表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
かえり舟  作者: 黒谷乃亜
1/1

みぬもの

 思い出せないことがたくさんある。

 たとえば誰かとの約束。たとえば物を置いたけれどどこにおいたか。古い友人との思い出。話そうとしたことの内容。タイトルだけは覚えてる作品のストーリー。

 人は忘れる生き物、そういったのは誰なんだろう。

 幼いころのアルバムとか見ると、たまにその頃を思い出す。けれど、どうしてかそれは映画やドラマのように遠くから自分を見てるようで、親からその時の事を聞いているからか、写真に写ってるのを見て思い出すからか、はたまたその両方かはわからないけれど。

 神社の前?七五三かな?泣いてる写真あったよなー。

「犬が怖かったんでしょ?」

 犬?いたかな?あんま覚えてないや。

「ていうか起きろよババア」

 は!?だーれがババアよ!!まだ26なのに。

「充分ババアじゃん、なぁアングレ?」

 なに?なんかのゲームのキャラみたいな名前…変なの。

「にぃさん、馬鹿にされてるよ?」

「いや、馬鹿にされたのはお前の名前だと思うけど」

「あ、そうなの?」

 なんか似たような声だなぁ、兄弟って声似てるものだっけ?ていうか、アングレって中二びょu…。

「終焉の堕天使ていうのよりは…」

「なぁぁぁぁ!!ちがっ、それは適当に入れちゃっただけで名前変えれないってわかってたらもっと!!」

 終焉の堕天使は私が、今密かにハマってるゲームでの名前だ。

 黒歴史となりつつある名前を出された私は、勢いよく起き上がった…。あれ?なんか頭がんがんする。てか耳鳴りうるさい、起き上がったはずなのに感覚的には倒れてる。んー?どういうことだ?

「にぃさん、痛そうな音したね」「これは死んだかな」「死んだら凄いね!!初めてじゃない?」

 遠くで会話が聞こえる。いや、実際遠くないのだろうけど耳鳴りがするからそう感じる。てか、勝手に殺すな!!私が死んだら初めてってどういうことよ、あぁ、確かに私死ぬの初めてだけど、いや普通に考えて人は一度しか死なないけれど!!なんだろ、おかしいね私何言ってるんだろ、いや言ってないけどね、頭の中でしか言ってないけど。

 使うはずもない言い訳をひたすら考える。癖じゃないよ、なんとなくね?使うかもしれないじゃん?

 あ、頭痛い。

 その後も何か考えたのかもしれないけれど、その後起きて最後に覚えてたのは、ひたすら頭が痛かったと思っていたことだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