127話 恋とレン
レン・ルークスVS谷山村の九尾狐!
あとレンの個力が出てくるので章が終わったら例のヤツ、更新しますね。
『ブルータスよお前もか!』、シェークスピアの悲劇、『ジュリアス=シーザー』でローマ皇帝カエサルが暗殺の一味にいたブルータスに言った有名な言葉だ。
使い方は違うが大いに予想を裏切ってくれた恋に言ってやりたい。
「恋、お前もか」
「ええ、そうよ。というかカエサルみたいな皇帝を目指してるの?止めたらバッドエンドになるわよ」
正体を現したからか雰囲気がガラリと変わっている。
前はお調子者で好奇心旺盛のトラブルメーカーだった。
だが今はトラブルを解決する側に見ててしまう。
そして大和撫子のように可憐で清楚、本当に恋なのか疑いたくなる。
「さて…そこの狐、私の主に手を出したこと後悔させてあげる」
「…貴様、向こう側の住人か」
レンは不適な笑みを浮かべて九尾狐を挑発する。
「…まあ、良い。邪魔するのなら殺す」
「それなら邪魔して生きるわ」
この余裕っぷり、恋は確実に強い。
あれほどの攻撃を見せていた九尾狐に臆することなく立ち向かうなんて常人の沙汰じゃない。
王の護剣のリーダーってことはアヴェルより強いのか。
「…そうそう、自慢の超高速複製でそのなくなった左腕、治さないの?」
「左腕?…!?」
「意外と鈍感ね」
おいおい、どんな瞬発力と技術があれば俺を助けながら左腕を切断できんだ!?
あの一瞬の擦れ違いで攻撃できる間なんてないぞ!
「これは失礼した。…来い」
(谷山村の九尾狐がレンを敵だと認めた…)
「ふーん、わかったわ。個力最後の切り札発動!主、私の全力を見せてあげる!」
エース・イン・ザ・ホール、語源はスタッド・ポーカーで伏せているホール・カードがエースである場合、最強のカードになるから。
日本語に訳すと最後の切り札、王の護剣の最後の一人である恋にピッタリの個力だな。
というかどんな能力だよ。
もしかしてトランプに関する力か?
「最後の切り札ですって!?」
「知ってるのかエレノア。で、能力はわかるか?」
というかいつの間に屋敷から出てきてんだよ。
フィアナも飛び出してきているしさ。
ちゃんと見張っていてくれよウルミナ。
「当たり前よ有名な個力だから。保持者になったら勝ち組って言われているわ。能力は任意での属性付与と変換、時間経過での身体能力の向上、極めつけは当たれば即死級になるカウンター攻撃の発動」
俺の個力も大概、反則級だが恋の個力もそうとうヤバいな!
確かにエースはどんな役よりも強いが…。
しかも個力には使用するエネルギーがない。
…勝てる手が思いつかない。
「そういうことよ。無条件で死になさい。後、あんたに対抗する手は既に思いついてるから」
「何?」
「ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスの十二の難行の一つ、ヒュドラ退治を知ってるかしら?」
なるほどその手があったか!
「知らんな」
「じゃあ、その体で知りなさい!我流剣術炎の型!」
レンは真っ直ぐ九尾狐に突っ込んでいった。
そして直前で右耳向けて抜刀して右耳を切り落とす。
「上昇火龍」
ヘラクレスは斬っても斬っても生えてくるヒュドラの首を松明の炎で傷口を焼いて再生を防いで退治した。
つまり、九尾狐を炎属性の攻撃で斬ったら倒せる!
「やっぱり、この方が楽しいわね」
次回!…話の流れ的に決着します。
そうそう、龍はまだレンを恋だと思っているので龍の言葉、考えに出てくるレンは恋と表記します。
まあ、別の機会にどっちになるか決まりますが。
それではまた次の話で!




