禁忌魔法と学園都市
はじめに
自分が作ったゲームのシナリオを、小説形式で投稿宣伝する物です。良かったら読んでみてください。
また、自分は今3作目にあたる約束のリアライズを制作中であり、このゲームはまだシナリオ化していません。エストリアは終わっているので、内容を補足しながら投稿できるのでやる事にしました。
この行為は完全に宣伝目的であり、どういう効果があるのか見定めながらやっております。
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???「……もう、いいかな?」
???「はぁ……」
???「……」
???「久々に、外に出てみるか」
???「……この時代は、どうなっているかな……」
???「あたしもいい加減、洞窟にこもるのをやめないとなぁ。
いくら体質的にばれたらまずいからって、引きこもる必要はないよね……」
マフーライ。町長の家にて。
カズキ「いい加減にしろよ!いつまで古臭いことをやってるんだ!」
ユキヒト・カンダ「……俺が町長なんだ、俺がどのように町を動かしたっていいだろうが!」
カズキ「学校ぐらい作っても別にいいだろ!なにがそんなに不満なんだよ!」
カズキの父親シンジ「カズキ……」
カズキの母親カヨコ「……」
カズキの様子を見た両親は息子と町長の喧嘩の様子を黙って見つめる。
ユキヒト・カンダ「多少魔法を覚えているなら話は別だがな、カズキ、お前も俺達と同じで魔法はまだ一つも使えないだろう!いくら親戚でマフーライ人だからって、まだ未成年なのに役所の仕事に介入するなど、許されないことだ!いい加減部屋で寝ろ!」
カズキ「うるさい、故郷が危機的状況にあるのに黙っていられるわけないだろ!」
厚かましい奴だ……。
ユキヒトは他の町と競えるよう、
なんとか試行錯誤して町の再建をしているというのに……。
カズキ「………っ!」
カズキ「……決めた」
カズキの母親カヨコ「え?」
カズキ「俺、エストリアに行く。行って魔法めちゃくちゃ覚えて帰ってくる!」
それは、彼にとって一念発起だった。
カズキ「俺が魔法覚えて帰ってきたら、さすがに文句言えないだろ。
一からきちんと学べば扱えない人でも覚えられるっていう証明になるんだからな!」
カズキの父親シンジ「か、カズキ!」
ユキヒト・カンダ「なにぃ!?……はっ、やれるものならやってみろ!どうせすぐに投げ出してくるはずさ!」
カズキ「言ってろよ。もし1年後俺が魔法を覚えて帰って来た時に、扱いが今と違ってたら家族全員で引っ越すからな。父さんと母さんがいなくなってもマフーライを運営できるんなら、どうぞご自由に」
カズキ「そういうわけだから、父さん、母さん。俺、行くよ」
カズキの父親シンジ「あ、ああ……それはいいんだが……」
カズキは独りでエストリア学園に向かった。
カズキの母親カヨコ「心配だねぇ。魔法覚えていないのにやっていけるかしら?」
カズキの父親シンジ「心配だが、今更何言っても無理だろう。小さい時からずっと学校に行きたいと言っていたし、我慢の限界が来るには十分すぎるほど時間が経った」
カズキの父親シンジ「でなきゃ、一人でエストリアに行く、なんていう発言するわけがない。カズキも大人になり始めたという事さ」
カズキの母親カヨコ「そうねぇ……。だったらあたし達は見守るしかないね。うまくいくように」
カズキの父親シンジ「そうだね……」
エストリア学園寮。
カズキ「……!」
カズキ「夢か……」
カズキ「朝まで寝られるかな……」
戦魔都市エストリア。
アリエス王国のすぐ東にある大都市。この町には、とても有名なとある大きな建物がある。
エストリア学園。
「先生おはよーございまーす」
「おはよう」
