prologue2 どうやら…死んだようです
自分が神だという奇妙な老人と出会い、オレはその老人を見つめながら――。
ふへえ、神様かよ。本当にいるんだなぁ……。
オレたち人間の想像上の存在だと思ってたよ。
『ひどい思われようじゃが、仕方ないのぅ。
我々神は人の目には映らんし、ごく稀に感じ取る者もおるが……滅多におらんからな』
その神様が、オレに何の用だろうか。
そんなことを思いながらも、心を読まれていることに気づかず会話を続けた。
「へぇ、それで……なんでオレはその“神様”と話せてるんでしょうか?」
『そうよな。
今まで見えなかったものが急に“視えて”“聴こえる”ようになったのだから、驚くのも無理はない。
実はのぅ、きみに伝えねばならぬことがある』
なんだろう?
神様だし、変なことは言わないと思うけど……。
夢じゃないなら、これはちょっと怖いな。
「なんでしょうか?」
『うむ、言いにくいのじゃが――きみは、すでに死んでおる。
それでな、理由は不明じゃが別の世界に来てしまったのじゃ。
おそらく、次元の壁に綻びがあったのじゃろう』
……そうか。
オレ、死んだのか。
「そうだったんですね」
オレの返答は、驚くほど淡々としたものだった。
その態度に、神様は思わず目を丸くした。
『!?
驚いておらんのか!? 普通はもっと取り乱すものじゃぞ!』
「いや、驚いてますよ?
でも、人間いつかは死にますからね。早いか遅いか、それだけの違いでしょう?」
『そんな達観した人間もおるのか……。
君くらいの年齢なら、もっと取り乱すものじゃが。お主、悟りでも開いたのかのぅ?』
「そうなんですか? 他人の反応はわかりませんけど。
それより――どうしてオレは死んだんですか? 家で寝てたと思うんですが」
『自分の死を“それより”で済ますとは……まぁよい。
ええと、そうじゃな。
君はのぅ――タンスの角に頭をぶつけて死んだのじゃ』
「…………はい?」
『寝返りの拍子に頭をぶつけてのぅ。
脳内出血を起こして脳が圧迫され、ご臨終じゃ。運が悪かったのぅ』
「……そうですか。まぁ、狭い部屋でしたし。
いつかはやらかすだろうとは思ってました。
死因を教えてくださってありがとうございます。
ところで、どうしてオレはここに?
ここ、“神界”ですよね?
人間のオレが来られる場所じゃないと思うんですが…」
『うむ。まず、ここはきみのいた“地球”ではない。
わしが創った世界――《フォル・テーラ》じゃ。
どういうわけか、きみの魂は地球の輪廻から外れ、この世界に来てしまったらしい。
他世界からの来訪者は時折おるが、“魂だけ”で界を渡るのは極めて稀じゃ。
きみは、実に珍しい現象を体験しておるのじゃよ』
神様はそう言いながら、どこか楽しそうに微笑んだ。
オレは、ただ呆然とその言葉を聞くしかなかった。
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