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我が輩は骨である  作者: 日之浦 拓


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骨、突っ立ったまま回想する

2017.3.13 改行位置修正

 体操。そう、体操である。いつかどこかで知り得たはずの、名さえ解らぬ謎の曲と、それにぴったり噛み合った、不思議で、だがとても爽快な動き。あの体操には驚くべき効果が秘められていたのだ。


 何と、あの体操を朝日を浴びながら真剣に行うと、骨の中から不思議パワーが溢れてくるのだ!


 まあ、体操したらキラキラが出てきたのだから、わかりきった事実ではある。だが、謎だ。ある意味最も謎である。単純に体を動かすだけでは、この活性化現象は起こらないことが判明している。また、昼近くくらいまで行ってしまうと、日の光の下で体操をしてもやはり活性化現象は起こらなかった。朝日を浴びながら、あの動作を行うこと。少なくともその2つの条件を満たさねば、活性化はしないのだ。


 朝日はまあ、まだわかる。太陽というのはエネルギーの塊であるし、骨が自由に動くくらいだから、何かこう魔法的な力が働いていて、そこに時間の概念が関係していると言われたら、理解はともかく納得はする。

 だが、体操の動きが必要と言われると、さっぱりである。何かあの動きに、特別な意味があるのであろうか? 体をほぐすという目的に最適だとは思うが、そこに神秘の入り込む余地があるのだろうか?


 問いに解となれば、あるのだろうと答えざるを得ない。実際にそうなのだから、そうなんだろう。これもまた、いずれ時間が出来たときに考えるべき項目の一つとして、頭の中に保留しておくことにする。


 とにもかくにも、こういう何やかんやがあって、洞窟内での不思議パワー……そろそろあれだな、統一した呼び方にした方がいいな。となるとやっぱり、魔力辺りか? 魔素、マナ、エーテル、いっそアンデッドだけに暗黒エネルギーとか……?

 ……よし、決めた。ここはやっぱり骨だけに、ボーンパワー、通称BPとしておこう……そのBPの扱いを訓練したりして、だいたい納得いくようになったことにより、最初の宣言のところに繋がることとなった。


 さて、ではいざ森へ……と行く前に、今更ながら洞窟周辺の地形について説明しておこうと思う。

 洞窟に関しては、特筆することは何も無い。凄く高い山があって、その斜面の途中に洞窟がある。ただそれだけの、一般的に洞窟と言われたらこんな感じを想像するだろうな、というのを見事に体現した、まさに洞窟オブ洞窟である。

 で、そんな洞窟の入り口を中心として、半楕円な感じで草原がある。正面が短い辺として、5×10メートルくらいの感じであろうか。草原というよりは草地とでも言うべき広さだが、そこはまあ気分だ、気分。

 そして最後に、その周辺に森が広がっている。4~5メートルほどの高さの木が、十分な明るさを保つ程度の密度で立ち並ぶ、これもやはりザ・森という感じの森。

 これが私を取り巻く環境の全てである。実に快適。とても良い。このくらいの平地があれば何をするにしても便利だし、この程度の距離から森があってくれれば、遠方からこちらを発見されることもない。

 何とも都合が良い感じだが……当たり物件を引いたのに、文句を言うのは違うだろう。何かあったら、それはその時考えればいいのだ。もしもばったり出会った狩人のオッチャンに、「良い地形だけど、別に珍しいってほどでもないだろ?」などとガハハ笑いで言われたら、マッハのスピードで手のひらを返せば良いだけなのだ。


 ということで、長い長い回想を終えて……今度こそ骨は、森へ踏み出す。

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