朝起きて、皆が登校する時間。朝が早い者は教師に挨拶したり、朝練をしていた。
町の名前がついたその建物は、そこに住んでいる町の人達を中心に世界中から学生が集まってくる、総合魔法習得学院だった。
なぜ、この学園が有名なのか。それは特殊なスケジュールで学生を育成しているからである。
まず、1~3年生まで学生生活があるが、彼らは全員6、8、10、12人の小中大様々な人数のグループに分かれて専用の寮に入れられる。しかも、そのグループには必ず、1年2年3年の全学年がいないといけないという決まりがある。
ようするに、集団行動に慣れるための処置である。授業以外のほぼ全て、買い物や生活管理を自分達でやる必要がある。
そのため、親が近くに住んでいるけど自立したいと考えている者や逆に甘えてばかりな人はよく寮に入れられがちで、ご家族からの評判はいいのだそう。
6~12人とバラバラなのは、人数が多い方が楽しいと思う人もいれば、そうじゃない人もいるだろうという
学園長からの意気な計らいで大した意味はない。
さて、カズキ達はというと。彼らが今回の主人公である。今までどんな生活を送っていたのか、これからどう送るのか、しかと見届けていこう。
エリー
「この新入生2人が新しく加入したわ。
皆仲良くしましょうね」
トルク
「よ、よろしくお願いします……」
アリス
「よろしく……」
アーク
「なんだぁ?
2人ともやけにおとなしい返事してんな」
エリー
「新入生なんだから多少の緊張は仕方ないでしょ」
エリー
「ほら、挨拶挨拶」
アーク
「へいへい」
アーク
「えっと、アーク・ガイ・ヘンディアムだ。
見ての通りまぁ体が大きくて土属性の魔法を中心に学んでいるぜ」
アーク
「よかったなお前ら、力仕事はしなくていいぞ」
エリー
「入学当初は全然魔法が使えなかったんだけどね……(ボソッ)」
アーク
「それは言うなっつってんだろ!」
アティナ
「ま、まあまあ……」
アティナ
「あ、アティナ・アルメリアです。
光魔法を中心に学んでいて、治癒するのが得意です」
アティナ
「だいたいあたしが回復役として依頼の際には
外に出る機会が多いのでお二人にはぜひ
少しでもあたしの代役を務めてくれると嬉しいです」
カズキ
「カズキ・アキヤマだ。よろしくな」
カズキ
「今自己紹介した俺を含む4人は全員2年の同級生でな、
1年の頃から仲良くさせてもらってる」
カズキ
「まぁ君達にもその同級生がいて
いずれ俺たち以上に仲良くなれるだろうから、
ぜひ今後の生活を楽しみにしてくれよな」
この学園は炎・氷・雷・水・土・風・光・闇の
8つの属性の魔法を習得する冒険者育成学園である。
人それぞれ扱うのが得意な属性があり、
だいたいそれを伸ばすのを目的に通う人が多いが、
基本的に8つ全属性を学べる総合習得が可能な魔法学園である。
古くからあり歴史が長く、
戦争時の戦闘員の育成の顔もあったことから、
一部の生徒や教師はやけに魔力が高い者が存在している。
ハーティー
「後は私達だけか」
ハーティー
「ハーティー・リベルラだ。
このグループのリーダーを務めている」
ハーティー
「実は私は皆と違って\C[2]マジュニア\C[0]から来た留学生でな、
家の事情でここに通っているんだ」
ハーティー
「まぁいずれ話すこともあるだろう、楽しみにしておいてくれ」
オズマ
「オズマ・ギルジェスだ。闇の魔法を中心に学んでいる」
オズマ
「年齢もさほど変わらないというのに
顔が怖いという理由であまり人が近寄らないんでな、
君達との会話をささやかな楽しみにしてるよ」
エリー
「さてと。終わりましたよ、ハーティー先輩」
ハーティー
「うむ。ご苦労」
ハーティー
