起-01
「はぁ? 心霊スポットに行った? アンタ、バカなの? バカじゃねぇの? バカなんでしょ?」
――専門家を知っている。
大学の先輩にそう教えてもらったのが、昨日。
待ち合わせ場所として指定されたファミレスに着いたのが、十分前。
事の経緯を話し始めたのが、五秒前。
たった五秒話しただけで、三回もバカにされた。それも初対面の相手に。
だけど、こっちに非があるのは確かだし、助けを求めているのもこっちなので、変に言い返すこともできない。
それでも、さすがに三回もバカにされることはないんじゃないか?
それも、こんな胡散臭い男に。
そう思って、改めて目の前の自称専門家を見る。というか、睨みつける。
年齢は私より少し上ってとこで、ボサボサの頭に気怠そうな眼。黒のTシャツの上に、体格に対してかなり大きいカーディガンを羽織っていて、その上確か、足元はサンダル履きだったはず。
正直、近所のコンビニに行くような格好だ。これから仕事の話をするような服装では、絶対にない。
だけどそれでも、他に頼る相手がいない。
たとえどれだけこの人が胡散臭くても、こっちがこれから話そうとしている内容も同じレベルなんだ。
そう決心して、話を再開しようとしたところに、
「あのさ、さっさと続けてくんねぇ? アンタと違って俺、暇じゃねぇんだわ」
と、泥船のような助け船。
怒りが再沸騰してくるが、それもそうだとここは一旦呑み込んで――あくまでも一旦呑み込んで、私は口を開いた。
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