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気になる彼女はあちこちデカい  作者: 新浜ナナ
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第5話 スコティッシュフォールド

ブクマありがとうございます(*´▽`*)ノ

 全ての箇所を測り終わり、彼女が漏れがないかチェックしている間に紅茶を入れ直してあげた。


「ふぅ・・・・。オーダースーツってどれくらい持ってるんですか?」

「あ~何着だっけなぁ、見る?」

「見たい!!」


 スーツへの食いつきは良いな・・・

 俺自身の事の質問はほぼないのに。


 会うのはこれが2度目だし仕方ないかと、ちょいちょいと手招きをしてすぐ横の寝室へ促す。

 彼女も後を付いてくる。

 が、歩みを止めた。


 見るんじゃなかったのか?


「ここからで良いです。何着か持ってきて下さい。」

 ああ・・・・ベッドがあるからか。


「何もしないよ?」

 とは言ったが先ほどの事があるので警戒心が強くなってしまったのだろう。


「半分信用してないんで、ここからで良いです。」

「半分なんだ。」

 信用してないと言われてしまったが、半分って何だ。

 半分は信用してくれているのか?警戒心あるんだかないんだか。

 変わってるなぁ。




『ピンポーン』

 すごく楽しい時間を過ごしているのにチャイムが鳴った。


 何だ?


 今日は荷物が届くとかはないはず。何もネットで購入していない。


「誰だろ・・・・対応してくるから寝室入って見てて。」

 応対する他ないので、しずかさんには寝室に入って見てる様言う。


「はい?」

『りょ~~~~!』

「・・・・今来客中なんだけど。」

 2週間前に別れた彼女だ。

 何故来た。


『亮の家に忘れ物しちゃってぇ~』

 それらしき物なんてなかったと思う。そう伝えても


『あれないと困るの!すぐ帰るから!』

「しょうがないな~来客中だから手短にね。」

 すぐ帰る、という事を鵜呑みにして、上げてしまったが、この時の俺は忘れていたのだ。

 彼女がすぐ嘘をつくような人だと。



 ********************


 玄関を開けるなり「亮!♡」と抱き着いてきた。

 俺の対応が普通だったのも悪く、別れた事もなかったかの様に振舞った。


 しまった。これは忘れ物なんて嘘だ、絶対。


 咎めようとしたが、次の瞬間玄関のしずかさんのパンプスを見るなり表情が変わりズカズカと上がり込んできた。


「誰よ!!!この女!!!!」

 寝室からちょうど出てきた彼女に向かって罵倒する。

 しずかさんは目を丸くしている。当たり前だ。


「・・・来客中だ、って言っただろ。迷惑かけるから早く忘れ物持って帰ってくれる?」

「な・・・・!」

 はぁ・・・めんどくさい。鬼の形相になってる。


「あたしは、亮がそろそろ寂しがるかと思って来てあげたのよ!一方的に別れるなんてあたしは認めてないんだから!」

 しかも来てあげた!とか。

 良くそんな都合良く解釈出来るよな。

 ちゃんと納得して別れたはずだったけど、通じてなかったんだろうか。



「もったいないなあ。」

「え??」

「は?!」

 しずかさんが独り言の様に言葉を発した。

 しまった!て顔をしているが、元カノも反応してしまったので対応せざるを得なくなってしまった様だ。


「えっと・・・モデルみたいに美人さんだな~って思って」

「当たり前じゃない、私モデルなんだから美人な事くらい知ってるわ!!」

 相変わらずの自意識過剰。まぁ黙っていれば確かに美人ではある。

 見た目は申し分ないので、すぐ嘘を付くのと、遅刻が過ぎるのと、俺を財布の様に思っていなければな、続いたんだが。


「そしたら今めっちゃ怖い顔になってるのも知ってます?せっかく美人なのにもったいない。」

「な・・・!!!」


 美人なのに怖い顔してもったいない、か。

 結構はっきり言うんだな。呑気に少し感心してたら元カノが大きく手をふりかざしたので慌てて止めた。

 危ない、客人に怪我させる所だった。

 しずかさん無関係なのに。


 こちらもはっきり別れた理由を再度伝えた。

「忘れ物って嘘だよね?だって別れる少し前から家に上げてなかったし、そんな物何もなかったし。そういう所が嫌いになったんだよね。結局迷惑かけてるからさ、帰って。次来ても家入れないから。」


「何よ!!ヨリ戻そうって言って来たってして上げないんだからね!!!」

 それでもまだ上から目線な元カノに若干の不穏を感じつつ、だが帰ってくれた事に安堵した。



「あ~~~~~疲れた・・・・・」

 まじで。たった数分の事なのに、嵐の様だったわ。


 その場でしゃがみ込みグッタリしてたらしずかさんもしゃがみ、顔を覗き込んできた。

「大丈夫?」

 目をまん丸くして、心配そうに見つめてくる。

 その視線に既視感があった。


「!? いや、大丈夫って聞くのはこっちというか・・・・いや、うん大丈夫です。ありがとう。」

 そうだ、何かに似ているとずっと思っていたが思い出した。

 実家で飼っている猫に似てるんだ。


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