「入学式やクラスでの説明はもう終わったんだ、
このグループでの活動の説明が終われば
今日はもう終わりだぞ。もう少し聞いていてくれ」
ハーティー
「明日から平日は夕方近くまで授業、
土日の休日はグループでの活動となっていくからな。
ここで朝飯を食べたらすぐに学園に行くんだぞ」
ハーティー
「わかったな?忘れるなよ?」
トルク
「は、はい!」
アリス
「了解しました」
ハーティー
「――とまぁ、こんな感じだ。
もう少し聞いてくれとは言ったが、
これじゃ言わなくてもすぐに終わったな、ははは」
トルク
「じゃ、じゃあ今日はもう?」
ハーティー
「うむ。好きにしていいぞ」
トルク
「やったー!」
アーク
「まぁ寝るのはここなんだけどな」
トルク
「え?」
ハーティー
「今日から学園生活だからな。
この説明も昼過ぎで昼食食べた後だし後はもう夜で
寝るだけだという事で新入生はここで寝ろって言われてるんだ」
ハーティー
「まぁ色々思う所があるだろうが、
少しでも早く慣れさせるためだと思って従ってくれ。
ここだけ自由じゃなくてすまない」
トルク
「そ、そんな……」
アリス
「……」
カズキ
「俺達もまだ2年目だからなぁ。
1年経つと当然3年の先輩は卒業して穴があくし、
当時は俺達も慣れるのに必死だったな」
アーク
「本当にな。だいたい言われてない細かい
校則があってそれが厳しいんだよな」
アーク
「グループのことで上級生がケンカしたら
すぐに担任教師に報告しなければならないとか」
トルク
「……」
カズキ
「上級生は下級生に魔法を教えることが可能だが、あくまで勉強であって指導してはならない、とかな」
トルク
「……」
アーク
「あれ初めて見た時、そこだけ自分でやれってことなのかよ、って思ったよな」
アティナ
「入学して1番最初に学んだのは苦手な属性の
初級魔法習得じゃなくこの学園の校則だったのは今ではいい思い出ですよね……」
エリー
「図書館に行ってハーティー先輩と遭遇したのには驚いたわよね」
エリー
「勉強熱心だなと勘違いしちゃって
説明することになったのがもうトラウマでトラウマで……」
トルク
「(僕……きちんと3年間通えるかな……)」
アーク
「おっと、余計なこと言って新入生を心配させてる場合じゃなかったぜ」
アーク
「カズキ、今年もよろしく頼むぞ!新しい魔法を習得して、皆にぎゃふんと言わせてやろうぜ!」
カズキ
「おう!」
アーク
「まずは初級治癒魔法のヒールからだ!」
エリー
「(相変わらずレベル低いなぁ……)」
ハーティー
「体力と武術の心得だけはある2人を
いかにうまく前衛で使うか。これが去年の主な課題だったな、オズマ」
オズマ
「ああ。4人ずつ2パーティーのどちらかに2人を入れると、
まともに攻撃魔法が撃てない、バランスも悪い、で
必ず分かれさせて俺達でどちらか1人を面倒を見なくちゃならなかった」
オズマ
「幸いその時々で構成をバラバラにして
俺達が裏で面倒を見ていることは知られていないが、
去年は俺達にも先輩がいたからな……」
オズマ
「1年の面倒を見るのは2年の役目だという空気が強くて自分たちで申し出たんだよな……」
ハーティー
「魔法の習得の遅さはもうどうしようもない。
カズキは魔法を扱うのが下手で有名な\C[2]マフーライ\C[0]の出身だし」
ハーティー
「やはり新入生二人にある程度の役割をこなさせる必要があるのではないだろうか?」
オズマ
「お前も騎士として前衛で戦うんだ、壁が厚い事は単純に良い所なんだから、遠距離魔法でとにかくサポートしていく他あるまい」
オズマ
「見たところ新入生の二人は体力面では頼れそうにないからな、丁度いいだろ」
ハーティー
「それしかないか……」