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〜Runner〜  作者: 黒茶
6/20

支部大会へ

 午前6時。目覚ましが鳴る前に名波は起きる。レース開始時刻を考えるとこのぐらいの時間には起きて、頭を覚醒させておきたいからだ。

 顔を洗い、歯を磨き、着替えて散歩、ジョギングに行く。いよいよ支部大会1日目だ。はやる気持ちを抑えきれず、ジョギングに移行するのが少し早い。

 

 軽めのジョギングを終えて家に帰り、朝食を取る。糖質中心の消化の良いおにぎりを食べ、レースに備える。

 男子100メートル走予選は10時30分から。出場するのは甲斐部長、名波、翔。勝ち残れば準決勝、決勝と進んでいく。

 さらに1日目には4×100メートルリレーがある。初日から出場種目が多く、コンディション維持が大変だ。

 自身を最優先にしながらも、1日目に自分より早く競技が始まる健吾のレースも出来れば見たい。モチベーションにもなるし、やっぱり応援したい気持ちが強い。


 忘れ物はなし。

「よしっ!」

 つい声が出てしまった。玄関で靴を履いていると、


 「いってらっしゃい。頑張ってね。」


 母親から激励をもらい家を出る。部活の集合場所に出かけていく。その前に3人と待ち合わせだが。


 「おはよー。」

健吾が一番乗りか。


 「おはよー。忘れ物ないか?」

うん、健吾だ。


 「大丈夫、ないよ。昨日はよく寝れた?」

バッグを地面に置きながら答える。


 「気がついたら寝てたって感じだから、多分よく寝れたんだと思うよ。友は?」


 「うん、よく寝れた。身体も程よく軽いよ。」


 「おはよー、私3着か。」

美桜が到着。


 「おはよー。忘れ物ないか?」

流石健吾。


 「ないよ。そういう健吾は大丈夫?」


 「大丈夫!ちゃんと確認した。」


 「なら良かった。おはよー、友。友も忘れ物ない?」


 「おはよ、大丈夫。忘れ物なし。美桜は昨日よく寝れた?」


 「うん、よく寝れたと思う。寝覚めも良かったし。」


 「おはよー、御三方。」

手を振りながら愛衣の到着。


 「ごめんね、待たせちゃった?」


 「おはよー。大丈夫、まだ待ち合わせの時間まで3分ある。ところで忘れ物大丈夫?」


もはやご立派だよ、健吾。


 「大丈夫だよ、健吾は大丈夫?」


 「大丈夫!ちゃんと確認した。」


うん、さっきも聞いたな、その台詞。


 「じゃあ大丈夫だ。おはよー、美桜、友。」


 「おはよー、愛衣。珍しいね、愛衣が最後って。」

美桜の言う通りだ。大体は健吾が最後だから。


 「本当だね、なんか新鮮。」


 「おはよ、愛衣。昨日はよく寝れた?」


 「うん!ぐっすり!気持ちよく眠れたよ。」


 「さて、4人揃ったし、時間だし、行こうか。」

健吾の言葉に美桜と愛衣が


 「うん。行こっ。」


 「しゅっぱーつ!」


名波もバッグを持って


 「行こっか。」


4人揃って部活の集合場所へと出掛けていく。


 部活の集合場所へつくと大半の3年の先輩達と1、2年生がちらほら。顧問の大里(おおさと)先生もいる。

「おはようございます。」先生、先輩達に挨拶。

「おはよう。愛衣、美桜、友、健吾が到着、と。」

副部長の中村 心先輩が出席を取っている。


 隣では部長の甲斐先輩が、スマホをいじっている。多分連絡をとっているんだろう。

名波はバッグを置いて周りを見渡す。集合時間にはまだ余裕があるが、来てない部員も10人くらいいるか。


 自分たちもそうだが、他校の陸上部もかなりいる。この中から支部大会を突破して都大会へと進めるのはほんの一握り。この支部では強豪の部類に入るが、油断はできない。


 なんとなく辺りを見渡してると


 「おっす!友。調子どうよ。」翔が声をかけて来た。


 「おはよー、翔。多分悪くないよ。」


 「良かった良かった。俺はベストの友に勝ちたいからな。」


 ライバル心を持ってもらえて光栄だ。同学年にライバルがいると燃えてくるものがある。


 「そう簡単には勝たせないよ。俺もそれなりに伸びているからね。まぁ大会は俺だけが出るわけじゃないし、周りにいる他校の陸部が勝たなきゃいけない対戦相手だ。」


 「そりゃそうだ。勝ち上がって強いやつとガチバトルだ。強いやつよりより強く、速いやつよりより速く。陸上やってて本当にそう思うよ。」


 「翔とは同学年だからな。最後の最後まで勝負になると思うんだ。だからこそ、一個上も一個下もいる今年はすごく刺激になると思う。今までやって来たこと全て出して勝ちにくる3年も、いきなり全国まで駆け上がる1年もいる。俺達はそれに勝とうとしてるんだから。」


 「そうだよな。先輩はもちろん後輩だって凄いのはとことん凄いしな。来年があるからなんて一瞬でも考えちゃいけない。自分で成長を自覚できるようになってそう思うようになったんだ。」


 (翔の成長は何もタイムだけじゃないんだ。精神的にも凄い成長しているんじゃないのかな。)


 そんな事を考えながら翔と話してたら集合がかかった。時間みたいだ。



 「それじゃあ皆揃ったし、集合時間にもなった。自分の出る種目の開始になる時間を間違えずに忘れずに。荷物もしっかり管理するように。スパイク見つからないとかならないように。あとはベストを尽くすだけだ。皆んなの健闘を祈る。」

 部長の挨拶が終わり、いよいよ支部大会だ。天気は予報通り晴れ。絶好のレース日和だ。

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