遂に学園についた!が・・・
俺は今、馬車に揺られている。出発してから1日がたった。昨日の夜は辛かった。
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俺は今とても興奮している。なんせ、初めての夜営だ。しかし、それは思っていたよりも酷かった。キャンプのように美味しい夜ご飯かと思いきや御者さんがくれたのは固いパンと乾いた肉だけだった。パンなんか固すぎて噛み切るのが大変だった。寝るときも地面に薄い布を敷いて寝転がるだけの簡易的なものだ。日本で生きていた俺としては、ヤバいとしか思えなかった。
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そういう訳でとても疲れている。
「はぁ~。でもこの世界で生きていく以上こういうのに慣れないとダメだな。」
小さな声で呟いた。
ガコッ
突然、馬車が止まった。
「どうしたんですか?」
俺は尋ねた。
「すいません、車輪がぬかるみにハマったみたいで。ちょっと待って下さい。」
「手伝いましょうか?」
「あ、お願いします。」
車輪を見てみると結構深く嵌っていた。これは大変そうだ。俺は御者さんと一緒に馬車を押した。なかなか押し出せない。もう一度力を入れて押してみた。
ガンッ
え?
「うわっ!」
急に車輪がぬかるみから外れた。
勢い余って地面に顔からつっこんだ。うわー最悪だよ。まぁ取り敢えず馬車に戻った。
「しんど。」
思わずそう言った。
翌日、王都にあるという魔法学園に到着した。そこで御者さんとは別れた。
王都にあるというからでかい建物を想像していたが、そこまで大きい訳ではなく、日本の公立の学校のようなサイズだった。どうやらまだ入学するには早い時期らしく、あと1か月ほど待たなければいけないようだ。
親に貰ったお金があったので、取り敢えず王都を廻ってみることにした。やはり一国の王都らしくたいへん賑わっている。何かよくわからない肉を売っている店もあるし、謎の飲み物を売っている店もある。豚肉っぽいものの串焼きを買って食べてみた。
「あ、これ意外とうまい。なんかまんま豚肉だわ。」
「お、ボーズそいつはオーク肉だ。」
露店のおっちゃんが教えてくれた。そうか、この世界にはモンスターがいるんだっけ。その辺のことも勉強しないとな。そうだ、良い宿屋を知っていないか訊いてみよう。
「おっちゃん、この辺で良い宿屋知ってるか?」
「勿論だ。二つ先の角を曲がったとこにある『花園亭』なんか安いし、部屋もそこそこいいぞ。」
「ありがとう、おっちゃん。」
「どうってことねえよ。」
俺はおっちゃんに勧められた宿屋に向かった。入口の扉の上にはきれいな字で『花園亭』と書かれた看板があった。
あれ?そういえば何でこんな見たこともないような文字が読めるんだ? まぁいい、後で考えよう。俺は木製の扉をくぐった。受付には12、3歳ぐらいの女の子が座っていた。
「あの、部屋を借りたいんですけど。」
「かしこまりました。1部屋で1日銀貨2枚になります。お食事は別料金で3食で食銀貨1枚になりますが必要ですか?」
「あ、お願いします。1か月位泊まりたいんですけどいいですか?」
「はい、わかりました。それでは金貨9枚になります。2階の1番奥の部屋です。食事は適当な時間に1階の食堂に来てください。では、ごゆっくりー。」
部屋はまぁ俺の予想していた通りザ・異世界だった。普通にベッドがあり、木製の机のある部屋だ。
取り敢えず、ベッドにダイブした。地面よりはマシだが日本で使っていたものには劣る。
当たり前だな。少し仮眠をとった。
仮眠のつもりが爆睡してしまった。
夜ご飯を食べる為に食堂へ向かう。思ったより人がいる。この宿屋は繁盛しているみたいだ。食事は昼間見たオーク肉となんかのサラダがでてきた。普通に美味かった。
部屋に戻り、ベッドの上でこの世界について考えてみた。
色々なことを考えてるうちにいつの間にか寝てしまった。
学園に入るまでまだまだかかりそうです。
すいません。