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1章:始まりの場所

アーク

「外に出ましたね」

オズマ

「ああ」

ハーティー

「星黄洞窟はこのまま南に行けばある。

間違って西の城下町にはいくなよ。

遊びじゃないからな」

トルク

「はい!」

アティナ

「では行きましょう~!」

エリー

「アリスちゃん、お菓子どれ食べたい?」

アリス

「……クッキーがいい」

エリー

「はい、どーぞ」

アリス

「モグモグ……美味しい」

エリー

「(や~ん、超可愛い~!)」




ハーティー

「ここが星黄洞窟だ」

エリー

「きちんと手入れされてて、綺麗な場所ですよねぇ」

オズマ

「ああ。そんな場所に盗賊が住み着いているとは、

ある意味納得がいくことではあるが」

アーク

「なんで星黄(せいおう)洞窟、 なんて言うんでしたっけ?」

オズマ

「鉱物の発掘場所として有名な所だ。

都会の近くにある小さな洞窟のくせして、

資源が豊富だから古くから大事にされててな」

オズマ

「昔は硫黄や金とかもとれていた。

そして掘って偶然空いた穴から綺麗な星空が見えたことから、

星黄洞窟と呼ばれるようになったんだ。わかりやすいだろ?」

アーク

「ああ、そうでしたそうでした。

本当にわかりやすいですよね」

エリー

「そんな歴史ある洞窟が、

今は鉄しか取れないなんて……悲しい事ね」

オズマ

「貴重な資源のくせに、

硫黄も金も量自体は少なかったからな。

鉄だらけでも嬉しかったのさ」

ハーティー

「何事にも理由があって成り立っている。

だから日々勉強して精進し、

世界の視野を広げなければならないんだ」

エリー

「ホントそうよ。

なんでこんなことアークは忘れていたのかしら」

アーク

「前に習ったことぐらい俺だって覚えてるわ!

久々に来たから思い出すのに時間が掛かっただけだ!」

ハーティー

「2人とも、その辺にしろ。

鉄を5個採取と盗賊退治。

きちんと両立させるぞ」

エリー

「はい!」

アーク

「もちろんです!」

ハーティー

「よし、では進もう」

カズキ

「(しかし気になるな……。

盗賊はいつからここに住み着いていたんだ?)」



ハーティー

「よし。鉄は集まったな」

アティナ

「後は盗賊だけですね……」

オズマ

「ああ。一部布やテーブルらしき物が

置かれたエリアがあった。

ここで生活していたのは間違いないだろう」

エリー

「この洞窟を抜けると静寂の森に出ます。

森を抜けて街道を少し歩けばマジュニアなんですよね」

ハーティー

「ああ。だがここにいるらしい盗賊は

どこ出身なのかは現段階ではわからない。

追い払うのだけでもしなければ」

アーク

「さすがに苦戦する、

なんてのは考えたくないですねぇ」

オズマ

「ふっ、まさに日々の鍛錬が問われるわけか。

負ける理由がないな」

アーク

「ですね」

ハーティー

「ここからは緊張感をもっていこう。

出会ったらすぐ交戦だからな」

トルク

「はい!」

アリス

「……」




盗賊(ザック達)を発見して様子をうかがうシーン。ザック達が気づいて戦闘になる。


手下1

いやぁ、ほんとラッキーですよねぇ。

こんな金のなる洞窟が出入り自由なんですから。

手下2

ホントホント、城にいる奴らはなにしてるんだ?

まぁ俺らも結構遠いところまで来て、

ようやくうまみを得てるんだけどな。

運んで売っての繰り返しだから、結構労力掛かってるし。

手下1

それなー。

手下2

まぁ、ここももうすぐ離れるつもりだし、もう少し我慢だな。

俺達にはお金が必要なんだから。

手下1

ああ、わかってる。

手下2

しかしザックのお頭、よくこんな所発見しましたよね。

どこから仕入れてきたんです、こんな情報。

ザック

「アジト周辺じゃあ限界があるからな。

聞き込み調査をして、なんとか見つけたわけよ」

ザック

「盗賊だから下手に動くと見つかる可能性があるが、

わがまま言ってる場合じゃねえからな。

エストリアまで来たんだからこれぐらい我慢しねぇと」

手下2

さすがっス、お頭!

手下1

おかげで数か月分は金の心配しなくて済みそうですもんね!

