chapter10 視線
※複数視点です
side:フィル
「よし、もっと練習するぞ!!」
オレは魔法の成功に喜び、次の魔法に挑むことにした。
「火の精よ、我に力の一端を貸し与え、その力の一部を顕現せよ、《ファイアボール》」
詠唱を終えると、右手の掌に火球が浮かんだ。
でも、ふと思う。
「オレが使ってるのって――精霊魔法の一端だよな?」
そういえば、土魔法を使ったときも詠唱はこうだった。
“大地の精よ、我に力の一端を貸し与え、その力の一部を顕現せよ、《ブレイクロック》”。
オレは火魔法の詠唱を改めて意識しながら――
「我が炎よ、弾丸となり敵を打ち砕け、《ファイアボール》」
掌に火球が現れる。
ふむ――やはり魔力の消費は多めだな。
「なるほど。精霊の力を借りると魔力消費が抑えられるのか……面白い発見だ」
今後はうまく使い分けよう、と呟くと──視線を感じた。
振り向くと、フィア姉が立っていた。
「あ、フィア姉さん……」
見つかってしまったか。
この後、どう反応させようか――オレは少し考えた。
■ ■ ■
side:フィアナ
「すごい……」
思わず呟いてしまう。
フィルの手のひらに水球が浮かんでいた。
「火よ精よ、我に力の一端を貸し与え、その力の一部を顕現せよ、《ファイアボール》」
え、また別の魔法!?
「オレが使ってるのって――精霊魔法の一端だよな?」
精霊魔法……そんなのもあるの?
「我が炎よ、弾丸となり敵を打ち砕け、《ファイアボール》」
フィルは掌に火球を浮かべながら、納得したように頷く。
「なるほど。やはり――魔力の消費が多くなるのか」
そして、私の方を見る。
「あ、フィア姉さん」
恐ろしい笑みを浮かべたその顔に、少しドキッとする私だった。
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