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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

外法士

作者: カシータ

この作品は拙作「DTガール! ~がっこうにいこう!~」に登場する、とある青年に焦点をあてたお話。

所謂おまけストーリーですが、本編未読でも問題無いよう書いているつもりです。

 傍目にはとてもそうは見えないが、超最先端の魔法技術が溢れるレンシアの街。そんな街にも影の部分は存在する。

 所謂、貧民街などと称されるような場所。

 やくざ者が幅を利かせ、治安を守る騎士たちの目も殆どが届かない。


 そんな中を幼い面影の残った青年が一人、足早に歩いている。

 目深に被った黒いフードから覗く双眸はギラギラと光り、まるで空腹の狼が獲物を探しているようだ。


 道端に腰を下ろした浮浪者たちは彼の重そうな財布の音に顔を上げるも、彼を一瞥したのち興味無さげに視線を戻した。

 やくざ者の一団がすれ違い様に訝しげな視線を向けるも、それだけに留めた。

 青年の向かう先を、彼らは知っているのだ。


 青年は小さな一軒家の前で足を止めた。

 「魔道具屋」と雑に書かれた目印にもならない粗末な看板が垂れ下がっている。

 しかし、周囲があばら家だらけのため幾分か立派に見える。

 立て付けの悪い木製の扉が悲鳴を上げ、来客を報せた。


「フフッ・・・・・・いらっしゃい。」


 紅を引いた艶やかな唇が薄暗闇に弧を描く。

 狭い店内には魔道具らしきものが並べられているが手入れはされておらず、どれも埃が積もっている。

 青年はそれらの商品には目もくれず、硬貨の詰まった財布を妖艶な女店主の眼前に置いて呟く様に言った。


「”特別料金”だ。」

「・・・・・・さぁ、コチラへどうぞ。」


 店主である女が店の奥にある扉を開いた。

 彼女に誘われるまま、青年は扉の奥へと進んでいく。


 そこは中央に寝台が置かれた小さな部屋。

 窓の無い壁に据え付けられた棚には様々な器具や薬品、染料が並べられている。

 それらを目にした青年は、沸き上がる不安に蓋をするよう奥歯を噛み締めた。


 青年は知っていた。

 それらは刺青を施す道具で、特に染料は特殊なものである。

 魔物の血液が混ぜられた染料。それが彼女を裏稼業たらしめる所以。


「それでは・・・・・・服を、脱いで頂けるかしら?」


 青年は黙って彼女の言葉に従い、身に着けたものを脱いでいく。


「フフッ・・・・・・白くてきめ細やかな肌、素敵だわぁ。」


 女は青年の肌を撫で、舐め回すように見つめる。


「・・・・・・っ、触るな!」

「触らなければ、ナニも出来ないわよ?」


 声を荒げた青年を意にも介さず女が続ける。


「この腕の傷・・・・・・綺麗にくっついたのね。治療師が良かったのかしら。それとも相手の技量、かしら。フフフッ。」


 青年の腕をぐるりと一周した一本線の傷をゆっくりと指でなぞっていく。

 彼は顔を真っ赤にして女を睨み付けるが、欠片も脅えさせる事が出来ない。


「フフフフッ・・・・・・良いわ、素敵よ、その目。誰かを殺したくて、殺したくて、殺したくて堪らない目。いいえ・・・・・・”誰か”じゃなく小さな小さな女の子、かしら。」

