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Shooting Star  作者: 球蹴人
第1章 流星の帰郷
2/2

1 再会

「それでさぁ、ウチのクラスに転校生が来るんだって」

「何でも静岡でサッカーやってたんだって」

「へぇー、どんな人なんだろうね?」



教室は転校生の話題で持ちきりだ。

そんな中、ひとり窓の外を見てぼんやりと考えている少年がいる。


「おい恭平、今日転校してくる奴もサッカーやってたらしいぜ?」


茶髪でボサボサ頭の友人に声をかけられ、恭平と呼ばれた少年は答える。


「…それが何か?ケン」



そっけなく返事をした少年の名は汐見恭介しおみきょうすけ

ここ、南線高校の1年生で、サッカー部でもスタメンを張る実力者である。


ケンと呼ばれた少年は古田健輔ふるたけんすけ

恭介とは中学時代からの腐れ縁である。

何かと恭介に絡んでは軽くあしらわれている。



「それじゃあお前とはライバルになるんじゃないの?」


健輔がここぞとばかりに恭介を茶化す。


「…別に。それにアイツには俺も敵わないからな」

「アイツ?」

「今日転校してくる奴」


めんどくさそうに恭介が答える。


「誰が来るのか知ってるのかよ?」

「さぁな?お前に話す義理なんてないからな」

「相変わらず冷たいねぇ…」


傍から見れば非常に冷めた会話だが、これが彼らなりのコミュニケーション。

決して仲が悪い訳ではなく、互いに信頼関係があるからこその会話。

少なくとも恭介はそう考えていた。



「もう、ふたりとも相変わらずなんだから」


そうして話に割り込んでくるひとりの少女。


「相田、お前からも言ってやってくれよ。コイツが無愛想過ぎるんだよ…」


健輔が少女に同意を求める。


「古田君はもうちょっと大人しくした方がいいと思う…」


相田と呼ばれた少女が迷わず答える。

横で恭介も「まったくだ」と呟いているのが見える。



少女の名は相田麻耶あいだまや

ふたりとは高校に入ってから知り合った仲だ。

たまたま席が近いという事でよく話をする様になり、現在に至っている。



「はい、静かにー!」


教師が入って来ると生徒たちが慌ただしく自分の席に戻る。


「起立!礼!」


日直の号令で朝礼が始まる。


「さて、ウチのクラスに転校生が入ってきたので紹介するぞ。君、入って来ていいよ」



転校生が入ってきた途端、生徒達は驚いた。

何せテレビ越しで見た事のある人物だったからだ。


背はあまり大きくなく、整った顔立ちのせいか幼さを感じさせる。

サッカーU-18アジア大会のU-18日本代表として出場していた人物がまさにそこにいるのだから。



「松居佑介です、よろしく…って、恭介?」


呼ばれた恭介が知らない振りをするが佑介はお構いなしに彼の机の前まで歩み寄った。


「やっぱり恭介じゃんか!まさかお前と同じクラスだなんてな!」

「こっちは嫌でたまらないな、またお前と顔を合わすのがな」

「何言ってやがる、この寂しんぼうめ」


教室が騒がしくなりはじめたのを見て教師がゴホンと咳払いをする。

慌てて恭介は黒板の前に戻り、他の生徒達も静かになった。


「まぁ、そういう訳だから色々とこの学校の事を教えてやってくれ」




ふたりの少年の道が今再び交わりはじめようとしていた。

登場人物



汐見恭介 Kyosuke Shiomi

生年月日 1986.1.10

身長 175cm

体重 73kg


佑介の親友でポジションはボランチ。

危機察知能力に長けており、抜群の読みと判断力でボールを奪取する。

攻撃の際も視野の広さを活かしたフィードと正確なミドルシュートを武器としている。


佑介とは離れ離れでありながらもお互いに連絡を取り合っていたという。

言葉はそっけないが、彼の事を誰よりも信頼し理解している。




古田健輔 Kensuke Furuta

生年月日 1985.4.20

身長 172cm

体重 68kg


恭介とは中学時代からの腐れ縁で良き友人。

少々ウザイ部分もあるが、仲間に対しての気配りや思いやりができる心優しい少年。

実は中学時代はサッカーをやっていたが、持病の心臓病のために断念。




相田麻耶 Maya Aida

生年月日 1985.9.1

身長 154cm

体重 秘密


佑介と恭介の同級生で同じクラスに通っている少女。

クラスのマドンナ的存在だが見た目とは裏腹にサバサバとした性格。

恭介の隣の席に座っている。


実は意外と天然で恥ずかしい事でも平気で言ってしまう。

しかし、言った本人が実は一番恥ずかしかったりするという罠。

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