第1巡 その4
誰か読んでくれている人がいるのかは謎ですが
遅くなりました!
4番手ReNのターンです。
楽しみすぎて毎日大雨が降ることを祈っていたオリエンテーリング当日。
俺を嘲笑うかのように晴れわたる空に苦々しげに口元をゆがめる。
「いい天気だなー。なぁ、ワカオ」
「……今まで黙っていたがな。実は吸血鬼なんだ。仮面もそれを隠すためだ。
だから、こんな天気だと俺は行けない。おいて行ってくれ。」
もちろん嘘だが。本当なら雨は願わないだろうし、祈る相手は何者だ。
「そ、そうだったのか?」
信じるバカがここに。
「そういえばハートチップル断られたし、あれはニンニクのせいか。」
いや、好きじゃないだけだし。
考え込んでしまったので、俺は周囲をわたす。
グループごとに集まってそれぞれ楽しそうに話しているようだ、
それに比べてこのグループはどうだ。
俺がケンタにつかまった後、誰も入ってくれず、残っていた人の寄せ集めとなっていた。
そして他は六人なのにここだけ四人。
それもケンタ以外初対面。
気が合う人がいればいいが。
「ワカオ!お前は吸血鬼じゃない!」
ようやく結論が出たらしい。
「この間食堂で餃子定食を食べていただろ。それが証拠だ。」
「ああ食ったなぁ。臭い防止のためにニンニク入ってなかったけど。」
「なんだって?やっぱりワカオはそうなのか……」
面白いのでもうしばらくほっておくことにするか。
「点呼とるぞー。グループごとにならべー。」
遠くから先生らしき声がする。叫ぶんじゃなくてマイクとかつかえばいいのに。
「さて、残りの二人はどんな人かな。」
独り言を言いつつ移動する。
もちろん、一人俺の正体を考えつづけるバカを放置してだ。