第15話 ジャケット完成祝い のテイ
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そして、完結済の【お針子さんに手を出さないで下さい!】にもブクマ&評価ありがとうございます。
めためた嬉しいのです( ;∀;)
見た事ない方はぜひこちらからでも→https://ncode.syosetu.com/n4394gh/
追い打ちをかけるつもりではなかったが、彼女と会いたかったので食事に誘ったが良い返事は返って来なかった。
何度目かの返事で
『恥ずかしいからしばらく無理です。』
と来た事で安心したので、誘うのは止めたが他愛のないやり取りはしていた。
毎日の何気ないやり取りを続けていた中で2週間程経った辺りで『ジャケットが完成した』と連絡があった。
ゆっくりで良いと言ったのに、早く出来上がった事は嬉しいが、無理したんじゃないか心配してそのままメールを送った。
すごく集中したら早く上がったらしく、無理はしていないとの事だった。
そして家までジャケットを届けてくれるそうだ。
・・・・・・うん、そうだ!
ジャケットを受け取ったらきちんと付き合って欲しい事を伝えよう。きっとうまくいくハズだ!
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せっかくだし、ジャケット完成のお祝いをしたいし(ほんとはもっとお祝いしたい事あるけど)、ごちそうを用意する事にした。
きのこのポタージュスープ
イチジクとモッツアレラチーズのバルサミコ酢ドレッシング和えのサラダ
カモ肉のポワレ
デザートのプリンはさすがに作った事ないので、駅ビルの有名なお店で買ってきた。
プリンが有名かどうかは知らないが、仕事帰りにしずかさんが好きそうだな、と勝手に思って購入してきた物だ。
気合入って作っていたら、彼女が駅に着く時間が近づいてきてしまった。
だが今ここで火を止めるわけにはいかない。
前回一人でスタスタ家まで進んでいたから道は覚えているだろう。迎えに行きたい気持ちを抑え、『手が離せないから一人で来て欲しい』、と連絡をした。
『ピンポーン』
程なくして彼女が到着した。
さあ気合入れるぞ!男を見せろ!俺!!
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「じゃぁ、失礼しますね。」
後ろに回って彼女がジャケットを着つけてくれた。
「お~・・・・!恰好良い!着た感じもすごく良いね!」
姿見の前で腕を動かし、着心地を確認した。サイズ感もぴったりだ。
予想以上の出来に浮かれていた俺は彼女の顔色が悪い事に気付いていなかった。
「無茶なお願いを聞いてくれてありがとね、それでさ、・・・・・しずか?」
告白をしようとしたら彼女がテーブルを支えにして崩れ落ちそうになっている。
「しずか!!!」
慌てて腕を掴む。顔色真っ青じゃないか。何で気付かなかったんだ。
「亮さん・・・」
「やっぱり無茶したんだろう。どこが具合悪い?」
「亮さん・・・」
彼女は具合悪いのに、涙目で俺の名を呼ぶ姿にキュンとしてしまった。
「吐きそう・・・・・」
「!!!」
キュンてしている場合じゃなかった!
慌てて腕を抱えて立ち上がり、キッチンへ連れて行った。
吐いている間、彼女のきれいな髪が汚れたらいけないと片手で束ねて、逆の手で背中をさすってあげる。
一体どうしたんだろうか。
「落ち着いた?」
吐いたら一通り落ち着いた様だ。彼女は力なく頷いた。
「徹夜したとか?それか風邪の引き始めとかかな。」
「違います・・・・」
「ん?」
「・・・・・」
何か言いたげだけど。
「何か病気ならこれから病院行く?」
すごく心配だ。
「病気じゃないから大丈夫。」
「でもまだ顔色悪いし、具合悪そうだよ。」
「えっと・・・・あの」
「うん。」
「あの・・・・・ただの生理痛なので!」
「えっ、あ~・・・」
別に普通の事なのに、照れるもんだからこっちも少し照れてしまった。
もう付き合えると思ったものだからつい呼び捨てに・・・