閑話:けもこ
2017.3.13 改行位置修正
けもこは、けもこなのです。
まえはけもこじゃなかったけど、ホネがけもことよんだから、けもこはけもこになったのです。
ままも、ままからもこもこになったのです。まえはままだったけど、ホネがもこもこってよんだから、ままはもこもこになったのです。
でも、ままはままのままです。やさしくてあったかいです。
ホネは、ホネです。しろくて、なんだかゴツゴツしていて、でもすごくやさしいです。
さいしょにあったとき、ホネはとってもこわかったです。だって、ホネはホネだったから。ホネがうごいてこえをだしたら、それはとってもこわかったです。
でも、ホネはやさしかったです。けもこのけがにくすりをぬってくれたり、ニクをたべさせてくれたりしたのです。
だから、ホネはだいすきです。ままとおなじくらいすきです。
でも、ホネはときどきよくわからないことをいいます。そういうときは、ままとよくおはなししています。
だから、けもこはあそびにいくのです。ままとホネはなかよしなので、じゃまをしないけもこはえらいけもこなのです。
きょうははなばたけであそぶのです。めがさめたらいきなりあって、びっくりしたのです。
いっぱいはながあってきれいなのです。ぱぱのすきだったはなもあるのです。
ぱぱのことは、あんまりおぼえてないのです。でも、ぱぱのこともだいすきなのです。だから、けもこはだいすきなひとが……えっと、ひとり、ふたり……たくさんいるのです! それはとてもしあわせなのです。
あ、ぱぱのすきなはながあるのです。ままもだいすきなはななのです。ホネにあげたら、ホネもよろこんでいたので、きっとだいすきなのです。
あかいなぁ。きれいだなぁ。てにとってにおいをかぐと、ままのにおいがするのです。
さいきんでは、ホネからもままのにおいがするのです。においがおなじは、だいすきのしょ……えっと、ショーメイ? なのです。いっしょにいるから、けもこもおなじにおいなのです。みんなだいすきなのです。
それにしても、たのしいのです。おはなばたけはきれいなのです。けもこもおてつだいをしたのです。だからもっとたのしいのです。
……だれかいるのです。みたことのないやつなのです。なんだかちいさくて、はやいやつなのです。きになるので、おいかけるのです。
!? ちいさいやつははやいのです。でも、けもこもはやいのです。はしるのです。おっかけるのです。でも、なかなかおいつけないのです。
……むぅ、なかなかつかまえられないのです。ひらひらしてはやいのはずるいのです。でも、あきらめないのです。
……いつのまにか、ちいさいのがふえているのです。でも、このくらいでまけたりしないのです。けもこはつよいのです。げんきはつよいとホネがいっていたのです。だからまけないのです。
……ちいさいのがまたふえたです。どんどんふえるのは、ちょっとだけこわいのです。だから、もっとふえたらもうやめるのです。けもこはえらいので、ちゃんとヒキギワ? をわかるのです。
……ふえるのです。どんどんふえるのです。もういっぱいのいっぱいくらいいるのです。これはもうにげるのです。
……おいかけてくるのです。にげてもにげても、おいかけてくるのです。いっぱいのいっぱいが、けもこをおいかけてくるのです。
こわいのです。こわいのです。でも、ままとホネのほうににげたら、こわいのがままとホネのところまでいくのです。それはいやなのです。だからにげるのです。いっしょうけんめい、はしるのです。
……ああ、こわい。にげられない。もうだめ。つかまっちゃう。ごめんなさい。けもこはつかまっちゃうのです。けもこはつよくなかったのです。
ごめんなさい、まま。
ごめんなさい、ぱぱ。
ごめんなさい、ホネ。
ホネ……ホネ……たすけて……
「ヤーーーーーーーッ! ホネーーーーーーーーーッ!」