ザック

「皆を養うためにはあれぐらい必要だからな……」

手下2

一時期本当に餓死で死にそうでしたからね。

やっぱ定期的に魔物狩って肉食べる必要がありますって。

ザック

「アジトにはたまにしか戻らないって決めたんだ。

今後はそういう生活が続く。

満足する食事ぐらいできるだろうさ」

手下1

ヒャッホーウ!

この鉄で得た金で腹いっぱい食べるぞー!

手下2

おーう!

ザック

「(本当に幸運だった。

誰にも見つからないまま数週間もここで過ごせるとは)」

ザック

「(そろそろここを離れないとな。

って――)」

ザック

「――お前ら誰だ!」

エリー

「やぁ~っと気づいたの?

ずいぶん遅かったじゃない」

ハーティー

「話は聞かせてもらった。

お前らが鉄を好き勝手に掘っている盗賊だな」

手下1

てめぇら誰だ!

どこ出身の奴らだ!

手下2

お、お頭、あの紋章、こいつらエストリア学園の者ですよ!

ザック

「学園の?」

オズマ

「……」

ザック

「っち、ついに見つかっちまったか」

ザック

「学園の生徒が俺に何の用だよ?

依頼で退治しに来たってか?」

ハーティー

「その通りだ」

ザック

「……引き下がると思うのか?」

ハーティー

「思わないな。だからこうして武器を構えている」

ザック

「ほう……俺達ブラックヘルとやりあうってのか?

面白れぇ!」

ザック

「おいお前ら!

わかってるな!

人数少なくてもやれるだろ?」

手下1

もちろんです!

手下2

やってやりますよ!

ザック

「覚悟しろよ?

俺達に挑んできたこと、後悔させてやる」

ハーティー

「それはこっちのセリフだ。

大人しく捕まってもらおうか」

ザック

「捕まえられるのならな!」

ザック

「いくぜ!」

ハーティー

「はぁっ!」




ザック

「ぐはぁ!」

手下1

お、お頭!

ハーティー

「さぁ、お縄についてもらおうか」

ザック

「へ、へへ……わかってないな」

ハーティー

「なに?」

ザック

「俺達は盗賊だ。

そんなことに黙って従うわけねえだろ」

ザック

「そして、一度ボコボコにやられたからって、

すぐに動けなくなるほどやわな体もしてねぇ!」

ザック

「おりゃあ!」

ハーティー

「くっ!」

ザック

「へへーんだ!

捕まえられるのなら捕まえてみやがれ!」

エリー

「あっ!」

エリー

「ま、待ちなさい!」

ハーティー

「ダメだ……風の魔法を使って足を速くしている。

私達が使ってもたどり着かないだろう」

オズマ

「カズキ、どの方角に行ったか分かるか?」

カズキ

「東のオリヘリアスの方向ですね。

俺達が来た道を通った時点で、

彼らがアリエス王国出身の人間であることは間違いないでしょう」

オズマ

「(やはりか……。

そのもっと東に俺の故郷があるからな。

国境に近い場所だから色々問題とか多かった)」

ハーティー

「くっ、こんな原始的な方法にやられるとは」

ハーティー

「しかし、捉えることはできなかったが、

無事に追い出すことはできた。シフォンに報告しよう」

アティナ

「あの人達は私達が来なくても、

もうすぐここを離れるみたいでしたけどね」

ハーティー

「それが今回のキーポイントだな。

どこの出身の者か調べる必要がある」

エリー

「どのくらい掘られたかも、ね。

まぁこれは調査団がすぐに調べるでしょうけど」

トルク

「はぁ~っ。

き、緊張したぁ……」

アーク

「お疲れ。まあまあ良かったじゃん」

トルク

「あ、ありがとうございます」

カズキ

「とりあえず帰りましょうか。

依頼自体は達成したんですし」

オズマ

「そうだな」

オズマ

「(聞き出すことはできなかったか……。

ザックにブラックヘル……しっかり覚えておかなければ)」

ハーティー

「この盗賊の件は悔しいが、報告して情報待ちだ。

また来週から別の依頼を受けるからな、

皆鍛錬しておくように」

アリス

「はい」

エリー

「はーい」

ハーティー

「うむ、では帰るか」

オズマ

「(ザックはたまにしか帰らないと言っていたが、

なんだかまた会う気がするな)」

オズマ

「(ふっ、その時を楽しみにしておくか)」

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