悲鳴を上げて龍に抱きつく。
そして龍は苦しそうにもがく。
「何か付いた!何か付いた!取って!取って!」
「取ってってこの状態じゃ!」
両腕でがっちりロックされたら身動き取れねぇよ!
そんなことよりも胸が当たってる!
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
というか何か少しだけ母さんに抱かれてるような感覚が…。
「ちょっとシエラさん!何をしてるのですか!」
「どうみても母性の塊をぶつけてるのよ。後で龍を殴る!」
これを見ていたフィアナは多少の殺意が現れたのであった。
「お願い!早くして!」
ドラゴニュートだからこんな力があるのか?
フィアナよりかはましだが本当に身動きが!
てか、身動き取る前に俺がどうにかなる!
恥ずかしいのとようわかんないのが押し寄せて気絶しそうだ!
こうなったら荒技だが!
「創造!」
海水を退かして正体を見てやる!
うん?何だ海藻じゃん。
「おい、安心しろ海藻だ」
「うう~、本当に?」
「本当だ」
「…本当だ」
シエラは片腕で足元を探って海藻を退かした。
「正体がわかったことだし…離れてくれないか?」
「え?…!?ごめん」
シエラはうつむいて照れ隠しのつもりか龍に謝る。
しかし、一向に龍から離れようとしない。
「謝らなくていいから早く」
「怖いからもうちょっとこうする」
うん!?何でそうなるの!
「あのシエラさん?離れてくれませんか?」
「聞こえな~い」
龍は助け船を求めてフィアナ達、女子の方に視線を送るが送ったのが運の尽き。
フィアナは無言で笑顔を浮かべる。
他の三人に至っては龍の顔を見ようとしない。
何その笑顔!
怖すぎなんだけど!
こうなったら陸斗と千草に!
しかし、陸斗と千草は笑顔でグッドサインをする。
テメェらこの状況を楽しんでんじゃねぇ!
そんなのは良いから早く助けろ!
あのバカップルは役に立たんからレイとエイジに…。
ってまだエイジの奴、シバかれてるのか!
というかシバかれながら恨めしそうな目でこっち見てんじゃねぇ!
新手のホラー!?
ああ、どうしたら離れてくれるんだよ。
龍が何の打開策も得られないままシエラが満足するまでこの状態だったのは言うまでもない。
次回!まだまだ泳ぎます!
それではまた次の話で!




