第39話〔叔父さんと異世界で再開した〕再開日…目[…]
――悪い知らせを受けて私は走った。
報せたのは自分が担当する地点に到着して直ぐ捜索をお願いした、ホーリーさん。
そして命からがら……息も絶え絶えで来た彼女の言葉に私は動揺する。
幸いにも担当していた周辺の魔物は殆ど倒し、終息に向かっていた事で隊の理解を得て
から出発することはできた。
ただ、全力で走ったとしても行き着く頃には、手遅れなのではないか? そんな不安ば
かりが頭を過ぎる。
疾走中、何度も重たいものを拭い去ろうと頭を振る。
駆ける足に一層力を込めて余計な事は考えずに。
大丈夫きっと、大丈夫だ。
叔父ならきっと、不謹慎にも心配していた私の気持ちなど顧みずに笑みを浮かべ。
“いやぁ、死ぬかと思ったわー”なんて、言ってくれるのだろうと。
そう信じ、私は叔父の所へと一刻でも早く辿り着く。事だけに集中しなければならない。
▽
迷宮の中でも最上位、魔王級と呼ばれるものが世界には幾つか存在する。
その内の一つから毎年溢れ出る魔物を担当する地点で防ぎ止めるのが、この国が命じる
勇者大合同の任。
二度目となる今年は前回以上に準備と覚悟をし挑んだ。
少し身内の事でトラブルはあったが、任務事態は順調に進み――終盤。
状況は急変した。
迷宮の正面に位置する最重要地点を担当していた私の所へと戻って来た仲間は慌ただし
く口にする。
「ゆゆ勇者様っ大変でズー!」
何かと問う。
と彼女は言った。
大量の魔物が最も人員の薄い箇所、叔父が居た所へと向かっていると。
――そして私は走り、駆け付ける。例えそれが重罪と呼ばれる違反行為であっても、こ
の世界で奇跡的に再会した唯一の家族を助ける為に、私は――。
…
燻ぶる臭い、薙ぎ倒された木や防壁。
何かが進行した跡、そして開いた地面の穴。
到着した時点で、魔物の姿はどこにも無かった。
「――……スミマセン。ワタシが、もっと……ッ」
「オ、俺は逃げろって言ったぞ。やったのはオッサンが勝手に、だ……。だいたいババア
が逃げ遅れたのが、原因で」
「ハァッ? ――真っ先に逃げたのは誰よ!」
「煩せェ! 俺は勇者だって言ってるだろうがッ」
「ならどうにかするのが勇者でしょうよッ?」
「人を便利屋みたいに言うんじゃねえよ!」
「ハァァッ!」
――遠い。
まだ私は走り続けている。
だからきっと、まだ声は拾えない。
叔父の姿もまだ、きっと、見えていない――だけ、だ。
…
今年の勇者大合同を終えて、総勢二百の参加者の内――死傷者は七十八人。
死者四十三、行方不明一。密告容疑で一名が身柄を拘束、違反者――逃亡を含む十一。
通告――。
パーティー内から密告者を出した事と、担当地域から許可なく離れる違反行為等の罰則
で勇者ヒメを魔王級迷宮の攻略へと命ずる。
実行は三日後、急ぎ準備されたし。※期間中街の外に出た場合は逃亡とみなし其の場で
の処刑も止む無し。
――私には母方の叔父が居た。
一年程前に現代からの異世界転移を経験し女勇者と成った。
そして、異世界転移で勇者になった私は、叔父さんと、奇跡的な再開を果たしました。
△
叔父さんと異世界で再開した/了
次話にて【叔父再】の【一章】が終結いたします。
又、一章の終結後は投稿を暫く休止し別作品の物語を進める等したいと思っています。
※なにとぞ、ご理解のほど宜しくお願い致します。m(_ _)m




