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01話

Twitter→@tensou4001


今後の予定…キャラ紹介(イラスト付)・四コマ・動画宣伝、制作裏話等

※家庭暴力など過激な描写が御座います※

※難しい方は2話のあらすじからどうぞ※


______固い。



ひんやりとした感触が頬に触れている。

これは……床……?

確か俺は布団で寝ていた筈なのだが。


寝相で出てしまったのかとまだ冴えない脳でぼんやりと考え、重いまぶたを開ける。





重たかった瞼が途端に軽くパチリと空く。



『………え』




目の前に広がっていたのは白い、世界。


1面見渡す。真っ白。

何度瞬きしようが変わることは無かった。

どこからが始まりでどこが終わりか、それすらも分からないくらいだだっ広い。


そもそもこういうのって別の世界に繋がってる扉とかがあるんじゃないのか?

そう期待を抱き、もう一度注意深く見渡してみるが扉どころか物すら何も無い。


空いた口が塞がらず、呆然ぼうぜんとその場に座って固まっていると




_____あははっ!




ふと複数の笑い声が聞こえた。


俺は咄嗟とっさに声のした方へと目を向ける。


そこにいたのは……なんだろう……

ピンクに黄色に紫、青や赤、灰色まで、

色鮮やかな……人……?


___いや……この人達どこかで……。




俺はなんとなくその子達に触れたくて、

手を伸ばす。






俺が手を伸ばしていたのはいつもの天井だった。


チュンチュン、と雀の囀り(スズメのさえずり)が聞こえてきて

俺の伸ばした腕は明け方の窓の光に照らされていた。


「………夢?」


だろうか。やたらとリアルなあの感覚にまだ余韻が抜けず、伸ばしたままの腕と、天井をぼうっと見つめてしまう。


何分…もそうしていた感覚だったが、ほんの数秒だろう。ピピピといつものけたたましいアラームがなり、バッと起き上がってそれを止める。



時刻は4時。

そろそろ新聞配達の時間だ。


鉛のように重い体をよいしょ、と無理やり起こし

白いジャージを羽織る。

新聞配達は特に服が決まってなくて助かる。




スマホ、家の鍵、財布を持ったことを確認して部屋の障子を開ける。

家族を起こさないように、なるべく静かに。




いってきます。ポツリと呟く

まあみんな寝ているから返事が帰ってくるわけもないのだが。


ドアを開けるとまだ薄暗かった空はほんのり明るくなっていた。

さて、自転車に乗って……


「あれ?」


ガサガサとショルダーバッグの中身を漁る。

自転車の鍵忘れた?

もう一度漁ってみる。やはり無い。

面倒臭いけどどうせ皆寝てるし、取りに帰るか……。



ドアに鍵を差し込み、開ける。

静かにしたつもりだった……のだが。


「おい糞ガキ……お前朝っぱらからなぁ、アラームだのガチャガチャガチャガチャと五月蝿いんだよ」


親父だ。物凄い鬼の形相で俺を睨み、酒でガラガラになった声は殺気を帯びていて、いつもの何十倍も怖い。


「なぁなんか言ってみろやオイ、お前は石か?」

「ごめんなさ」

「あ?」


最悪だ。いつもこうだ、勝手に起きてきたくせに全部俺のせいにされる。

何か言われているが声が遠くて何も聞こえない。




瞬間、腹部に鈍い痛みが走り、後ろにはね飛ばされる。

蹴られた?


