日常→非日常→?
キーンコーンカーンコーン…
「やっと午前中終わった・・・」
机に突っ伏していた頭をのろのろと持ち上げながら、鬼神龍輝は呟いた。
お昼休みという時間に心を弾ませ、クラスを足早に出て行く生徒、同時に昼食の匂いがクラス全体に広がった。
「・・・ああ、昼か・・・俺も動くかな。」
龍輝はそう言うと、弁当の入った鞄と水筒を持ち、ゆっくりとクラスを後にした。
・・・ー屋上はいい、開放感と自由が身に染みるように解るから
龍輝は毎日、立ち入りが許されていない屋上に上って昼食を食べる。規則という鎖を嫌い、自由を好む龍輝には絶好の場所である。屋上入り口の屋根の上に上り、昼食を食べ終われば昼休み中はずっと其処にいる。
「あ、龍輝ー、また一番上にいるんだ」
下から声がした。声の主は飯嶋優羽、龍輝の幼なじみである。
龍輝の唯一の幼なじみだが、男並に口が悪い。
「優羽かよ、お前ここにいるとせんせーに怒られっぞ」
「そしたらあんたも道連れでしょうに、バカじゃねえの?」
・・・上手く避けられてしまった挙げ句にバカ呼ばわりされた。何時もの事であるので気にしない。
「少しは友達作れば?いくらこの世界がつまらないからって、別の世界なんて無いんだからさ。」
「・・・おう」
キーンコーンカーンコーン…
「チャイムなったし、ちゃんと降りて来いよー?」
そう龍輝に声を掛け、優羽は足早に階段を降りていった。
再び独りになった龍輝は、やれやれ…と呟きながら身体を起こした。
別の世界が無いことなんて百も承知、だけどつまらない事に変わりは無いのだ。
溜め息一つ、龍輝はクラスに戻るために屋根から飛び降りようとした。
が、
グワンッ
「うわっ・・・!?」
立ち眩みだろうか、立ち上がった瞬間に視界が歪んだ。
龍輝は足元がふらつき、屋上入り口の屋根から落下してしまった。下の床は無論コンクリート、高さがそこそこあるため、頭を打てば冗談じゃ済まない。
「(やべ・・・っ!)」
咄嗟に受け身の体制をとり、目を伏せた。
刹那、龍輝の周りには魔法陣が輝き描かれ、龍輝は陣の中に消えた。
───彼自身は、それを知ることは無かった。世界を、別世界を見るまでは───
更新遅くなり、大変申し訳ありません…
展開が別の小説みたいになってますが、まあお気になさらず
時間は王子が来る…かも?