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翡翠の魂装者  作者: TAKA
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第三話『風船と天狗ー②』

男達の姿は人間のフォルムを残しつつも異形の姿に変化した。関西弁で喋る男は背中に翼、山伏の衣装に一本下駄、羽団扇、そして一番特徴的なのは顔につけられた鼻の長い赤色の仮面。その姿はまるでおとぎ話や伝承に出てくる妖怪天狗そのものでった。もう1人の男はマジシャンのような服装で両肩に細長い触手?のようなものが7本ずつ付いている。

 (やっぱ魂装ってのは魂気を使える奴には標準装備されてるみたいだな。魂装することによって人それぞれ固有の能力を使用できるようになる。俺はどうやったらできるようになるんだ?)

蒼哉が魂装について考えていると関西弁の男が喋り出す。

「そう言えば自己紹介がまだやったね。わしの名前は花高狗天(はなたか くてん)、よろしゅう。」

「俺はマギア・グローボ。よろしく、魅力的なお嬢さん。」

2人の自己紹介を無視して蒼哉は相手の能力を予想し始める。

(まずあいつら以外に敵がいないと仮定して考えよう、そうじゃないと話が進まん。まず俺達を襲ったあの犬、あれは恐らくあっちのマジシャン野郎だろう。関西弁の方は見た目からして天狗に関する能力だろうからその時点で絞られる。天狗と言えば飛行能力、風起こしがメイン能力になってくるはず、どうにか距離を詰められれば勝機はある。マジシャンの方は戦いながら把握するしかないな。)

ひとしきり考察を終えると蒼哉は茜に避難するように指示をする。

 「は?お兄1人残して逃げれるわけないじゃん!私も戦う。」

「馬鹿言ってんじゃねえよ。これはただの喧嘩じゃないんだよ、相手は普通の人間じゃないし殺す気で来てる。お前を守り切れる自信がない。」

「お兄…。分かった、無理せずにいざとなったら逃げてよね!」

「分かってるからさっさと行け。」

「そんな堂々と逃げるなんて聞いてみすみす逃がすと思ってるのかい?」

そう言いながらマギアが手をたたくと中学校の周りの森から4匹4の犬達が蒼哉達に襲い掛かる。

「走れ、止まるな!」

蒼哉は襲い掛かる犬に向かって魂気を纏って殴り飛ばそうとする。犬は拳が当たった瞬間に破裂する。蒼哉は瞬時に体全体を魂気で覆って衝撃波から身を守る。その隙に残りの3匹が茜に向かって走る。

(畜生!間に合わねぇ、どうする!)

犬達が茜を襲おうとするが茜は3匹全てを蹴り飛ばした。犬達は破裂するかと思われたが何も起きずそのまま吹っ飛んでいく。

(破裂しなかった!?てことはつまりあの犬の破裂する条件の1つは他者の魂気が触れること!)

蒼哉は吹っ飛んだ犬に対して魂気を付与した石をぶつける。石が当たった瞬間犬は破裂した。

「やっぱり魂気が原因だったか。ナイスだ!茜、そのまま走れ!」

茜が3人から距離を取ろうとする中狗天は茜を逃すまいと飛び立とうとする。しかし飛び立った瞬間距離を詰めていた蒼哉が足を掴む。

「なんちゅう移動速度!ほんまに人間か?」

蒼哉は掴んだ狗天を地面に叩きつけようとする。そうはさせまいとマギアはどこからか今度は先程の犬よりも大型の犬を1匹けしかける。蒼哉は犬を躱す為に手を放して犬と距離を取り先程と同じように石をぶつけて破裂させた。

 「おいおい反応速度速すぎるだろ、こいつ本当に魂装使えないのかよ。」

「ほんま可笑しいよな。まぁ使えないのなら使えないに越したことはないんやけどね。」

「おいお前ら、狙いは俺だろうがよ。茜に手ぇ出そうとすんなよ。」

蒼哉から全身を突き刺すような殺気が2人に放たれる。

 「怖いなぁそないな殺気飛ばさんといてよ。こっちも興奮してまうやん。」

狗天も同じように蒼哉に向かって殺気を飛ばす。互いに殺気を飛ばし動けなくなる中マギアが喋り出した。

「おいおい、お前さん達そんな殺気ぶつけ合ってないでさっさと殺ろうや。」

マギアは肩の触手のようなものをちぎると手で形を変え始める。そして手元にできたのは所謂バルーンアートの犬であった。

「さてさてここからが本番よ、風船魔術(バルーンマジック)(ドッグ)。」

バルーンアートの犬はみるみるうちに本物の犬へと姿を変えた。

「さて楽しませてくれよ、お兄ちゃん。」


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