第6話 彼氏有無チェック
自分で蒔いた種とは言え、まさか元カノ今カノの鉢合わせみたいになるとは・・・
いや、しずかさんは今カノじゃないけど。
「なかなか情熱的な元カノさんで。」
「そう言ったら良く聞こえますけど単純に気性が激しいと言うか、いや、この話終了。迷惑かけてすみませんでした！」
元カノの愚痴を話したってしずかさんにはそもそも関係ないからな。
「私も迂闊な一言言ってごめんなさい。」
「いや、あれのおかげで収拾出来たのでむしろありがとう。」
ほんと、なかなか度胸あるな。おかげで収束出来た。
よし、予定通りランチをおご・・・
時計を見て14時を過ぎている事に気付いた。
「あ～14時過ぎてる。」
「何かあるんですか？」
「採寸の後ランチ行こうと思ってたんですよ。結構美味しいから帰り送りがてら一緒にどうかな、と思ってたのに14時でランチ終わっちゃう店なので・・・」
美味い店連れてってあげたかったのに、あの店ランチ終わるの早いんだよな～
チラっと彼女を見て、料理を作る事に決めた。
さっき猫に似てるのを思い出して「食べさせてあげたい」と思ったわけではないが。
幸い、食材はある。
「今からだとどこも微妙だな～・・・よし！すぐ作るからちょっと待ってて。」
「ごちそうしてくれるんですか？」
「すごく簡単な物だけど。キノコ類は平気？アレルギーは？」
「キノコ好きです。アレルギーはないです！」
「じゃぁ待っててね。」
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さっと10分程で
キノコのペペロンチーノと生ハム・ルッコラのサラダを用意した。
「はや！美味しそう！！良い香り～」
良かった、嬉しそうだ。
「ワイン飲む？泡もあるけど。」
昼間だけど酒も飲んじゃおう。
「泡で！！」
「ふふっ了解。」
白ワインが定番だろうが、彼女はスパークリングワインをご所望だ。
嬉しそうな彼女を見て、つられてややウキウキしながら食事をしていると、
「料理出来る男性って尊敬する。」
と褒められた。これくらいは普通だと思うが。
「そお？しずかさんは？料理する？」
既に1杯目を飲み干したので2杯目を彼女のグラスに注ぎながら聞いた。
「しますよ。ほとんど自炊です。」
何だ、ちゃんと作るんじゃないか。別に女性が料理しなきゃダメだ、なんて思わないが、自分の事は自分で出来るくらいではあって欲しいな、と思う。
彼氏に作ったりするんだろうな・・・
そう言えば彼氏いるよな？
今さらながら独身男の家に上げてしまって悪かっただろうか。
ちょっと確認するか。
「へぇ～じゃぁ進んで彼氏にゴハン作ってあげるタイプ？」
「頼まれなければ作りません。」
「え？」
「よそのおうちのキッチンって勝手が違うし、親切の押し売りみたいな事はしませんね。」
は？作らないの？まぁ人によって調味料すら揃っていなかったりするもんな。
しかし、親切の押し売りか・・・うん、心当たりあるわ。
頼んでもいないのに、好みじゃない料理出てくる事良くあったな。
料理出来ても出来なくても構わないのに、「私料理出来るの♡」と勝手にアピールしてくる女性多かったな。大抵美味くないんだよな・・・
「作ってあげたいとかは思わない？」
「思う？・・・ん～思わないかな。でも作って欲しいって言われた時に何かしらは作れる人ではありたいかな～」
彼女の作る料理は何か愛情いっぱい詰まってそう。いや、勝手な想像だけど。
「今の彼氏は作って欲しいって言わないの？」
「私彼氏いません。」
「そうなんだ、モテそうなのに。」
「それはこちらのセリフですう。」
ふっ。
言い回しがおかしくてお互い笑ってしまった。
そうか、今彼氏いないのか。
ほっとしたのと同時に嬉しさもこみ上げた。
思わず顔がニヤつきそうなのを必死で我慢した。
会って2回目なのに今日で随分気に入ったんだな、俺。
多分ロックオンしました(*'▽')
