chapter13 はじめての魔法レッスン
オレは、フィアナ姉さんから「魔法を教えて欲しい」と言われ、まず魔法を使うために必要なことから教えることにした。
そう、“魔力を感じ取り、操作すること”である。
これができなければ、魔法は使えない。ぜひとも、頑張ってもらいたいところだ。
フィアナ姉さんは瞑想中である。
目を閉じ、魔力を感じ取ろうとしている。
魔法が使えるようになるまで、オレのやることはない。つまり、暇なのだ。
魔法の練習もしたいが、側で派手な音を立てたら気が散るだろうし、どうしたものか。
そう考えていたとき――
「これが……魔力?」
フィアナ姉さんが呟いた。
どうやら、無事魔力を感じ取ることができたようだ。
次のステップに移れる。オレは、“次の段階”を教えることにした。
「魔力を感じ取ることができたみたいだね」
オレはフィアナ姉さんにそう尋ねる。
「これで魔法が使えるようになる?」
フィアナ姉さんは嬉しそうに聞いてきた。
「まだ、無理」
オレは即答した。
するとフィアナ姉さんはしょんぼりする。
(説明は一回してるんだけどなぁ…)
オレはそんなことを思いながら、次の行程を教えた。
「魔力を感じ取れるようになったなら、次は体内に循環させて――ぐるぐると巡らせてみて」
「体内に魔力をぐるぐる巡らせる?」
(あ、まだわかってないな…)
オレは少し考えた。そして――閃いた。
「《水人形》」
オレは水魔法で、水人形を作る。
この魔法は、人間の姿をした水だ。
害はない。意思を持たないので、命令しても反応しない。
その名の通り、“水の人形”なのだ。
水人形の大きさは百センチ程度。オレとほぼ同じくらい。
かなり魔力を消費したが――このくらい、なんてことない。
「フィル? なにをするの?」
フィアナ姉さんは不思議そうに見ていた。
「まぁ、見てて」
オレはそう言うと、近くに落ちていた小枝を拾い、水人形の中に入れる。
「これが見える?」
フィアナ姉さんに確認する。
「うん、見えるよ。これをどうするの?」
フィアナ姉さんはワクワクした様子だ。
「この小枝が“魔力”だよ。それを――こうして」
オレは水人形の中を魔力が巡るように、水流を操作する。
小枝を魔力に見立て、胸から腹、腕、脚へ――ぐるぐると巡らせる。
まるで体内で魔力が生き物のように流れるのを見ているようだ。
「体内でこうするんだよ。
魔力操作ができないと、魔法は使えないんだ。あと少しだから、頑張って」
「うん!!」
元気よく返事をしてくる。
それから数時間――時刻は夕方になっていた。
お昼頃から教えているが、やはり難しいらしい。
フィアナ姉さんは目を閉じ、体内の魔力を操作しようと奮闘しているが、まだ成功していない。
魔法を使うのはセンスが必要だからなぁ…。
オレたちのような“異世界人”なら、マンガやラノベで知識を得ているから、少し努力すればすぐ使えるようになる。
でも現地の人はノウハウを知らないので、時間がかかるのだ。
ちなみに――暇だったので、オレは水人形で遊んでいた。
この魔法で何ができるか、何ができないかを試していたのだ。
ウォータードールの水を操作して動かそうとした。
最初は全く動かなかったが、意識を投影するイメージでやってみると動いた。
だが非常に集中力を使うので、他の作業と同時には難しいかもしれない。
いや、慣れればいけるかも……。
オレはそんなことを思ったのだった。
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