表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/7

第1話

気が付くとそこはただ真っ白い空間であり、そこにいるのは俺と美形の少女だった。

その少女は言った


「あなたは死にました。」


と。典型的なパターンだ。これが異世界転生かと思う俺は一方で自分の死因がわからなかった。

俺は・・・なんだろう記憶の一部が破損している気がする。


「普通人間が死ぬと輪廻のサイクルに送られますが何かの手違いであなたはそのサイクルに送られなかったみたいです。それに関しては我々一同深く謝罪致します。」


手違いで俺はここにいるのかそう思うとなんだか自分が不完全なものに思える。しかも違和感は消えない。


「あなたが抱えている違和感は、我々が意図的に記憶を消したものです。」


そうなのかだから感情の起伏がないのか。自分でそれは納得した。また、相手に自分の心を見透かせれているということも理解した。理解できないのは自分の死因だけだ。


「あなたの死因は自殺です。あなたはこれから別に世界へと転生します。その世界では記憶も戻るのでご自分で自殺した理由はわかると思いますよ。」


自分の死因がわかったところで・・・まぁってところはあるけど。


「あなたは手違いで次の世界に行きます。我々はあなたに次の世界での特典を差し上げておきます。どうぞ次の世界でも頑張って生きてください。」


いい人?神?だったな。そう思った瞬間急速に思考が消えていった。



・・・・・・・・・・・・

知らない天井だ。俺には2つの記憶が頭を駆け巡った。よくわからない。

俺は高校でいじめられていた。それ以外は普通の高校生だった。いつからかいじめられていたが何もなかったと思おう、体が思い出すことを拒否していた。

そして、美形の少女との会話。俺は記憶の整理がついた。そして、今の自分の状態を思い出した。

俺の手は白く柔らかくプニプニしている。そして、急速に眠気が襲ってきた。そのことから、自分が赤ん坊であることに気付いた。


~◇◇~(視点変化)??

「ちっ、なんで子供なんて産んだんだよ。」

「自分で考えなさいよ。世間体って言葉知らないの?堕胎させたら面倒でしょ。しかも孕ませたのはあんたでしょうが。」


醜く言い争っている男と女がいる。彼らは有名な宗教のシスターと有名な冒険者である。彼らはお互いに愛し合っていたが関係性ははっきり言えるものではない。


「うるせぇ!お前と会ってるのがばれると面倒なんだよ。お前の信者が押しかけてきたりよ。」

「あんたは冒険者なんだからいいでしょうが。」

言い争いはどんどんヒートアップしていく。彼らは人間の中でも汚物のほうだろう。


「まぁそれはいいとしてよあれどうすんだよ?」

「あれ?ああ、赤ん坊ねそこら辺に捨てればいいでしょ。そうバレることはないわよ」

「そうか。じゃあな」

「フンッ。後始末はあんたに任せるわよ」

彼らはその場から去っていった。彼らが産んだと思わしき赤ん坊を抱きながら・・・。



・・・・・・・・・

母親や父親はどこにいったんだろう。目が覚めるとそう思った。大体のラノベだったら母親の授乳イベントが起きるんだが。そういえばさっきの場所から移動している。また知らない天井だ、である。

どういうことだろう。それを嫌でも知ることになるのはもうすぐのことである。




しばらく時間が経った。やはり誰も来ない。冷たい風が強く吹き付けてくる中俺は薄々感づいていた。こんな細い路上に赤ん坊を置いているということはつまり・・・俺は捨てられてしまったということだ、と。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