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異世界転移で勇者になった私は叔父と奇跡的に再開した。  作者: プロト・シン
一章『私は叔父と奇跡的にサイカイした』
36/42

第34話〔レイナのおしまいな時々その①〕再開日44目[時刻?]

 自分はレイナ・ホーリーと申します。


 ――以後お見知り置きください。


 さて、はて、何故この様な自己紹介を始めたのかと、言いますと。


 実は最近とっても嬉しい事がありましたのです。


 それはステキな出会い、食い逃げの現行犯で捕まった我が身にとっては天からの救いとも言える歴史的、自分史に於ける最大の出来事となりました。


 聞きたいですか? いいですよ。


 それではご覧ください。


 自分の半生を振り返り、劇場――。




  ※




 我が故郷はカイス、ハロア近郊の小さな村。


 どれくらい小さいかと言いますと、ざっと子供は三人しか居ませんでした。


 その内二人は自分と姉、勿の論で学び舎は無く――片道二時間の通学路。


 学事が終われば村での仕事、土を耕し川で洗い荷を運ぶ。


 毎日、毎日、日々の繰り返し。


 ある時ふと気付いたのです。


 ツマんなく、ない……? 自分の人生。


 このまま死ぬまで変わらない日々を繰り返す、そして死ぬ。


 いつか子供を産み、孫ができてもソレを何だと言うのか。


 ――居ても立っても居られませんでした。


 以前より自分には冒険職に就ける職分があり、年に一度の機会でしたが村の誰よりも外へ出て行く才能があって、無我夢中で――準備します。


 出発は人知れず、置き手紙を残して独り旅立ちの時。


 後ろ髪を引かれる家族は居ましたが年に一度、戻るとの記載。


 さらば我が故郷、数ヶ月後にまた。


 後はご存知、その後は食い逃げの現行犯で捕まったところを運命的に助けてもらい。


 ――自分は現在(イマ)




  ※




 ――牢屋に居ます。


 格子を付け加えた岩屋の檻。


 所持品なんかは奪い取られ、着衣は臭い布の服を強引に着せられました。


 それでも食い逃げをしていた頃よりはキツくない。


「アナタ、いつまでそうしてるの……?」


 ぇ。何時まで――。


「限りがあるのですか……」


「か、限り……何を言ってる?」


 ちなみにこの方は同じ牢の先輩にあたる人です。


「それとも交代でしょうか?」


「……遠慮しとくよ」


 分かりましたと返し、引き続き過去を振り返りながら。


「出してくださーいッ!」


 柵を握り締め、その間で顔を押し当て声を張る。助けの来る、その時を信じ待つのです。




  …




「やっぱりレイナっちだったか……」


 開錠するオジ様が、牢から出る自分に言う。


「ありがとうございますッありがとうございますッ!」


 精一杯感謝の気持ちを降り注ぐ。


「皆さんの持ち物と思しき略奪品は別の部屋にありました、付いて来てください。――レイナっちのはコレ、先に渡しておく。から」


 即行で受け取る。そしてお二人のお力になるべく――。


「コレ、こんなところで」


 ――制止されてしまいました。


「先に行ってるから、遅れて来て……」


 ひょっとするとオジ様は、少しシャイなのでしょうか? ちゃんちゃん。








  レイナのおしまいな時々/了

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