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chapter16 長女が魔法を使える日
時刻は夕方。
オレは水人形を使った実験を行っていた。
夕飯の支度には、まだ少し早い。
空は橙色に染まり始め、庭先には長い影が伸びている。
水人形の動きを調整していると、ふと気配を感じて顔を上げた。
少し離れた場所で、フィアナ姉さんが深く息を吸い込んでいる。
おもむろに両手を前へ伸ばし、視線を一点に固定する。
そして、声を発した。
「私の炎よ! 飛び立て、火球」
次の瞬間――
小さな火球が放たれ、地面を抉った。
■ ■ ■
オレは水人形の実験を止め、その光景に見とれていた。
(おっと、いけない)
すぐに水人形への意識投影を解除し、フィアナ姉さんのもとへ駆け寄る。
「やったね!! フィアナ姉さん!!」
そう声をかけると、
「ありがとう。フィルのおかげだよ」
フィアナ姉さんは、心から嬉しそうに笑った。
「帰ろうか」
オレの言葉に、フィアナ姉さんは頷く。
二人並んで家へ向かうと、背後から差す夕日の光が、
まるで包み込むようにオレたちを照らしていた。
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