131話 夏だ!海だ!修羅場だ…
海水浴回!
王道ですね~。
そして久々の修羅場です!
一応、理解はしているがまだ陸斗と千草はこの現状に慣れていない。
そのため物珍しそうに龍の翼やシエラの角、エレノアの耳等を見ている。
そして翔龍は何の会話も起きない事に痺れを切らしたのか口を開けた。
「…お前さんらそうジロジロ見とらんと泳いでこい。小さい砂浜だがプライベートビーチだ。その姿でも遊べるぞ」
それは良い名案だ!
ショッピングモールで水着を買った意味がなくなる!
さて、そうと決まったら!
「男子は水着とかを持って飛び出す!親父とかは離れに行けーい!…アヴェルらも付いて来るか?」
「それならヘイス、ウルミナ、龍様に同行しなさい。キース、離れの道場で試合をしないか?」
「了解しました。あれ以来、アヴェルとは戦っていなかったのでちょうど良い!」
ああ、クラウスさんを襲ったっていう大事件のことね。
あれからアヴェルとの再戦を希望していたのね。
というかキースの個力って何だ?
…強化系かな?
男子組は水着等の海水浴で使う道具一式を持って砂浜の直ぐそば建てられた小屋に行った。
釣り道具やボートが置いてある普通の小屋である。
「あれ?レンは行かないの?」
「私は主が覗きをしないよう見張る義務があるので」
龍が覗きをしないのは理解している。
しかし、男子組にはエイジという危険物質が存在している。
そのためレンの行動はある意味正しいのだ。
だがエイジはレイと陸斗に目を付けられているので動けない。
それよりも心を入れ替えたのか覗きをする気はないそうだ。
果たしてこの決意がいつまで続くのやら。
龍達は水着に着替えて砂浜に行った
雲一つない快晴の空、どこまでも続く青い海、夏の終わりにはピッタリの環境だ。
ビーチパラソルもセットしたしブルーシートも敷いて準備万端!
後いる物は…しまった飲み物忘れた。
「ちょっと飲み物忘れたから取りに行くわ」
「龍様、俺が行きますよ」
「ああ、それぐらい大丈夫だって。ウルミナの水着でも想像してろ」
「なっ!?」
本当に顔に出やすい奴だな。
ウルミナと喋ってるお前いつも笑ってるぞ。
「間違えて女子の着替えに鉢合わせにならないでね!フィアナちゃんに内臓を潰されるよ!」
「内臓を潰される!?」
「ああ、ガチだから。あいつの拳って岩をも砕くからな。まあ、龍は不死身だから大丈夫だろ」
「そういえばアヴェルさんが言ってたな不死身って」
いや、不死身でも痛みはあるからな。
そんなの二度目は受けたくない。
一度、受けたことあるけどもう懲り懲りだ。
…さて、飲み物は親父が『台所の方にクーラーボックスを置いた』と言ってたから裏口から入って廊下を通ってと。
「海こそアピールのナイスタイミングよ!張り切っていきなさい!」
千草の奴が何か騒いでるが何を言ってるのやら。
それにしてもこんな暑い中ようそんな元気があるな。
俺は涼むために早く泳ぎたい。
「何処に置いてあるんだ?ああ、机の上にあった」
これでよしさっさと戻りましょうか。
げっ!?
「主?」
フィアナじゃないけど恋に遭遇してしまった!?
てか、何でここに居るの!?
何でここで着替えてんの!?
ここ台所ですよ!
台所には何故か着替えをしているレンが居た。
「…主も男の子です。そういう年頃だと理解してますが」
「俺はクーラーボックスを取りに来」
龍が台所に来た理由を言おうとしたらレンが急いで近づき口を塞ぐ。
「理由は何となく察しましたが大声を出さないでください。すぐ隣の部屋で千草達が着替えてます」
近い近い近い近い!!
「わかったから。てか何でお前はここで着替えてんの?」
「ちょっとした軽食を作ろうと思いまして。着替えてた理由は時間短縮のためです」
俺はその時間短縮のためだけでこんなとばっちりを受けたのか…。
フィアナがこの場に居なくて良かった。
「取ったのなら退散してください」
「はい、すみませんでした」
「何故、謝るのです?」
「いや、今の状況をもう一度、確認してみろ」
レンは今一度、自分が置かれている状況を確認して無言で龍の背後に回った。
すると廊下まで押してきい勢いよいよく戸を閉める。
「…忠告ありがとうございます」
いや、感謝するなよ。
罵倒とか言ってくれよ。
何故、クーラーボックスを取りに行くだけでこんなにも疲れなきゃならないんだ。
「…見られた。こんなだらしない姿を見られた」
そして顔を赤く染めて一人で恥ずかしがったとさ。
次回!泳いだりいろいろとします!
三話ぐらいはずっとこんな感じです。
それではまた次の話で!




