お約束です。
「そういえば、魔物ってどんなの?」
葉月とミラーラは、王都への道に向かう道をひたすら進んでいた。取り敢えず王都への道には道沿いに宿などが揃っているというからだ。
だが、先程からピリピリとした空気を感じる。何かがこちらを監視しているような感じがするのだ。しかもネチっこい。
「簡単に言ってしまえば野生の動物の凶暴なバージョン。正確には、大気中の魔力を何らかの形で異常な量吸収してしまって、我を忘れた獣よ。」
ミラーラも気づいているようだが、あくまで平然とした顔である。
「聞けば聞くほど危険な匂いがするねぇ・・・」
そんなミラーラの様子に何か対策でもあるのだろうと考えた葉月は、普通に会話を続けた。
「あら、そうでも無いわよ?所詮元は動物なのだし、知能は低いわ。」
ミラーラは口では普通に会話しているが、目では回りをせわしなく確認している。明らかに何かあると言うことだろう。しかも、確実に悪い方で。
「じゃあ何故襲ってくるの?」
流石の葉月も少し緊張感を持ちながらも、魔物という未知の敵の事は知りたいようだ。
「生理的欲求・・・かしら。魔力を異常に取り入れた魔物は、更に沢山の魔力を吸収して強くなろうとするの。だから、人間襲って身体構成魔力を食べちゃおうとするわけ。」
「・・・身体構成魔力?なんじゃそりゃ?」
「簡単に言ってしまうと、接着剤みたいなものなのよ。細胞同士や細胞と魔力の、ね。」
「そんなものがあるの?」
いたく驚いた様子で聞き返す。葉月にも僅かに魔力が感じられるだけに、とても恐ろしく感じてしまうのだ。
「えぇ、この世界では常識なのだけれど、まぁ日本では魔力なんて存在しないものね。」
確かにそうだと思いながらふと前をみると、犬が居た。しかし、いつそこに出て来たのかが分からないほど一瞬のうちに、だ。そして明らかに、異常な目をしてこちらを見ている。
とてつもなく嫌な確信がありながらも、一応葉月はミラーラを振り向く。
「もしかしてあれ?」
「あら、意外とすぐ出たわね。」
「やっぱりですか・・・」
なんでこんな心の準備も出来てない内に出て来るのよ!と心の中で愚痴ってみるが、どうやらそれで事態は好転しないらしい。魔犬はこちらに数歩歩くとすぐに走り出した。
「うわ、ちょ!早いって!」
「そういう生き物なのよ。」
あせる葉月と裏腹に、ミラーラはゆっくりと手を前にかざす。すると、ミラーラの体の回りに、4本の氷の刃が生まれた。
「すこし反省しなきゃね、駄犬。」
「え?」
ミラーラが呟いたと同時に、魔犬は氷刀に貫かれていた。
すると魔犬は「キャン!」と鳴きながら倒れ、そのまま消失してしまった。
横で何もせずに突っ立っていただけの葉月は、呆然とした様子で消えて行く様を眺めていた。だが、それだけではないようだ。
「・・・駄犬?」
「・・・」
ミラーラのドS疑惑・・・
どうしよう、このままだと王都に着くだけであと6話くらい使いそうだ・・・
全然話が終わる気配がしないぜorz
勉強がヤバいのになぁ・・・