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異世界転移で勇者になった私は叔父と奇跡的に再開した。  作者: プロト・シン
一章『私は叔父と奇跡的にサイカイした』
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第23話〔叔父を悩ます続々・魚介編その①〕再開27日目[日中]

 ――拝啓、姪っ子様。


 貴方は今も寝ておられるのでしょうか?


 年頃になると休みの日は一日中寝てしまう日があるとお聞きします。


 ちなみに私こと叔父は、同じく寝ております。


 しかしながら一日中とはいきません。


 寧ろ今直ぐにでも立ち上がり生き延びる必要すら、あるのです。


「オジ様! オジ様っ!」


 若いって本当に忙しない。


「早くッ! 早く!」


 分かってる分かってる。


「ギャーァ!」


 スキル発動――≪強固Lv.1≫――。




  …




 思い返すと結構無謀な内容だったのかもしれない。


 ヒーラーと格闘家、ドラ〇エだったらわりと序盤から苦しみそうな編成だ。


 まあそもそも二人というのがマズかった。


 そろそろイケると思ったんだがなあっと。


「オジ様、どうしますか……?」


 茂みの中――二人で見詰める大型の魔猪に気を付けつつ会話を続ける。


「攻撃が通らんことには埒が明かんしなぁ」


「ですよね……」


 想像していた以上に皮下脂肪とは強敵だった。


 しかし依頼を放棄するにはまだ日が高い。


「……どうしたものか」


「ここはやはり、勇者様にも手伝ってもらい……」


 うーむ。それは出来れば避けたい。


 自尊心(プライド)等という崇高な精神では全く無い。


 今回はそういう能率とは違う趣旨での受諾なのだ。


 まあ、こっちの手前勝手な話ではあるのだが。


 なるべくなら――。


「――どうにかして、動きを止められないかな?」


「止めてどうするのですか……?」


「思いっきり殴る」


「自殺行為ですよ!」


 ぁ。――……イケた、か。


 だとしても不用心ではある。


 念のために確認とし、静かなる事を促す。


「……スミマセン」


 兎にも角にも自分達は現状窮地である事に変わりはない。


「気を付けて。――レイナっち、これは決して玉砕等の諦めではないぞ」


「……そうなのですか? どうして」


「よいか、獣の多くは厚い脂肪で覆われており打撃類の衝撃は通り難い。が額、眉間の部分は他の所と比べ格段と薄い、すなわちソコを全力で突けば勝てる――かもしれない」


「かもしれないッ?」


「無論やってみなければ分からぬ」


「ダメだった時は……?」


「死ぬ」


 ――恐らく。


「そこはかもしれない、とは言わないのですね……」


「希望的観測は大抵悪い方向へと進む」


「キボテキ……?」


 まあ、とにかくは、だ。


「で、何か良い案はある?」


「止めるって方ですよね……」


 んだんだ。


「……ご存知と思いますが、自分の魔法は自己保身ばかりで足止めとかは……」


 其処は――。


「――知恵を絞れば関係ない」


「もっと無いですよ……」


 と言うかやる気の問題では、と思いつつ。


「なら有る物を持ち寄ってみるか」


「……持ち物ですか? 正直殆ど何も……あるのは石鹸くらいです」


「逆になに故」


「故郷唯一の名物です」


 そうだったのか。しかしながら今は――イヤ、そうか。


「使えるね、ソレ」


「ェ? 石鹸が……ですよね?」


 うむ。――但し効果は如何ほどかってね。

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