表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/276

102話 気づけば修羅場

はい、久々の修羅場展開です!

修羅場展開要素がない?

あります。

今の場面は日本ですよ。

 親子の対面が終わった龍は翔龍だけを残して異空間から出た。

 そして田舎の別荘ヘ行くための準備を始めた。

 

「何日滞在するの?」


「一週間、出発は二十二日の二十二時、到着予定が翌朝の六時になる」


 高速道路を使わずに下の道で行くって言っても無駄だろうな。

 おそらく、理解できないと思うし混乱する。


「田舎って何があるの?」


「山と海だけ」


「海!?じゃあ、泳げるね!」


 いや、海が後ろにあるユルグレイト学園の生徒が嬉しがることか?

 と思ったが今年の水泳の授業は危険生物が出現したので中止にされたな。

 これは学園長に前もって教えられていた。

 そしてある意味、開講されなくて助かった。

 そういえば同様に危険生物にしか見えないヨルダガンドが生息しているのに何で危険生物が出るんだ?


「お前ら水着は持ってきているのか?」


「一応ある。シエラが提案した。けど」


「けど?」


「スク水だから嫌だ。シエラはあの鉄塔で永遠に過ごすと思ってたから普通のは買ってない」

 

 ああ、なるほど確かにそれは嫌だな。

 シエラだけスク水は可哀想だ。

 それにシエラは長い間、鉄塔で過ごしていた。

 そして友達との楽しい時間を失っている。

 そのため、これからは最高の思い出を作って欲しい。


「買いに行くか」


「いいの?」


「嫌なんだろ?なら買いに行くぞ」


 けど交通手段が限られてくる。

 親父は母さんと話してるし、門下生の方々は道場の修理中だ。

 となるとバスを利用するしかないな。


「じゃあ、私達も買いましょうか!」


「賛成!」


「そういえば金はどうするんだ?」


「ご心配なく。翔龍様より一定額を預かっております。エレノア様とシエラ様、レイ様のエルフとドラゴニュートと猫人族の部分は魔法で隠蔽しておきます」


 流石はアヴェル、こうなることを予想していたのか。

 そういえばエレノアとシエラ、レイは変装していないな。

 家が山頂付近に建てられていて良かった。


 三人に隠蔽魔法をかけた後に龍達は下山してバスに乗車した。

 誰もが心を踊らせて御財布の紐が緩み出す楽しい買い物。

 それはフィアナ達も同様、しかも異世界での買い物、忘れられない買い物になる筈だ。

 だが龍の場合は最悪の意味で忘れられない買い物になった。


「…なあ、前に座ってるの龍だよな?」


「そうね。しかも可愛い外国人さんと一緒に。どう思う恋?」


「…ダメだ。固まってやがる」


 そのバスに龍の知り合い、要するに恋を含めた幼馴染みの三人が乗っていたからだ

 この二人の名前は女子の方が鶴橋千草(つるはしちぐさ)、男子の方は藍ヶ崎陸斗(あいがさきりくと)だ。

 この二人は付き合っており、千草が買い物に行く際に龍が転校して落ち込んでいた恋を誘ったのだがとんでもない場面に遭遇してしまった。

 これより確実に龍の精神を閂のように磨り減らす修羅場が始まる。

 

「あいつ、外国の高校に転校したのか?」


「違うんじゃない。日本語を流暢に話してるから国際学校じゃない?」


「かもな。恋の気持ちを知らずに何やってんだか」


 ちなみに陸斗は龍の親友のような存在でもあり恋の喧嘩を止めに行く時は何時も傍らに居る。

 そして同様に恋と千草は頻繁に共に行動している。

 二人曰わく『友達だという理由のと二人の恋愛の発展をそばで見守りたいから』だそうな。


 やけに背後から突き刺すような視線を感じるなぁ。

 鞄の中で手鏡を創って後ろを確認…。


「げっ!」


「どうした龍?」


「大丈夫だエイジ!何でもない!」


 何であの三人が乗ってんだ!?

 陸斗なんて俺のこと鬼の形相で睨んでたぞ!

 でも、流石に目的地は違うだろうな。


 そんなご都合展開など起こる訳がない。

 この二人は恋を励ますために買い物に行こうとしている。

 そしてこの町で最も大きなショッピングモールは一ヶ所だけ。

 さて、龍はどうやって乗り越えるのやら。


「よう龍…お帰り」


「…ただいま陸斗」


「龍、誰?この人達」


 何で俺の人生ってこう修羅場展開が多いのかねぇ。 


 

次回!龍と陸斗の言い争い合戦!

千草、陸斗も名前があるということはレギュラーになります!

それではまた次の話で!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