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異世界転移で勇者になった私は叔父と奇跡的に再開した。  作者: プロト・シン
一章『私は叔父と奇跡的にサイカイした』
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第3話〔叔父さんは迷宮にロマンを求める?〕再開7日目[日中]

 再会七日目の日中、叔父のレベル上げも兼ねて入った迷宮内で突然足を止め言い出した。


「……無い」


「何が?」


「ハコ……」


 箱? また唐突に何の――。


「宝箱が無い……ッ!」


 ――?


「……タカラ箱?」


「今日まで一度も見てない! どういうコトだッ?」


「落ち着いてオジさん、逆に聞くけど如何いうコト?」


「迷宮…いやダンジョンと言えば宝箱があるもんだろ…?」


「……あるもん、具体的には……?」


「それはあのよくある感じに、だ……」


「と言われても…そもそも迷宮に宝の入った箱なんて無いよ…?」


「――……何…だと…?」


「……だって、もしそんな物があれば誰かが先に取って直ぐに無くなるんじゃない?」


「いや、それは何か…都合よくだな…」


「都合よく…? 大体誰がそんな箱を置くの…? わざわざ魔物の居る危険な迷宮内に」


「それは迷宮を作った誰かしらが、そう迷宮自体が……!」


「迷宮は自然に出来るものだし、そういう物を生み出す種類は聞いた事がないかな」


「だったらば、今後に期待できる可能性が……!」


「それは…否定しない…けど、無くても良い物じゃない?」


 途端にスンと叔父から表情が消える。


「何を言ってるんだ?」


「……ぇ?」


「宝箱だぞ、在る方が好いに決まってるだろ?」


「何で……」


「ナンでって…、宝箱だぞ…?」


「具体的にどんな物が入ってるのがソウなの?」


「それは――貴重な武器とか、お金とか回復するアイテムの類とかだな」


「何で入ってるの?」


「ナン…、それはそういうノリと言うか、そうあってほしいという皆の願望と言うだな」


「皆の願望……? 何処かで調査したの」


「調……イヤイヤそれはするまでもなくだな」


「するまでもない? 第一誰の為に作られた物かも分からないのに、取る意味ある?」


「そりゃ無いよりはマシと言うか、有って困る物では」


「困るよ。現物として持てる量には当然限界があるし通常の収納袋だと数少ない枠を埋める必要があるんだよ、無闇に拾って価値の無い物だった場合のメリットはあるの?」


「要らなければ売って金に……」


「売れない。と言うか魔石を拾って売る方が効率も良いと思う」


「そうなのか……? イヤイヤ実物を買い取って貰う方が実用的だろ」


「じゃあ聞くけど、誰の為に作られたのか分からない武器と自分用のオーダーメイドどっちが良い?」


「それは…、と言うか選択権があるのはセコイだろ…」


「セコイ? 何で、お金を出して買うのに合わない物を買う理由ある?」


「ぅぐ」


「少なくともセミオーダー、そうじゃないと命懸けでモンスターと戦う人の身になってないよ。そういうのを買う人は最悪間に合わせとか基本は投てきを目的にした廃棄前提の消費感覚で使うんだよ」


「ぇそうなの……か?」


「うん。実際お店に行っても展示品は見本としての扱いだし、その場では買えないよ」


 途端に想像が現実に圧し潰される感覚を受けて叔父の膝が力無く崩れ落ちる。


「……大丈夫?」


「いや、いいんだ…。そうか現実は、――…理想とは尊いんだな」


 やはり叔父の言いたい事は肝心な部分でよく分からない姪。


「ぅん……?」


「まあでも、少し嬉しい気持ちもある」


「え? 何が」


 まるで過去を懐かしむ様に、遠い日を思い描く瞳が姪の方へと向けられる。


「俺の使い古したマフラーを最後には自分の物とした子が、成長したのだな……とな」


「ちょ」


「そういえば明らかに大きい手袋も持って行ってたな」


「ちょっとオジさん! いつの話をしてるのッ? そんなのずっと昔のコトでしょ!」


「ん、ああ悪い悪い。それもそうだな」


 次いでさっと気持ちを切り替えて先へ進もうと言う叔父に、姪は頷く。


 そして動き出すその背をやや眺めてから。


「本当だよ、もう……」


 今もきっと同じ所に仕舞われているであろう過去の記憶を――思い返してみる。








  叔父さんは迷宮にロマンを求める?/了








大体は買った後に手に入るパターンなんだよなぁ……。

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