1章:始まりの場所
ハーティー「あ」
レイン「あ」
レイン「ハーティー!」
フィン「皆さんおはようございます!今日は早いんですね」
オズマ「まあな。色々時間かかるだろうし」
フィン「へぇ~」
フィン「あ、そちらがあなた達の後輩さん?」
オズマ「ああ。トルクとアリスだ。仲良くしてやってくれ」
フィン「ええ、こちらこそ」
フィン「アリスちゃん、今度はうちの後輩を見せてあげるわね」
アリス「は、はい……」
トルク「あの、カズキさん。この人たち誰なんですか?」
カズキ「この人はレイン。レイン・ボルヘリオス。ハーティー先輩達と同じ3年生」
カズキ「レイン先輩がうちのハーティー先輩と同じ騎士団所属希望の進路っていう理由で、
一方的にライバル視されてるんだよ」
トルク「へ、へぇ……なんだか大変そうですね」
エリー「そうでもないわよ。2年もこんな感じだもの。流石にもう慣れたわ」
レイン「ハーティー!今日という今日はお前を超える!オズマ、お前もな!」
オズマ「成績はほぼ同じなのにこんなに対抗意識を燃やすとは……。全く、お前は相変わらずだな」
ハーティー「訓練相手ならいつでも誰でも大歓迎だぞ。相手がいなくて退屈しているからな」トルク「それで……レイン先輩の隣にいる彼女は?」
カズキ「彼女はフィン・ラドネール。俺達と同じ2年生」
カズキ「まぁ、見ての通り毎回うちの先輩に絡んでくるレイン先輩をなだめるサブリーダーとして、いつも隣にいるのさ。全く、ご苦労なことだよ」
トルク「そ、そうなんですか……。彼女もまた大変そうですね……」
オズマ「まぁ話は聞いてやるからさ、とりあえず1階に降りよう。お前たちもいつものようにミーティングだろ?」
レイン「はっ、そうだった!こんなことをしている場合じゃない!訓練室を使うために予約をしなければいけないんだった!」
レイン「フィン、行くぞ!」
フィン「はいはい」
クミカ「エリー、アティナ。またね」
エリー「うん、クミカもね」
アティナ「はい、授業でまた会いましょう!」
トルク「それで……最後に彼女は?」
カズキ「彼女も何となく見てわかるだろ。アティナとエリーの友達さ」
トルク「そうですか……」
アーク「うちら8人グループは1年が2人、2年が4人、3年が2人で構成されている」
アーク「3年の負担が少し強い代わりに、1年の後輩は2年が見て、3年は全体の統率に集中するというのが基本的な活動パターンだ」
アーク「すごく典型的な例が見れたろ?」
トルク「は、はい……。十分伝わりました……」
アーク「よっしゃ、それじゃあ俺達も1階に行こうぜ!」
ハーティー「ああ、学園まで行けば後はバラバラだからな。行く前に必ず荷物と報告チェックだ」
エリー
「寮母のリウルさんに挨拶してから行きましょう」
ハーティー
「ああ、そうしよう」
リウル
「あら皆さん。おはよう」
エリー
「おはようございまーす!
リウルさん、相変わらずお綺麗ですね」
アーク
「ああ、本当に良かった。寮母さんはこんな素敵な人で」
アーク
「学校生活で辛かった時、
どこにいけば良いのか悩まずに済むからな」
トルク
「そんなにキツいんですか?」
カズキ
「ああ。去年はファイアーボールを覚えるまで、
終始笑われてばかりいたからな……」
オズマ
「心配するなトルク。お前は魔法が放てる。
いたって普通の学生だ。この二人が異常なだけだ」
トルク
「そ、そうですか……」
ハーティー
「というわけだから、早ければ5月からでも
依頼を受けに外にでると思う。その間の連絡事項はよろしく頼む」
リウル
「ええ、わかりましたわ」
アティナ
「それじゃあ行ってきます!」
リウル
「行ってらっしゃい」
アリス
「……」
リウル
「ふふっ……」
アリス
「……!」
アリス
「……(コク)」