02話
ゆるーい前回のあらすじ!
ワイ、山田たけし。20歳!
家族は母親と父親とワイと弟の4人構成や。
え?一人称と喋り方が変って?
『3ちゃん』が日課なもんで脳内にこびりついてる喋り方なんや。許してクレメンス。
あとは現実離れな出来事が沢山起こって、思わず素の喋り方が出てしまうって言うか…
まあこの喋り方で人と喋ったことないんやけどな…。
ワイ、朝から夜にかけてずーっと毎日、家族のために働いてたんやけど、昨日の夜は珍しくオフやってん。
せやから家帰ったんや。
そしたらマッマのショッキングな言葉を聞いてしもてん。
ワイ、働いた分はぜーんぶ父親のタバコ代とお酒代に飛んでくし。
挙句母さんには愛されてなかった所かいらない人間扱いされたし。弟は父親側やし…
そんな環境が嫌で、ふと飛び降りてしまったんや。
そしたら何故かワイが創作した世界にいて…?
てことで第2話始まるで~!見てくれるって!?!?
サンガツ!!!!
◆◆◆
「「ほのぼのわーるどへようこそ!ぬし!」」
夢か…?
目の前にはピンク、黄色、青、紫とやけに奇抜な髪色をした4人が俺を囲んでいた。
この髪色…俺が創作したキャラクター達…?
その状況を飲み込めず、上へ視線を逃がす。
綺麗な青空があった。
時刻は昼らしい、周りを見渡せば森に囲まれていて、色彩豊かな花が点々と咲いていて……
「ちょっとぬし~!聞いてる~?」
ツインテールをあざとくなびかせて、ピンク色が覗き込む。
か、可愛い………。
「き、聞いてるが…」
「良かった~!意識しっかりしてるね~!」
「うち達の事分かる!?」
小さい俺の声に被せて、
ピンク色と黄色が続けて言葉を掛けてくる。
分からない…訳がない。
なんたって、俺が考え、俺が生み出した大好きなキャラクター達なのだから。
だが…俺はまだこの状況を理解しきれていない。
だから、今目の前にいる4人の事も確証が持てずにいた。
不安からだろうか、はたまた皆と喋っている緊張からだろうか。
乾いた口は、震えながらでしか発声出来なかった。
「お、覚えてるよそりゃ」
「お?じゃあテスト。言ってみ」
紫色がスマホからぱっと顔を上げ、
試すような眼差しを俺に向けてくる。
俺は一人一人の顔を見ながら、愛おしいその名前を口にしていく。
「桜乃苺恋ちゃん、
柏崎優ちゃん、柴咲愛蝶羽、葵井朱良くん……やんな」
「おいなんで私だけ呼び捨てなんだよ。」
「えまあ、なんとなく…」
「なんだそれ。」
「良かった。心配してたんだよ?」
青髪ショタのしゅら。上目遣いでうるうると心配そうにこちらを見ている…と言っても、片目は隠れているのだが。
「まーまー!こんなとこで話すのもなんだし、家連れてこー!」
「そうだねっ!ほら主!いこ!」
ゆうといちごがきゃいきゃいとワイの手を引っ張り背中を押してくる。
……………ん?
なんやこの視界に映る白い手…
な、なんやこの白い足!?!?
____おい白まんじゅう!!!
え、何、まさか、白まんじゅうって俺の事…??
「じゃじゃーん!ほのぼの家でーす!」
片手を大きく広げて、紹介するいちご。
歩いて1分ほど、そこには森に囲まれた3階建ての大きな一軒家。赤い屋根には煙突があって、屋根裏らしきものがついている。
形まで俺が考えたものそっくりだ。
いや、そっくりというか…ほのぼの家そのままだ。
紹介してる苺恋の横をすり抜けて、率先して扉を開けたゆう、ただいまー!と元気な声を出せば靴を乱暴に脱ぎ捨てて部屋に入っていく。
ちょっとまってよ~!と言いながら女の子らしくちゃんと脱いだ靴を揃える苺恋と
その様子をやれやれと言わんばかりに見ながら
ゆっくり自分たちのペースで入っていくしゅらとあげは。
俺は呆然と突っ立っていた。
それに勘づいたのか、あげはがこっちを振り返る。
「おい主、いつまでボーッとしてんだ行くぞ。」
その声と存在にハッとして、靴を……あ靴ないんか、
え、これ大丈夫?ワイ足汚くない?
「別に汚くねえから、早く入れ。」
「おまいはエスパーか!?!?」
「あ思ってたんだ。」
あかんあかん、あまりの出来事に3ちゃんねらーが出てまう。
…まあそりゃあ、ラインするような友達もいなかったし、ニュースも『3ちゃん』で見てたし、日課はスレ立てやったから、ワイの本来の喋り方っていうか、日常的に頭に焼き付いてる話し方というか…
などとどうでもいい事を思いながら、
もう先いくぞ。早く来いよーと言ったあげはの背中を見送る。
ふと隣に大きめな姿鏡があって、俺はそれを見てみた。
白い……着ぐるみみたいな全身に短い手足、
なんやこの顔……しょぼん……?
試しに口を開閉してみる。あ、ちゃんと開くんや。
歯は……あるな……。
それにこの体、裸なんか?穴らしきものは見つからへんけど排泄とかできるんやろうか。
というかこういうのって普通イケメンになって転生するもんでは?なんやこれ、イケメンの「イ」の字もなければ人間ですらないんやが……。
鏡の前で真剣にケツを向けたり、口をパクパクさせたり
傍から見れば変人まがいな事をしていると、ぬーしー!と呼ぶいちご達の声が聞こえてきて
いい加減行かなければと思い、俺は鏡を後にした。
閲覧頂き有難う御座います。
創作キャラ作ったら、1度はこの世界に行きたいって思うこと…ありません?