番外編:清白葉月の日常 Ⅱ
天音と同居してから4日が経った。つまり今金曜日。天音は寮生活で一人部屋なので、私としては気が楽というものだ。
今日も学校に一緒に行く。平日なので私の道場も無いし、外泊だって両親は事情説明したら納得してくれたから、門下生の稽古のある土日以外はいつでも一緒に居られる。逆を返すと、今日までしか一緒に居られないのだ。
「そういえば、その相手の子って、天音とどんな関係?」
なんだかんだで聞いてなかった事をふと気になって聞いてみる。
「いちおう部活の後輩なの。」
あぁ、勿論天音の所属する部は書道部だ。
「いちおう?」
「えっと・・・その子、幽霊部員なのよ。」
それでなんで会う機会があったのだろう?
聞いてみると、意外と単純なものだった。
なんでも、幽霊部員でもなんでも絶対参加しないといけない集会が二ヶ月に一回あるらしく、そこで一目惚れされたらしい。
「そして、何度か付きまとわれて遂に告白された、と。」
「うん・・・流石に私も、そんな面識無い子と付き合うつもりないしね。」
「・・・つまり面識あれば女の子でもOKってこと?」
なら私のやる気も俄然上がって上がって上がりまくるのだけど(笑)
「いやいやいや、女の子って!まだ私はノーマルだよっ!」
「ふぅん?」
まだってことは今から変わる可能性大ってことだよね?(笑)
よっしゃ、ちょいやる気ゲージ回復ww
「ま、取り敢えず今日までは普通に学校行って様子見ましょうか。」
「うん、そだね。」
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というわけで、なんとか間に合いました。
木曜日の放課後に、天音の下駄箱にラブレターが入ってた。"金曜日の放課後中庭で待ってます"だってさ。これはあれだね、私の姿を確認して早くしないとって思ったんだね。
健気で良い子じゃん(笑)
「いちおう私もついて行くけど、基本介入しないつもりなのでヨロ。」
「うん、分かった。アリガト、葉月。」
やば、かわい(ry
とか雑談しながら中庭に向かう。中庭へ出る扉の所までつくと、私はその横のほうに背もたれて待機。ここから先は天音自身の問題だもんね。
・・・どうやらその後輩の子が来たみたいだ。「お呼びだてし・・・・ないで・・」とかかすれがすれ聞こえる。
暫くそうしていると、ちょっとずつ声が大きくなってるのかある程度聞こえてきた。
「・・・からぁ、葉月と・・・んなんじゃ・・・」
「なら先輩は・・・・の子と一緒に・・・・るんですかっ!」
うーん、なーんか拗れそうな予感・・・てか確実にこれダメだよねぇ。
とか思っていると天音が帰ってきた。
・・・背中にその子を連れて。
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「なんか葉月の事が知りたいから暫く一緒に暮らしたいって言ってるんだけど・・・どうしよう?」
そうきたか!ww
「・・・いいんじゃない?天音の家に一緒にってことでしょ?」
「私としては流石に3人は遠慮したいんだけどね・・・」
「あら、いいじゃない?減るもんでもなし。」
そこでその子をみて、先に宣戦布告をしておく。
「私は清白葉月、天音と恋仲なの♪貴女の名前は?」
一瞬グッとその子は唇を噛み締めて、しかしこちらを睨み付けるように言った。
「私は神原奈美!将来天音先輩と結婚するの!!」
「なる程、ナオナオか。」
「いきなり変なあだ名つけないでよっ!」
「んじゃあなおっち。」
「それは天音先輩だけが呼んで良いの!」
「贅沢だなぁ…てか私も先輩だぞ〜?敬語くらい使いなさい。」
「さっさとお消えになりやがって下さい。」
ナオナオは、なんと金髪ツインテ釣り目という、めちゃくちゃツンデレ王道キャラだった。中身も外見と同じだ(笑)
因みに胸は控えめ。
「はっ、今何か葉月先輩から邪なオーラがっ!」
「失礼ねぇ、別に取って食いはしないわよ?」
今は、ね(笑)
・・・はい、後一話続きますww
あ、やめ、生卵は後がめんどうだからなげちゃだめぇー!