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異世界転移で勇者になった私は叔父と奇跡的に再開した。  作者: プロト・シン
一章『私は叔父と奇跡的にサイカイした』
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第13話〔叔父の小さな悩み魚介編その③〕再開23日目[時刻?]

 ゴツゴツとした岩肌の天井から落ちる水滴で、目が覚めた。


 急を要する事態でないコトを確認し冷静を保って周辺の様子と経緯を確かめていく。


 ――ワタシはオジさんです。


 いや、そんなコトはどうでもいい。


 先ずはこうなってしまった記憶と今後の事についての方針を決めなければならない。


 幸い近場には魔物の存在は感じられず所持していた荷物は無事に残っている。


 水場も直ぐそばを流れている川が在るので、落ち着いて行動をすれば比較的遭難時としては生還率の高い状況と言えるはずだ。


 なので、状況認識――。


 今居る場所は迷宮ダンジョンの中、但し現在地は不明。


 時刻、不明。


 ……さすがに数日経っているとかはないだろう。


 装備、所持品等は殆ど損傷もない。


 身体も。


 ――イテテ。


 どうも右肩の後ろを痛めた様子。


 とはいえ外傷と言うよりも打撲痛。……何処かでブツけたか?


 ま、――当面は問題ないというコトだ。


「さてと」


 一先ず周囲を探索してみるか。


 にしても、洞窟の中なのに結構明るいなァ。



  *



 ――どうしよう。


 直ぐに後を追って。


「……勇者様、どうしましょう……?」


 ぅぅん、ダメだ。


「落ち着いて、流れはそれほど速くない。予定通り水流に沿って進みます」


「分かりました……」


「では行きます」


 落ち着いて――まるで自分を諭す様に、口から出た。



  *



 長く生きると色んな事を経験する。


 ちなみに体験とは実際に行動したこととされ、経験はその上で知識や技術を学ぶことと位置付けるらしい。


 果たして今の状況がどちらとなるかは、進んでみないと分からない。


 とはいえ流れて来る水をさかのぼって行くだけで順調に戻れれば良いのだが。


 そうは行くまいと現れるのが金太郎飴的な展開。


 さてさて、何方かな。と――。


 二、イヤ三、若干距離を空けて一匹が来ている。


 手前の二匹は同種、洞窟内では唯一の飛行系で比較的見慣れた形状の、所謂やや大きめのコウモリである。


 毒の有る牙に注意。――by叔父のワンポイントメモ。


 奥のは――まあ後でいいか。


 ――先ずは先頭の二匹に集中して、構えをとる。


 スキル発動――≪集中Lv.1≫――。


 十五秒間の感覚超過。


 要は相手の動きがほんの少しだけ緩やかに見える。


 それは羽根の動く角度に合わせて的確な一撃を打ち込むのに利用し。


 スキル発動――≪闘気Lv.1≫――。


 一/秒のMPを消費して身体能力の<微>向上。


 ちなみにオジさんは五秒間です。


 しかし二匹目の攻撃を躱して打つには十分の間。


 その時点で集中は切れる。


 最後の一匹は、まだ遠い。


 待っていたら闘気の効果も失われる。


 てな訳で――。


「ほいっと」


 ――腕の先、拳鍔を透して拳から放たれる直径六センチ程の球体が数メートル離れた魔物の体を打っ飛ばす。


 技スキル――≪闘気弾≫――。


 スキル闘気の効果や残り時間に比例した威力の遠隔攻撃。


 カッコ使用すると闘気の効果はその時点で無くなります。


 という感じで。


「やれやれ……」


 各スキルの再使用待機時間(クールタイム)が終わるまで、――何処かに隠れていよっと。


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