116話 ガールズトーク
今回の話であることが大きく前進します(*^▽^*)
タイトルで予想したらすぐにわかると思います!
あとある人物が驚き発言しちゃいますよ!
ああ~、いいお湯だなぁ~。
一応、大浴場はあるけど俺って男だし入れねぇんだよなぁ。
今度、レイかエイジに頼んで男子寮の大浴場に行ってみるか。
それにしても天井がないから満天の星空がよく見える。
逢魔町よりも空気が澄んでいるからな。
爺ちゃん、マジでいいセンスしてるわぁ。
絶対に冬に何処かの武将を呼んで酒でも飲みながら入ってたんだろうなぁ。
ああ~、異世界で溜まったストレスがどんどん抜けていく~。
「いい湯ね~」
「そうだな~」
「会った時から思ってたんだけどレイって男だよな?」
「生物的にも精神的にも男よ」
レイはただの女性よりも女性の仕草が上手い男性である。
そこんとこを理解してないとこいつの付き合い方にかなりの迷いが出てしまう。
逆にエイジとレイって何でいつも一緒に行動してんだろうな?
「あ、そうなんだ」
「そういえばの女子達の声、聞こえないな」
「聞こえてこないように工夫してあるんだ。男湯と女湯の間に休憩所があって離れてるんだ。残念だったな」
「何かあったのかと思って気になっただけだ。そこまで堕ちてねえよ」
エイジの言葉が『微塵も信用できない』と思った男子達であった。
一方、その頃、女湯では、
「龍達の声、聞こえないね」
「多分、声が聞こえないような造りになっているんじゃない?」
「おそらく、そうですね。…アリス!温泉では泳いではいけません!」
「ええ~」
アリスが泳ごうとした所をエレノアが大声で止める。
もちろん、この声も龍達には聞こえていない。
「エレノアって一つ上のお姉さんみたい」
「多分、アリスが子供なだけです」
「そういうエレノアも子供」
「シエラさん!?」
シエラに言われたことに心当たりがあるのか頬を赤く染めながら立ち上がる。
そして我に返り、落ち着きながら座る。
「失礼しました。…私のどこが子供なんですか!」
「龍が居ない時は気が抜けてだら~んとしてる。けど龍が来たら真面目モードに入る。でも、普通に気が抜けている所を見られているから面白い」
「それはその…」
(…もしかして四人共って…ちょっと鎌をかけてみよっか)
どんな悪巧みを思いついたのか千草は少し笑って四人にこう訊いた。
「四人って龍の事どう思ってる?まずはエレノアから!」
「私はとても親切で優しい寛大な心の持ち主だと思っています。そして龍が近くに居ると落ち着きます」
千草は頷きながら脳内メモ帳に記憶してアリスに訊く。
「アリスは?」
「命の恩人だしボクに居場所をくれた。それと楽しくなる!」
「シエラは?」
「龍はシエラに外の世界を見せてくれた。優しいくて頼りがいのある一番信頼している友達」
もう、わかっているかと思うが千草は誘導尋問をしている。
しかも恋愛方面の誘導尋問だ。
訊く人にその人の事を『どう思っているか』と訊くだけで千草は相手がその人を好きが嫌いか見破れる。
まあ、恋愛のスペシャリストのような人だ。
「フィアナは?」
「…普通に好きかな?初めて出会って龍のことを知ったら段々と胸が苦しくなった。龍が何をやっているのか気になって心配して泣いて好きになった。…皆に言っておくあたし龍のこと友達としても好きだけど異性としても好きだから」
フィアナのまさかまさかの発言によりまるで時間が止まったかのように千草以外の全員がフリーズした。
特に恋なんか固まった挙げ句にライバルの登場で震えている。
(四人とも確定なんだけどフィアナだけ堂々と宣言した…!こんな展開になるなんて思ってもいなかったよ!恋なんて固まってるし!)
「こほん!フィアナは確定だけど他の三人もどうやら龍のことが好きらしいです。というわけで恋、ライバルが四人も登場したよ。ちんたらしてると取られるから気をつけなさい」
「う、うん」
恋は意識を取り戻し返事をした。
「何で!?シエラ、龍のことが好きだなんて一度も言ってない!」
「いや、反応を見たらわかるって」
(あいつ、転校先で何してきたのよ。まさかと思っていたけど大当たりじゃない!ああ、どうなるのかなぁ。この恋愛合戦は)
ちょうど銭湯の近くに生えている紅葉の木に一羽のフクロウが止まる。
そしてそのフクロウは法螺貝の代わりに恋愛合戦開始の合図を大きな声で告げた。
「…へっくしゅん!!」
「大丈夫か?」
「ああ」
夜になって少し寒くなってきたのか?
早めに上がるか。
そしてこの鈍感野郎が知らぬ間に合戦が始まったことを知る由もない。
はい、恋愛大合戦が始まります。
まあ、たいしてやることは変わりませんが日本篇の間にいろいろと進展させます!
それではまた次の話で!




