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異世界転移で勇者になった私は叔父と奇跡的に再開した。  作者: プロト・シン
一章『私は叔父と奇跡的にサイカイした』
6/42

第4話〔叔父さんは屠竜の技を覚える〕再開10日目[昼過ぎ]

 初級とはいえ迷宮での実戦を経て、オジさんは成長した。


 元々若い頃に格闘技をしていたと母からは聞いていたが、実際近くで見ているとその雰囲気は確かなものだと思う。


 何故なら、自分は運動部に入ってこそいたが異世界に来た当初は戦いの形にすらなっていないほどの状態を繰り返していた。


 それと比べて圧倒的に時間の浅い叔父が普通に戦闘をこなしているのは驚愕でしかない。


「なあヒメ、聞いてもいい?」


「ェ――ぁ、ぅん、何?」


「この前教えてくれたスキルってあるだろ、アレの事なんだが」


技能スキル? ぁぁうん、どうしたの?」


「うむ、実は疑問と言うかまだよく分かっていない部分があってな。そこをちょっと」


 なるほど。それに付いては仕方がないと思う姪。


 何故なら――。


「格闘補正や場当たりな強化は分かる、だが技としての正拳突きとは何だ?」


「――……ぇ?」


 直感でまた始まったと思う。


「スキルなどと言う分類にカテゴライズせずとも自ら行えば可能な技ではないか、確かに熟練度と言う意味では強化や補正を受けるのには恩恵も見出せる。が成長の過程で覚えるまでは使用する事すら出来ないというのは些か不自然な」


「待って、オジさんさっきから何を言ってるの……?」


「ん? ああ悪い、本題の前に古い記憶がよみがえってな。ま、気にするな――でだ」


 なら何故それを言ったのかと思いつつ姪は不満ごと口を閉じる。


「先日念願の街案内をしてもらった時に行った人権申請で得た個人情報の開示なのだが、見れるようになったスキルの取得表を閲覧していたら不思議と思った事があってだな」


「……ぅん?」


「魔物を倒すことで得る経験値が一定になるとレベルが上がり適正の熟練度とポイントが増加すると言うのは実に全霊をくすぶる仕様ではある、が伴って増える技能の一部に疑問が生じる次第――属性突きとは何ぞや?」


「属性づき? あぁ剣技とかにもある火炎斬り――とかのコトかな?」


「おそらくソレだ」


「ぅん、ソレに何の疑問?」


「なに故――炎を纏う?」


「ぇ、……どういうコト?」


「閲読するに、体内魔力を消費して拳に炎を纏い攻撃する。とある」


「ぅん……」


 一体ソレのドコが問題ダメと言うのか。


「属性付与はファンタジーの基本だが使えもしないモノを突然扱うと言うのは納得が……加えて突きと限定した言い方をされるのも気に食わん」


「……、好きにすれば?」


「何? 如何言う」


「べつに炎を纏えば突くも突かないもオジさんの自由だし、実際私は他の用途に使う事もよくあるよ。そういうのは使い手の裁量じゃない?」


「なるほど……こいつぁ大人な回答だな」


「……――呼び方だって何か分かれば其処まで気にするコトはないと思う。大事なのは正確性じゃなく相手に何を伝えたいか、と如何理解するかだよ」


「姪っ子……」


 何故。


「……そうだな、ヒメの言う通り大切なのは伝える気持ちを汲む事だ。一々何故を挟んでいては肝心な時に拳も鈍る」


「ぅん、分かってもらえたのなら良かったよ……」


「よしソウと決まれば早速実戦投入だ!」


「ぁうん、――ぇ?」




  …




「必殺火炎突き!」


 しかし叔父の手は燃えていない、加えて攻撃は蹴り。


「秘技ッ背後からの分身斬り!」


 無論叔父は独りだし魔物を正面から拳で打ち据える。


「ふぅ。ヒナの言う通り、効果覿面(てきめん)だな」


 何が。


「言い表す文字とは相手に伝わる印象が大事って訳だ。逆を言えば、印象操作による不意打ちやかく乱が可能、すなわち技覚えずして技と成る。一石二鳥と言う訳だな! さすがだぞヒメっ子よ! ハッハッハ」


「……オジさん」


 しかし相手が言葉の分かる人間ではなく、魔物だよ。とは言わない事にする姪だった。


「ハッハッハッハ」








  叔父さんは屠竜の技を覚える/了








あれからもう〇年経ったのかと、思う度に老けを感じませんか?

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