飛びます。
初投稿なので色々拙いですが、どうか暖かい目で見て下さいm(_ _)m
「お疲れ様でしたっ!!」
「「お疲れ様でした!」」
二十人程いる門下生達が道場から出て行ったのを確認すると、はぁ…と人知れず溜め息をつく。
これからが自分の番だ。門下生の前で自分の練習が出来ないのはなかなか歯がゆいものがある。
ゆっくりと足を開き、矢を取る。矢羽の状態を確かめてから弓に合わせて、息を吐く。弦を引き絞り、確かめるように肩を少しずつ動かしてゆく。そして、訪れる"無"。
葉月はこの精神統一の間が一番好きなのだ。"無"…頭の中も、周りの音も、そして自分自身ですら"無"に思えてしまうほどに弓と的だけに集中する。
ダンッという音と共に矢が30m先の的に当たる。
それを8回繰り返したところで「ふぅ」と一息ついた。
4本は一番中心の円の中に、残り4本はその周りの円の中に刺さっているのを確認すると、「まあこんなものかな」とひとりごちながら矢の回収に行く。
弓道というものは、一回一回にとてつもない集中力と体力を使う。
8本連続で本気で矢を射るのはなかなか大変なものなのだ。
「あっ、ヤバい…もうこんな時間!」
矢を回収し終えた葉月だったが、既に時刻は7時を過ぎている。
今日は日曜なのであまり遅くまでやると体力的に明日の学校が保たないことは今までで嫌と言うほど体験している葉月は、素早く道具を片付けて帰路についた。
葉月の実家の清白家は古くから弓道の道場を開いており、今の師範代は清白葉月である。高校3年で既に師範代になっている葉月はその非凡な才能を遺憾なく発揮し、立派な先生となっている。
とは言うものの、勿論平日には学校に行っている葉月の代わりに門下生達に弓道を教えているのは、今年53になる師範代の橋本一郎である。
一郎は清白家との血縁は無いがその卓越した弓道の才能と、物腰の柔らかさから人気の先生である。
今でこそ葉月に負けるが、それ以上に経験豊富な一郎は葉月の師匠とも言える存在だ。
そして一郎は、葉月にとってみれば信頼の置ける人物の一人である。
葉月が自宅に帰ると、一郎が丁度訪ねて来るところだったらしく、玄関の前で顔を合わせた。
「一郎おじさん!久しぶりっ!」
「おぉ、葉月!今帰りか。」
屈託の無い笑みで一郎が尋ねる。
「うん、道場で指導と自主練。」
「頑張るなぁ。」
うんうんと頷く一郎は、あっと思い出したように言う。
「どしたの?」
「ああ、いやな、葉月に聞きたいことがあってさ」
「あたしに?」
「そう。そのために今日ここに来たんだしね。」 はて、何か怒られるような事をした記憶は無いのだけれど…と思いつつも一郎の声を聞く。それほどに一郎から何か聞かれると言うことは珍しいのだ。
「お前さん妖精って知ってるか?」
「え……?」
流石に突拍子も無い事を真顔で言われ、頭が追いつかない葉月はたまらず間抜けな声を漏らした。
「ほら、あのティンカー○ルみたいなのさ。」
「あぁ、そういうこと。うん、まぁピーター○ンなんて何年も前に絵本で見ただけだからあんま知らないかなぁ。」
「いや、絵本じゃなくてだな…現実に、さ。」
「えぇ?居るわけ無いじゃんそんなの…」
あははと笑いながら言ってみたが、一郎はいたく真面目な顔のままだ。
「それがな、居たんだ。見間違いじゃない。流石にこの年でボケたりはせんよ。そいつはな、葉月。お前さんが欲しいって言ってきたんだ。」
「……はぁ。それがどうかしたの?」
「つまりだ…いつか妖精と会う筈なんだ。俺の勘が正しければ、それは面白い事になる。下手をすりゃ命は無いだろうけどな。だから、安全そうならその妖精に付き合ってみな。」
「え…あ…はい。」
「よし!」
そう言ってガハハと笑う一郎に唖然としながらも、ふと違和感に気付く。と言うのも、目の前が蜃気楼の用にゆらゆらと揺らめいて見えるのだ。
ブンッ…
「…………えっ?」
一郎おじさんならこんな良く分からない冗談なんか言わないと分かっているからこそ、益々意味が分からなくなってきて考え込んでいた葉月は、ただただ驚いていた。
そこには、目の前に居たはずの一郎が居なくなり、代わりに広い草原が広がっていたのだ。
投稿のやり方が難しいorz
徐々に慣れていきたいと思いますー…
誤字とかここおかしくね?とかあったら教えてくれると狂喜乱舞しながら泣いて再編します…