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転生してスローライフ  作者: 火川蓮
第二章

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chapter9 魔法が成功した理由

sideフィル


オレはフィア姉さんに見られていることに気づかず、裏庭で魔法の練習をしていた。


……なんで成功しないんだ?

今のところ成功したのは、土魔法・光魔法・空間魔法の三種類だけ。

なにか法則があるはずだ。なにが――なにが違う?


オレは必死に考える。

そして、ふと、あることを思い出した。


「……詠唱か? 詠唱なのか?

魔法の発動条件は“呪文を唱えること”……?

なら──試してみるか」


物は試しだ。

オレは目の前の木に手をかざした。


「風の精よ、その力の一端を我に貸し与え、目の前の樹木を伐採せよ──《ウィンドカッター》!!」


次の瞬間、透明な刃が放たれ、木の幹を斬り裂いた。

刹那の静寂のあと、〖ミシッ〗と不穏な音が響く。


「よし、成功した!!」


成功したことに喜ぶもつかの間――。

木がゆっくりと傾き、倒れ始めた。


「……やべぇっ! 《テレポート》──!」


オレは瞬時に木の下へ転移し、そのまま手を当てる。


「《ストア》!!」


光が溢れ、木はアイテムボックスに吸い込まれて消えた。

直後、地面がわずかに揺れたが、倒れる前に収納できたようだ。


「ふぅ……危ない危ない。倒したままだとバレるところだった。

収納できてよかった。ほんと便利だな、アイテムボックス」


あのまま倒れてたら、音と地鳴りで大騒ぎになってただろう。


「よっしゃ!! 魔法成功!!

やっぱり詠唱か。

土魔法や光魔法、空間魔法が無詠唱で使えたのは“慣れ”だったのかもな。

家族の目を盗んで練習してたかいがあった」


オレは満足げに笑みを浮かべ、次の魔法を試す。


「水の精よ、我に力の一端を貸し与え、その力の一部を顕現せよ──《ウォーターボール》!!」


両手の間に、水の球がふわりと浮かび上がった。


「よし、こっちも成功したな」


なるほど……。

今までは赤ん坊で声が出せなかったから、心の中で詠唱していたのか。

だから、気づけなかったんだな。


オレはようやく見つけた“成功の鍵”に、胸の奥が熱くなるのを感じた。

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