「・・・・・・っ!? どうして・・・・・・それをっ!?」


 心の中を見透かされたようで動揺を隠せない青年。


「あらあらあら、当たっちゃったわぁ。ダメよ、ギルドなんかでおイタしちゃあ。こんな所でも”声”は響いてくるのよ。」

「くっ・・・・・・!」


 懐の短剣に手を伸ばした青年に、女が諭すように話しかける。


「フフッ、安心して。アナタの邪魔をするつもりなんて無いわ。大切なお客様だもの。それより、下も・・・・・・全部脱いで頂戴。」

「ぜ、全部・・・・・・!?」


「そう、全部。アナタのこと気に入ったから、全身に刻んであげる。足りない料金分はコチラから頂く事にするわ。」


 彼女の細い指が、青年のズボンの隙間から蛇のように潜り込んでいく。


「ぅ、あ・・・・・・っ!」

「嫌なら構わないのよ、ワタシ以外を当たれば良いのだから・・・・・・。」


 答えを知りつつ、女が問いかける。

 この界隈で青年の望む仕事をこなせるのは彼女しか居ない。

 青年もそれを知っている。

 安くはない金額を使い、やっとここまで辿り着いたのだ。


「・・・・・・・・・・・・わ、分かった。」

「素直な子は好きよ。」


 女の手が、残った青年の服を剥ぎ取っていく。


「さぁ、そこに寝て。」


 青年を寝台の上に押し倒し、女がその上に馬乗りになる。


「な、何を・・・・・・!?」

「あら、ここを紹介した人に聞いていないかしら?」


 女が舌なめずりして青年の耳元で囁いた。


「ワタシの店は先払いなのよ。」


*****


 青年が店を訪れてから幾度目かの夜。

 寝台に横たわった青年の全身には紋様が刻まれている。


「魔法陣はこれで完成。あとは仕上げだけ。」

「・・・・・・仕上げ?」


「起動させなければ意味が無いの。とぉ~っても痛くて、辛くて、苦しいけれど・・・・・・ね。」


 息を呑む青年に女が言葉を続ける。


「一度動かしてしまえばもう後戻り出来ないわ。止めるのなら・・・・・・最後の機会。どうする? フフッ・・・・・・聞くまでもないかしら?」

「・・・・・・やってくれ。」


「えぇ、分かったわ。けれど、暴れないよう先に縛らせてもらうわね。」


 女は青年の四肢を動かせないよう寝台に拘束し、最後に猿轡を噛ませた。

 困惑する青年の視線を受け、女が答える。


「これはアナタが舌を噛み切って死なないようによ。きっと、死んだ方がマシと思えるでしょうから・・・・・・フフッ。」


 グッと青年が猿轡を噛み締める。


「それじゃあ、やるわよ・・・・・・。」


 女が短く起動語を唱えた。

 青年に刻まれた紋様が、鈍く、妖しく光り始める。


「ぐあっ!!!!」


 青年の身体が大きく痙攣し、跳ねた。

 寝台がガタガタと揺れて大きく軋み、悲鳴を上げている。

 青年の喉からは悪魔の断末魔のような唸り声が響き、部屋を震わせる。


「さぁ頑張りなさい、坊や。」


 女は涼しい顔で暴れる寝台に腰掛けた。

 青年の頬を伝う、涙か汗かも分からぬ体液を愛おしそうに指で掬い上げる。


 既に青年は白目を剥き、気を失っていた。

 しかし身体は痛みに抗おうと懸命に悶え、声にならない叫びを上げ続ける。


「アナタの想い人・・・・・・アリューシャ、という子だったかしら。」


 耳元で囁かれた名前に僅かながら反応を示す青年。


「力を手に入れたら・・・・・・その子を犯して、犯して、犯して、犯して、殺して、また犯すの。どう? 素敵でしょう? 気持ち良さそうでしょう?」

「ぐぉ・・・・・・るぉ、す・・・・・・!!」


挿絵(By みてみん)


 徐々に屹立していく青年のソレを女の眼が捉える。


「あらあら・・・・・・想像だけでこんなに大きくしてしまったの? さっきシたばかりなのに。」


 女は手を伸ばし、長い指で絡め取るように青年を包み込んだ。


「妬けちゃうわぁ・・・・・・ワタシたち何度も愛し合ったのに、そんなにその子が良いなんて・・・・・・フフフッ。」


 ゆっくりと手を動かし始めると、苦痛以外の反応が青年から表れてくる。


「もう溢れてきてるわよ・・・・・・せっかちな坊や。こういうのはどうかしら?」


 溢れてきた蜜を掬って手に纏わせ、絞るように青年に刺激を与える。

 青年は呻き、その手の動きに合わせて腰を動かし始めた。


「あら、ダメよぉ。ワタシの手で勝手にシちゃ。」


 握っていた手をパッと話し、糸を引く指を長い舌で舐め上げた。

 更に刺激を求めんと、狂ったように喚きながら本能のままに腰を暴れさせる青年。

 女はそれを宥めるように青年に馬乗りに覆い被さり、優しく抱きしめた。


「フフッ・・・・・・焦らなくても大丈夫よ。全部ワタシのナカで受け止めてあげる。」


 青年のモノを宛てがい、焦らしながら呑み込んでいく。

 堪え切れなくなった青年が、一気に力任せに腰を突き上げた。


「んああッ・・・・・・! 良い・・・・・・イイわっ! 凶暴でっ! 暴力・・・・・・的でっ!! とっても素敵っ・・・・・・よぉっ!!」


 密着し、離れ、また密着する。

 繰り返される行為に淫らな音と臭いが広がり、充満する。

 それは更に二人を昂らせ、加速させていく。


 青年と女は我を忘れ、時間を忘れ、嬌声を漏らして獣のように互いを貪り合うのだった。


*****


「ん・・・・・・もう朝、かしら?」


 部屋の中を見渡し、ここには窓が無かったことを思い出して自嘲気味に笑う。

 目覚めた女の隣には、もう青年の姿はなかった。

 青年の居た場所に触れると温もりは既に消えており、冷たい感触だけが返ってきた。


「声も掛けずに行ってしまうなんて、つれないわね・・・・・・あら?」


 青年の代わりのように置かれていた紙切れに気付き、拾い上げる。

 その紙切れを一瞥し、女の唇は小さく弧に歪んだ。


「フフッ・・・・・・地獄に落ちるまでの間、アナタに幸運が訪れることを祈っているわ。照れ屋な坊や。」


 火の魔法を使い、紙切れを灰へと変えた。

 顧客へと繋がりそうなものは極力残さない。

 それが彼女の流儀。


「・・・・・・ッ!! ゲホッゲホッ・・・・・・ゴフッ!!」


 咳き込んだ女の手のひらに、ベッタリと血の塊が貼り付いた。

 受け止め切れなかった血が指の隙間からボトボトと床に零れる。

 染料に混ぜられた魔物の血は、施術者である彼女をも蝕んでいるのだ。

 ゆっくりと、確実に、その生命を削り取っていく。


「地獄で再開するのが楽しみ・・・・・・。フフッ・・・・・・! アハハハハハハハッ・・・・・・!!」


 女の狂気じみた哄笑はいつまでも続いた。

青年の顛末については前述の作品にて。

よろしければ下記リンクよりご覧下さい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これエロくない? そしてこの外法士さんは凄いね!精神はまともじゃないけど。。。 そう言えば、あのしつこい不死身はこんな代償が有ったのか。 というか、逆恨みでここまで強烈とは、本当にアリスさ…
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