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転生してスローライフ  作者: 火川蓮
第二章

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15/18

Quiet talk フィアナの観察

※番外編です

※フィアナ視点です

side:フィアナ


「お母さーん、フィル知らない?」


私はもう数時間、フィルを探していた。

まだ三歳の弟は、少し目を離すとすぐどこかに行ってしまう。


「あらあら、フィアナはフィルのことが大好きなのね」


「だって、心配だもん。

お母さんは心配じゃないの?」


「ふふ、もちろん心配よ?

でも、あなたが面倒を見てくれてるから助かってるわ」


「えへへ」


その言葉が嬉しくて、私はつい笑っくてしまう。


──と、そのとき。


「~~~」


……なにか聞こえた?


「お母さん、今なにか言った?」


「言ってないわよ?」


「~~~」


まただ。今度ははっきり聞こえた。


「これは……フィルの声ね。なにをしてるのかしら?」


お母さんがそう言い、私は裏庭の方を思い浮かべた。


「裏庭かも」


「そうね、ありえるわ」


「私、探してくる!」


そう言って私は駆け出した。


■ ■ ■


裏庭に着くと、案の定フィルがいた。

彼は真剣な表情で、ひとり考え込んでいた。


「詠唱か? 詠唱なのか?

……魔法の発動条件は“呪文を唱えること”……?

なら──試してみるか」


私は物陰に隠れ、息を殺して見守る。


魔法。それは生活に欠かせない神秘の力。

けれど私もまだ、一度も成功したことがない。


フィルは木の方へ手を突き出した。


「風の精よ、その力の一端を我に貸し与え、目の前の樹木を伐採せよ──《ウィンドカッター》!!」


その瞬間、透明な刃が現れ、木をスパッと切り倒した。


(なに、あれ……? 透明なのに見える! あれが……魔法!?)


私が呆然とする間に、フィルが焦った声をあげた。


「あ、やべ……テレポート!」


「ストア!」


一瞬、フィルの姿が消え──気づけば、倒れる木のそばに立っていた。

しかも次の瞬間、木が消えた。


(あれも魔法……? どれだけ使えるの?)


「ふぅ、危ない危ない。倒したままだとバレるし。

収納できてよかった。アイテムボックス便利だな」


フィルは戻ってきて、胸を張るように言った。


「よっしゃ! 魔法成功!!

……ってことは、やっぱり詠唱か。

土魔法や光魔法、空間魔法が無詠唱で使えたのは“慣れ”だったのかもな。

家族の目を盗んで練習してたかいがあった!」


そう言って、今度は両手を重ねる。


「水の精よ、我に力の一端を貸し与え、その力の一部を顕現せよ──《ウォーターボール》!!」


瞬間、水の球がフィルの手のひらに浮かび上がった。


(……すごい)


私はただ、息を呑んでその光景を見つめることしかできなかった。


読んでくれた方ありがとうございます

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