006 エドマンド支部長
四半期のランキングとかに載ってる作品の作者の方々って投稿ペースとかどうやって安定させてるんでしょう。本当尊敬します。
「よう、お前さんがウワサの超絶新入り冒険者か。」
支部長室に案内されたおれは支部長と対面していた。ゴツゴツの筋肉親父といった印象の支部長はまだ現役であると言っても信用できるぐらいの荘厳さを身にまとっている。
「…ソラミネ ハヤト。ウワサになってるかどうかは知らんが今日ギルド入りしたばかりの新入りだ。」
おれは不機嫌さを隠さなかった。元からおれは敬語を進んで使うような人間じゃないし、言うならば今のおれは客人なのだ。
「おれは≪冒険者ギルド・エドマンド支部長≫のドルドマ・ルシウスだ。早速いくつか質問したいんだが構わないな?」
拒絶するという選択肢はお前にはない、とばかりの威圧感をはなってくる。それだけおれを警戒しているのだろう。不愉快ではあるがここで争っても得はないのでやめておく。
「…答えられる範囲ならな。」
「そうか、まずはレベルについて聞きたいんだが、レベル95ってのは本当か?」
「ああ、なんならステータスウインドウ見せてやるよ。」
そう言っておれはステータスウインドウを開示した。レベル以外のステータスは隠しているが。
「…間違いないようだな。それで、『鉄鉱石の運搬』を依頼受注から二時間半ほどでクリアしたってのはどういう手段を使ったんだ?しかも10tも。」
「…それは普通に≪イオニム鉱山≫まで走って行って、鉄鉱石受け取って、また走って戻ってきて≪イオニム鍛冶専門店≫に引き渡してきただけだ。運んだ方法というよりも、おれは魔力が常人の150分の1ほどしかないからその分アイテムボックスの容量が大きいだけだ。」
「おいおい、こっから≪イオニム鉱山≫までは40㎞はあるぜ?それを片道1時間もかけずに走ったってのかよ?」
「…ステータスが敏捷力寄りなんでな。」
「…なんだか納得いかねえが、まあそれはいい。これが最後の質問だが、お前はどこの出身なんだ?」
…やはり聞いてきたか。ここは本当の事を話しとこうかな。
「…知らん。気づいたらこの姿で≪妖かしの森・深部≫に立っていた。それも昨日の話だがな。」
「…なにワケのわかんねえ事言ってんだオマエ。しかも、その昨日の時点ではオマエはLv1だったんだろう?それでゴブリンキングを含めたゴブリンの群れを200体ほど片づけたってのか?一体どんなカラクリだ?」
…おれは嘘は言ってない。
つか、何が最後の質問だよ。ばんばん聞いてきてんじゃねえか。
「…自分のスキル情報はそう簡単に教えるもんじゃないだろう?」
「…はっはっはっはっはっは!!支部長のおれにそれを言うか!オマエおもしろいな、気にいったぞ!」
なんか勝手に気に入られた。そういえば、この支部長サンのステータスを≪完全解析≫で見てみようか。
ドルドマ・ルシウス 47 Lv134 元SSSランク冒険者
HP 17000
MP 1050
STR 15690
VIT 12000
AGI 9500
≪スキル≫
赤気纏い、斧型剣、火属性魔法、土属性魔法、覚醒的剣戟、攻撃力超化魔法
≪称号≫
強者の品格、ギルド支部長
…なるほど、支部長に選ばれるだけはある。LV134で元SSSランクということはこの世界でもトップクラスの冒険者だったということだ。かと言って負ける気はしないがな。
「…用が終わったんならおれは帰るぞ。」
「ああ、ちょっと待ってくれ。まだ別の用事がある。」
「…なんだ?」
「オマエの実力は明らかにFランクを軽く超えている。だからな、とりあえず一気にランクAぐらいにはしとこうと思ってな。」
…ほう、それはありがたい。ランクが高い方が待遇はよくなるらしいしな。
「ま、条件付きだがな。」
…やはりそうか。
「…分かった。どんな条件なんだ?」
「単純さ。ランクAの依頼をこなしてもらう。依頼内容は≪エドマンド海峡≫に棲む≪ハンドレットシャーク≫30頭の討伐だ。最近、数が増えすぎて近隣の住民が困っているらしいからな。」
「…≪ハンドレットシャーク≫。100頭規模の群れで動いている巨大なサメか。いいだろう、その依頼請け負った。やりすぎても問題ないか?」
「…おいおい、ハンドレットシャークは単体でもBランク並の魔物の強さなんだが、やりすぎを心配するのか。まあ、かまわん。高く売れるだろうしな。」
「…了解だ。それでは今から行ってくる。」
そういっておれは支部長室をあとにした。礼儀とか一切気にしてない。
…しかし、急展開だなあ。
急展開です、この依頼が終われば話はいったん落ち着く予定です。
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