004 初めての依頼
評価ありがとうございます(*^_^*)
先日の投稿に誤字を発見したので改稿しました。みなさん、誤字脱字などありましたら是非お知らせください<m(__)m>
ロサリオにギルドカードを見せると「これでOKだよ。」と言って門の方に戻っていってしまった。
「さて、早速なんか依頼をこなすかね。」
金には困ってないけど、依頼に慣れておく必要があるしな。
依頼板のFランク冒険者向けの欄を見る。
『薬草の採取依頼 ランクF
依頼内容……可能な限りの量の薬草の採取
報酬……1本200zで買い取り』
『ゴブリンの討伐 ランクF
依頼内容……≪妖かしの森≫で6匹以上のゴブリンの討伐
報酬……18000z』
めぼしいのはこんぐらいか。そういえば、自分のランクの一つ上のランクの依頼までなら受けれるんだったな。
『鉄鉱石の運搬 ランクE
依頼内容……≪イニオム鉱山≫から50㎏の以上の鉄鉱石の運搬
報酬……10㎏10000zで取引』
『ベルトバードの討伐 ランクE
依頼内容……≪クズリュー平原≫でベルトバード5匹の討伐
報酬……80000z』
ほう、やはりランクEの方が報酬がいいな。今日は『鉄鉱石の運搬』とやらをやってみるか。
依頼板から依頼書をとってルヴィさんの元へ持っていく。
「すいません。この依頼受けたいんですけど。」
「分かりました、『鉄鉱石の運搬』ですね。依頼内容の詳細を説明いたします。街の西門を出て北西の方角に40㎞ほどで≪イニオム鉱山≫があります。そこの炭鉱夫から鉄鉱石を受け取り、街の西側にある≪イニオム鍛冶専門店≫へ運んでください。地図は必要ですか?」
地図か…≪完全解析≫があるから大丈夫だと思うけど、一応もらっておくか。
「お願いします。」
「はい、どうぞ。それではお気をつけて。」
「ありがとうございます。」
地図を受け取ってギルドを出た。装備は≪旅人の服≫とかだけど、大丈夫だろう。
地図に従って西門へ行き、門番にギルドカードを見せて街を出た。
おれが街へ来たときに通った門は南門だったらしい。南門付近はちょっとした草原があって、そこから先は≪妖かしの森≫が続いていたが、西門は岩肌が露骨にむきだしになっている登山道のような風景が付近に広がっている。
走っていこうか歩いていこうか悩んでいると早速モンスターをひっかけてしまった。とかげみたいな体躯をしているが大きさはおれと同じぐらいで、全身に岩をまとっている。
≪ロックリザード Lv8≫
全身に岩をまとった爬虫竜類にあたる。とはいっても爬虫竜類の中では最弱最少にあたるため、それほど強くはない。体当たりと全身から岩をまき散らす攻撃にさえ気を付ければ初心者でも充分倒せる相手だ。
≪ロックリザード≫を解析してみた。Lv8かよ…。Lv95のおれがコイツを倒したところでなあ…。本気で威圧したら逃げてくれないかなあ。
眼を鋭くして殺気をこめた眼で≪ロックリザード≫を睨みつける。すると、≪ロックリザード≫は泡を吹いて倒れてしまった。
「…え、殺気だけで気絶しちゃったの?レベル差があるとこういうこともできるのか…。」
ハヤトの眼光は日本軍のエースとして強大な軍とずっと戦い続けてきて、さらに幾度も死地を乗り越えてきたから得られたものであって、通常レベル差があったとしても威圧だけでモンスターを気絶させることなどできない。まあ本人はそのことには気づいていないだろうが。
結局走って≪イニオム鉱山≫へ向かった。モンスターと戦うのがめんどくさかったからだ。
約45分ほどで≪イニオム鉱山≫へと到着した。さすがに鉱山というだけあって山の見た目は黒く、洞窟状になっている大きな穴が見られる。
鉱山の洞窟へ入ると、ひんやりとした空気が肌を撫でた。そのまま1分ほど歩くと、「カン、カン」という音が聞こえてきた。
音のする場所につくと、ツルハシのようなものを持った10人ほどの炭鉱夫が目に入った。どうやら発掘の最中だったらしい。その中で指令をだしているリーダー格のような男に話かける。
「すいません、鉄鉱石運搬の依頼を受けてきたものなんですけど。」
「おお、あんた依頼をうけてくれたのか。それじゃ早速だがそこに積まれてる鉄鉱石を運んでくれ。」
彼が指差した方向に視線を向けると、山のような形で積み上げられた大量の鉄鉱石が目に入った。量にすると10tはくだらないんじゃないだろうか…。
「ま、さすがに全部運べとかいわねえよ。全体の10分の1でも運んでくれりゃあ充分だ。」
「分かりました。」
早速鉄鉱石の山の前にたち、アイテムボックスに片っ端から放り込み始めた。魔力の少なさとアイテムボックスの容量は比例するらしいけど、おれの魔力は常人の150分の1ほどしかない。つまり常人の150倍の容量のアイテムボックスをおれは持っているのだろうか…?
そんな事を考えているとアイテムボックスの一つの枠に鉄鉱石x10367㎏と表示され、鉄鉱石が全て無くなってしまった。どうやらおれのアイテムボックスは一枠の容量も半端ないらしい…。
「すいません、全部アイテムボックスに入ったのでこのまま戻ります。」
「おう、あんがと…って全部!?あ、ほんとに1つも残ってねえ!」
リーダー格の男が驚愕しては唖然するという表情を繰り返している。見れば他の9人も同じような顔をしている。
「あ、あんたどんな容量のアイテムボックス持ってんだ…。よほど魔力が少ないのか…?」
「まあ、魔力はかなり少ないですね。それでは、僕はこれで失礼します。」
なんだか質問攻めにされそうな気がしたので早々に発掘場を後にした。
≪イニオム鉱山≫を出て街(名前忘れた)へ向けておれは走り始めた。
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