ふと親父の顔を見る、さっきまで1mくらい離れていたのに今は10cmくらい近い。

怖い。怖い、怖い、怖い


喋っている声が聞こえなくて、魚のように口をパクパクとしていると親父は俺の襟を掴んで外に放り投げた。


「死ねクソガキが!!!!!!!!!!」


心に穴が空いた感覚がした。

実親に言われるしねってこんなに重いのか、とどこか冷静に分析している自分がいた。


「あ……鍵……」


もういいや、今更戻りずらいし歩いていこう……。



◆◆◆



「まーた遅刻?」

「すいません。」


これで何度目よ~と呆れ気味に吐く店長を背に、新聞を着々と準備する。

今日は歩きか……。


「ちょっとチャリは!?!?」

「あ、歩いて行きます。」

「は!?!?」


間に合わないわよ!?と後ろで叫んでいる声が聞こえるがもうなんかどうでもいい。

重たいような軽いような足をそれなりのペースで運んでいく。


いつもの日課、だけどどこか非日常感がある。


車が真正面から走ってくる。

今なら車に轢かれても……

ブンブンと頭を振る、いやいや、まだ早いだろ、俺。

……やりたい事があるんや。まだ死なれへん。


あっという間に車は過ぎ去って行った。





「はい、今日もお疲れ様でした」


ありがとうね~と笑ってない笑顔を向けられる。

パッと笑顔は消え、引き出しから封筒を取り出した。


「はいこれお給料日、ちゃんと渡したからね。それじゃあね」


机にバンと置かれたのは給料だった。

今月は……9万ちょっとか、多分タバコ代とお酒に消えてくんだろうな。


ふと事務所の時計を見ると時刻は7時を回っていた。

いつもなら6時には終わってゆっくり出来るんだけど、

まあ歩きだったし仕方ないか……。

次のバイトの前に何か入れておこうかと思ったが、不思議とお腹が空かない。


日課の『3ちゃん』も見る気になれなくて、俺はそのまま向かうことにした。




朝は新聞配達、昼から夕方はコンビニ、夜は久しぶりにオフだった。

コンビニバイトが終わり、お疲れ様ですとペコリと頭を下げてノブを回す。



家……帰りずらいけど、帰るしかないよな。

なんか喜ぶもん買ってくか、お酒とタバコと……つまみとかあればいいか……

母さんには何を買ってこう、弟と一緒にスイーツでも買ってこうかな。


従業員割引で皆の好きそうなものを買い、帰る。

喜んでくれるといいな。





「ただいま。」


いつも通り返事がない。

それも日常なもんで、慣れたが。


リビングには明かりが着いていた。

2人ともまだ起きているのだろう、俺はそのドアから顔を覗かせた。


「父さん、母さん、色々買ってきたよ」



「たけしなんて、産むんじゃなかった!!!!」





_______________時が止まったような感覚がした。



母さんのその声が、言葉が、重く俺に伸し掛る。





「そうだよなぁ。弟とはえらい違いだよなあ?」

「……ええ、たけしは出来損ないです。あたしの教育が全て悪いです。」


愉悦そうに笑う父親が目の前に映る。


俺は……出来損ない……。

産むんじゃなかったという母親の言葉がずっと頭をリピートする。


全身の力が抜けて、ビニール袋を落とした。


缶が沢山入っていたからかなりの音がしたのだろう。

リビングから男が出てくる、



俺はそれを突き飛ばした。



奥にいる母親がよく分からない顔をしている。




靴なんか履かずに、急いで外に飛び出す。

足が痛いとか、冷たいとかの感覚はもう感じなかった。











気付いたら俺は、近くのマンションに来ていた。

街のネオンが目の雫に紛れてキラキラと輝いている。

今まで見た中で1番綺麗で、穏やかな気がした。




ここから飛んだら、どうなるんだろう。



音に気付いた誰かが見つけて、

意外と早く警察とか……救急車とか来るけど、それでも助からなくて、テレビになったりして……。



そしたらあいつら、インタビューとかされるのかな。






ああもう、



どうでもいいや。









俺は、柵を乗り越えて







飛び降りた。













______________________たけし。


眩しい光が暖かい。

母さんの優しい声が聞こえてくる。



『僕ね、しょーらい、おかーさんと、ともだちと、せんせーのえほんかくの!それでね、それで、みんなにみせるんだ!』


素敵な夢じゃない。お母さんに絶対見せてね。


『うん!!』


ああ、あったかいな。この頃が1番幸せだった。


「たけし、……お父さんね、帰ってきたよ。」

『え?』

「たけしか、ごめんなあ。お父さん忙しくて……お前に会えて嬉しいよ。」

『おとう……さん?』

「そうよ、これからは3人で暮らしましょう。」

「よろしくな、たけし。」

『……うんっ!!!!』


____________________________父さん。


『お父さんお母さんに酷いことしちゃダメだよ!!!』

「あ?てめーは黙ってろ」

「たけし、お母さんは大丈夫だから…!」

「おめえも助け求めてんじゃねえよクソが」

「いッ…た、ごめんなさい…ッッッ」

『………。』


____________________

_________


「お前は父さんに似て可愛いなあ」

「えへへ」

「なあ、お前もそう思うよな?」

「……ええ。」

「たけしより、可愛いよなあ?」

「……そうね」

「あーーおいガキ、酒買ってこいや。」

『えでも僕、未成年……』

「は?んな事いいだろどうにかして買ってこいや。それとも出来ねえのか?」

「パパ、だめだよお兄ちゃんあんまいじめちゃ。できそこないなんだから」

「ハハハ!!そうだなあ!!!」

『……いってきます』


_______________________

_______________

________


これが走馬灯ってやつか……?



そうだ、俺結局……あの子達を世界に発信する事出来なかったな。



ごめん。と後悔の言葉を吐いた。





叶うなら、あの子たちに会いたい……。

神様………。






_______し、ぬし……!




ん……?





_____ぬし!!!!





可愛らしい女の子の声が聞こえる。


誰だ……?幼稚園の友達……?いやもう少し声が大人びてるような……




_____おい白まんじゅう!!!!!




はぁ?白まんじゅうって何だ……?





「もー!!!!はやく起きてよ!!!!!」



ブンブンと体を揺さぶられる。

待て待て、俺は今飛び降りたばっかで身体が痛いから……。って……痛くない……?



「もう無理やり開けるよ!!!あっ、やべ白目になっちゃった。」


「なんやもう!?!?!?!?!?」


「あー!!!起きた!!!!ねえ私たちが誰かわかる!?!?!?」




目の前にはピンクの猫耳女の子と、

黄色いロングヘアーの女の子と、

青髪で片目を隠した男の子、

そして紫色のサイドポニーテールをしてる色白の女の子………




ん………?





「ドゥエ!?!?!?!?!?!?」



「あはっドゥエってなに~!」

お腹を抱えながら黄色がクスクスと笑っている。


「おいあんま突っ込んでやるな。ネットやってるやつなんてそういうもんだろ。特に3ちゃん」

紫色が鋭くツッコミをかます。


「むぐ……。それよりいちごおねーたんっ、言うことあるんじゃなかったっけ?」

コッペパンをもぐもぐ食べながら、ピンク色の顔を見てはこてん。と可愛らしく首を傾ける青色。




「あ!そうだね!じゃあ改めまして……」







「「ほのぼのわーるどへ、ようこそ!主!」」


「…………アエ?」

閲覧頂きまして誠に有難う御座います。


初投稿で何もわからんンゴ~!!!!至らない点も多々あるかもしれませんが、全力で面白いって思える作品を作っていきたいので、どうぞ宜しくお願いします…!

キャラも沢山いるのですが、Twitterの方にキャラ紹介のメディアを張りましたので、ストーリーと一緒にご確認頂けると、より世界観が知れて楽しいと思います!

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